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  作者: 劉水明
8/12

8話

「それにしても、ここどこなんだろうな?」

と蓮は歩きながら言った。

「ああ、そこがわからないんだよな。ここが施設だとすると国が絡んでいないと無理だと思うんだよな。」

「昔、都市伝説なんかで国がシェルターを作っていたなんて事見たことあったけど。」

沙紀が思い出したかのように言った。

「それだと、人が消えた事の説明ができないね。秘密裏に開発された装置があるなら別だけど。」

僕がそう言うと蓮が何か話し始めた。


「あー、漫画でさあ、人が消えたり、現れたりする魔法があったぜ。きっとそれじゃないか?!」


「おまえなあ、、魔法がそもそもないだろ、、」

「わからないぜ。魔法なら全て解決するぜ?」

「なら、ここから出してくれよ。その『魔法』でさあ。』

「だめだなあ。俺戦士系だから魔法無理だわ。」

「そうだな。脳筋の蓮には魔法無理だよな、、」

「うっせー。おまえ帰ったらオンラインゲームでボコボコにしてやるよ。」


沙紀さんは僕らの漫才を慣れたように真顔で見ていた。


「あなた達こんな状況でよく、そんな冗談いえるわね。」


「いや、冗談じゃなくて本気なんだけど?」

蓮が言った。

「なら、どこかネジが取れてるのかしら。クスクス。」

「ああ、ここでネジを落としてきたからな。」

偉そうにする蓮がいた。馬鹿だな。


そんな時、僕らの前に薄い何かが見えた。


それは最初、形を成さず空間を歪めてたが地面の緑は見えていた。

しばらくすると、緑は消え、黒い服をきた大人が横たわった姿で現れた。黒い長髪の後ろをゴムで縛っており、髭が顎からもみあげに繋がっていた。整ったその髭は自然だった。


「おいおい、まじかよ。俺『魔法』なんて使ってないからな。』

と蓮は言った。骨の髄まで馬鹿だ。


「いったいなんなのこれは、、」

沙紀は少し声を震わせていた。


「死ぬときと同じ感じだね。」

僕は少し慣れたように話していた。


「どうする?」

不安げに沙紀が僕に言った。

「なんとなくだけど、悪い人じゃない気がする。」

「また、おまえの勘か?」

「ああ。時間がもったいない。悪いけど起こそうか。何かあったら蓮頼む。まだ、腕は鈍ってないだろ?」

「しばらくサボってるからな。」

「えっ?何が?」

沙紀が僕に言った。

「こいつ、空手やってるんだよ。脳筋がその理由さ。」

「そうだったんだ。無駄に大きいわけじゃなかったんだね。」

そう言って沙紀は蓮を見た。

「なんだ沙紀、雄馬みたいになってないか?まあ、いいや。いつでも準備はいいぜ。」

「じゃあ、起こすから沙紀さんは離れていて。」

僕はその男の体を思いっきり揺さぶった。

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