<2>神様の声
こんばんは!!
目を開けるとそこは真っ暗な世界だった。
「ここは一体...どこ?」
すると突然プロジェクターらしきものが現れて映像が流れて来た。
「あっ...お母さん!?」
そこには私の死体らしきものに泣きながら縋り付くお母さんの姿が映し出されていた。いつもしっかりとセットアップされている髪の毛は乱れている。
『何で・・・何でこんなにも急に私よりも先に行ってしまったの?まだたくさん話したかったこともあったのに・・.。』
「お母さん・・・。」
いつも家では朝早く仕事に行って夜遅く家に帰ってくる忙しい生活の中でも話を聞いてくれたり時には背中を押してくれたりと今考えればたくさんのことを私にしてくれていたのだ。
「本当にごめんなさい」
気づけば口から溢れていた。すると急にまた元の暗闇の世界に戻ってしまった。今この静かさは辛い...。
<あなたはこれからどうしますか?>
「えっ誰!?」
急に目の前に白い服を着た覆面の女の人が現れた。
<私は簡単にいうと...神です!>
何だ今の間は?流れてきた涙が急に引っ込んじまったよ。ていうかその仁王立ち、やめてほしい。なんか腹たつ。
「で、あなたが私をここに連れて来たんですか?」
<そうですよ。なんか未練が他の死者よりも強く感じられたので...。それに加えて死に方がなんか残念な形だったので。>
おいおい、小声でゆったつもりなんだろうが聞こえてるぞ。本当に神様か?もっと神聖な感じじゃないの?
<神様にもこんなのが一人くらい居た方がいいのですよ>
うわっ、怖。心の声が読めるのか。無敵じゃん。無闇に悪口言うのやめよう...。
<で、あなたはこれからどうしますか?選択肢は二つあります。一つはこのまま元の体に戻ってご臨終される。もう一つは私が決めた世界に行ってもう一度人生をやり直すという選択。さあ、二つに一つです。どうしますか?>
どうしよう...。私はできるならもう一度元の世界に戻ってやり直したい。
(けど...、)
「私、もう一度新しい人生をやり直したい!もう後悔だらけの人生なんて嫌だ...。お母さんみたいに他の人を悲しませたくない。
だから私にもう一度新しい人生を歩ませて下さい。」
<了解しました。では今から転生させます。『あなたは貴方の道を信じて進みなさい。』これは貴方のお母さんがおしゃっていた言葉です。新しい人生をどうぞお楽しみください>
すると突然辺りが眩い光に包まれた。