表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
  作者: 劉水明
5/12

5話

しばらく歩き人影はなくなった。

安心した僕はみんなに話した。


「疲れたな。少し休憩しようか?」

「ああ、ここなら大丈夫だろうしな。」

蓮は座り込みながら言った。


「あたし達どうなるんだろう。」


「ここから出てやるさ!そして、こんなとこに連れて来たやつをぶん殴ってやる。」

と僕は言った。

「そんな非力な腕でか?」

蓮はこっちを向いていた。

「ああ、こんな非力な腕でも殴ることはできるさ。

必ずぶん殴る。」

「じゃあ、俺も混ぜてもらうぜ。」

「じゃあ、あたしも!」


僕と蓮は驚いた顔で沙紀を見た。


「あたしだって殴れるわよ。多分、、」

「沙紀さんは蹴りの方がいいよ。手が痛くなるから。」

と僕は言った。

「じゃあ、そうする!」

沙紀は立ち上がり、上がらない片足を上げて沙紀はそう言った。


僕と蓮はその低い高さの蹴りを見て笑った。


「何がおかしいのよ!」

「そのすごい蹴り捌きに驚いて笑ったんだよ。」

僕は心にも無いことを言った。

「そうだな。クスクス。」

蓮は無理矢理に相槌を打った。


「嫌な二人。」


その沙紀の言葉が嫌な二人の笑いをさらに誘った。


僕は笑うことを堪えながら話した。

「さて、真面目にここから抜け出す方法を考えよう。今僕達がわかっている事は、壁にあった

『壁ヲ越エレバ道ハアル』

『壁ハイツモソコニアル』

という文字。さらに、ここで死ぬと人は消える。飛び散った血などは残るってことだな。でも、地面には残っていなかったから、他の人に飛び散った血だけが残ったと言えるな。壁に着いた血は消えたんだろうか。動揺してて見てなかったな。でも、壁に黒い色が付いてたから、壁に血は残るのかもな。」


「さっぱりわからないぜ。」

蓮は諦め気味だ。


「やっぱり壁にあったあの文字がヒントなのかな。」

沙紀は首を傾げた。


僕は答えた。

「そうだね。他にも文字がないかな。」

「よく見たらあっちの方になんか文字ぽいのが壁に見えるぜ。」

「行ってみよう。」


僕には見えないが、蓮が言うならそうだろう。こいつの目は鷹の目のように見える。視力が3.0を越えてるなんて自慢してたしな。


僕達は立ち上がりその文字を目指し歩いた。


何も変化がない青い空は不気味でしかなかった。

どれだけ歩こうとも変化がない。自然な空とは違う、作られた空なのは明らかだった。

それでも、歩くしかない。

それにしても、ここはなんだ。実験設備か?軍の秘密基地か?大富豪の道楽か?

さっぱりだ。人が消える時点でありえない。

大きな組織が絡んでいるのか?国?

国だとしたら、中国、アメリカ、ロシア、日本あたりか。

ああ、、全くわからないな。

今は脱出する事だけに集中しよう。


「見えたぜ。雄馬、見てみろよ。」


『14番目の


虚数で


得るのは?』


と黄色の文字で書かれていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ