<15>2年次、入学式!?
こんばんは。
「新入生入場」
(やっと始まる。お尻が痛いわー。にしてもここ暖かいから眠くなりそう)
入学当初はあまり気にしていなかったけれどこの学校は本当に設備が整っている。前世では式典が快適なんてことはほぼあり得なかったから。セレブ学校の特典である。ウンウン、お金持ち流石!
そんなことを思いながら今、美麗は座り心地のよい椅子に腰掛け入学式に出席している。2年生の代表児童として。
代表と言っても一人ではない。前の学年時のクラス分けで2名ずつ選出されるのだ。決め方は何でもよく、担任に一任されている。ちなみに美麗のクラスはあみだくじだった。
(あの時もう一列右を選ぶべきだった...、と何度も後悔したことか...)
もし選ばれなければ今日は新年度登校2日目にして休みだったのにー!!
「新入生代表の言葉─」
「ようやく始まったか、」
ボソッとそんな声が隣からした。そう、各クラス2名ずつと言うことは美麗には一人仲間がいるということになる。
面倒くさい、そう言いたげな雰囲気が伝わってくるようだ。しかしきれいな姿勢で前を向き座っている。
(私なら耐えられないくてボロが出るのに...)
本当に凄い。隣に座る彼を横目で確認して改めてそう思う。
この出来る男子生とは1年次の時のうちのクラスの会長。見るからに優等生で実際も期待を裏切らない。逆に期待の上を行く文武両道を絵に描いたような人物である。
なぜこの人がゲームの攻略対象じゃないのか不思議てたまらない。まぁ、そんなに主人公登場前から私の周りに華やかな人達が現れても困るからいいんだけどね。
「児童代表の言葉」
そんなことを考えていると新入生の式辞は終わり私達の番になったらしい。
「「「「はい」」」」
代表として参列している生徒全員が一斉に返事をしてその場に起立した。もちろん美麗達も例外でなく。立ったことを確認すると今年度の生徒会長が壇上に登り式辞を読み始めた。
「暖かな日差しを感じる季節となりました。新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。今日から皆さんはこの桜凛学院の一員です。これからはこの学院の一員としての自覚と責任を持ってこの国の未来を背負う覚悟に.....」
はぁ、毎年恒例の長ーい式辞が始まったよ。毎年同じ内容らしい。昨年も聞いた気がする。よって後、どのくらいあるのか推測できるわけで...。
(からだが揺れるー)
ずっとピシッとはできなくて途中隣で立つ会長に小さくつつかれた。正直、ビックリした。
「新入生起立。」
おぉ、また知らないうちに終わっていたらしい。
こんな感じで残りの校長の話も聞き、式を最後まで乗りきった。
◆◆◆
「代表生徒の皆さん、今日はお疲れさまでした!では解散とします。各自忘れ物がないようにしてください。」
「「「「お疲れさまでした」」」」
式を終え、しっかり会場の片付けを手伝い今ようやく解放された。
(何でここまでしなきゃならないの!?解せぬ...)
とは言っても反抗できない。そんな勇気ないからね!荷物をまとめて廊下に出る。
「「あっ、」」
会長と二人で昇降口に向かう。成り行きで一緒になってしまった。嫌いとかではないんだけど表情が読めないから苦手...。今日不機嫌を察知できたのはまぐれだと思う。その証拠に今相手が何を考えているのか分からないんだもん!
「会長、迎えきてる?」
「んー、たぶんいつものところって伝えてあるからきてると思うよ。」
「そっかー...」
「うん...」
「「...」」
(ノー!!会話が続かないー!)
当たり障りのない会話の欠点。それは話が途切れやすいところだと思うんですよねー。私が話すの下手なのもあると思うけれど...。
そうこうしているうちに会話なしで正門まで来ていた。沈黙から逃れるときがきたのだ。
「じゃぁ烏野さん、お疲れさま。」
「はい、お疲れさまでした。」
会長に挨拶してすんなり別れた。会長と反対方向に進み停まっていた車に小走りで乗り込む。
「おかえりなさいませ。美麗さま。」
「ただいま~。」
運転手に声をかけて家路に着く。
(今日は疲れた...)
発車してすぐに窓に頭を預ける。そして終わった安心からか瞼が重くなっていくのを感じた。しかし抗わず美麗は静かに夢の世界へ旅立った。
ちょうど美麗が夢の世界へ旅立った頃、運転手は美麗の姿を微笑ましそうにミラー越しに眺めていた。
「フフフ、お疲れのようだったものね。」
当たり前のように車内に流していた音楽のボリュームをさげる。耳に聞こえるのは美麗の小さな寝息と寝言だけ。
長年烏野家の運転手を務めている一見30代の美しいその人物はお嬢様の成長を感じながら運転したのだった。
久しぶりになりましたね...すみません
今後も頑張るので楽しんでいただけたら幸いです。




