<12>心休まらない春休み②
こんばんはー
怒りは出さない。私は役者。そう思え。自分に暗示を掛ける。そして客人の前へ出る。
「お待たせいたしました。支度に手間取ってしまい...」
前に出るなり頭を下げる。一応お客様をお待たせしたのでね?まぁ、
(悪いの絶対、私じゃない..!)
上げた顔とは反対に内心では毒を吐いている。そりゃそうだろう。
(急に来やがって)
口角を下げて申し訳なさそうにしている口。しかしその目は反省していない。その視線の先にいる相手を見つめる。
「そんなに待ってないので大丈夫ですよ。」
「そうですか...」
「「...」」
いや、沈黙はいいから何か喋ってよ。あなたが用あるんでしょ?休息を満喫しようとしていた私に、
「美麗さま、客間のご用意ができました。」
「ありがとう。では、移動しませんか?」
「それではお言葉に甘えて、」
三人で横並びになって庭から移動する。少し私の方が先を歩いているのは目をつぶってほしい部分である。理由としては第一に我が家であるため。第二には精神年齢大学生の世間的にもう大人。にしては幼いと思われてしまうだろうが感情が制御できてないのである。どうしても歩幅を合わせてあげよう!という気持ちが起こらない。本当に大人げない...。
そうこうしているともう部屋の前に着いた。
「どうぞ」
「ありがとう」
先にドアに手を掛けて相手を中に入れる。
それに続いて私も中にはいる。背後ではバタン!と言う強めの音が響いている。
部屋にはひとつの机とそれを挟むように2人掛けのソファーが置かれている。二人を座るように促し座ったことを確認してから自分も反対側のソファーに腰かける。
「で、どうしたの?叉沙、叶野」
そう今日のお客様は久しぶりに会った私のお友達である。
美麗は諦めて自分から話しかけた。すると待ってました!と言わんばかりの笑顔でまず叉沙が口を開いた。
「なんか急に会いたくなっちゃった!だって美麗、入学してから会ってくれなかったし...」
次いで叶野も
「しかも手紙で連絡は取ってたけど内容はいかに青蘭とか言う友達がかわいいだの郊外学習で楽しかったとかで...」
「要するに叶野は寂しかったんだって!」
「そんなことない...てか、叉沙もよく美麗どうしてるかな~とか言ってたじゃん」
「...そうだっけ?」
そんな内容をテーブルの上に用意された甘さ控えめで顎が鍛えられる奈未特製クッキーをボリボリと咀嚼しながら聞いている。
「で、本題は?」
ようやく私の冷めた目に気がついたのかこちらを向いた。そして
「明日、遊びに来ない?うちに!」
(...ん?)
「えっと...今何て言った?」
「だから、うちに招待する。」
(は?)
理解が追い付かない。急にどうした!?
どうでしたか?




