真の国際人
私は英語や世界文学・文化を勉強しているのだが、それと同時に日本語や日本史・日本文学や文化も勉強しないといけないと常に感じる。日本語はとても難しく、ちょっとしたニュアンスで別の意味にとられてしまうことがある。また歴史や文化も奥が深く、学べば学ぶほどに自分の無知を思い知らされることが多い。
真の国際人というのは、日本に誇りを持ち、日本の歴史や文化を勉強して、そして日本を愛してからが第一歩だと思う。
世の中には、英語やフランス語が話せるとか、アメリカ映画が好きだとか、何処其処に留学していたという人がいるが、だから何だと言うのか? そんな人は五万といるではないか?
残念ながら、そんな人がすべて国際人になれるとは思えない。外国の事だけしか分からないような、金髪に髪を染めた外国人気取りの日本人にはなりたくない。そんな人達の中に、日本の歴史や民族性・文芸や音楽を理解している人は、どのくらいいるのだろう。自分の先祖について語れる人はいるのか。あるいは、この国を愛している人は一人でもいるのか?
だからと言って、おまえは日本を愛しているのかと尋ねられると、返答に困るのは確かだ。日本人である事を、たまに嫌になったり、後ろめたく思ったりする時があるからだ。
ニュースで流される日本の現状には、毎日うんざりしてしまう。これから益々、年齢を重ねた人にとっても若者にとっても、住みにくい国になるのは明確だ。
しかしあまりに美しい文化や絵画が、素晴らしい本や美しい日本語が返答してくれる。日本は素晴らしい国だと。生粋の日本人である私は、日本に日々魅せられている。
他の国のお面を付けるのは簡単だが、日本人である事から逃げてばかりだと前へは進めない。
誇りの持てる国にして欲しい。子供に夢を与える国にして欲しい。でも要望ばかりじゃダメだ。自分が変えようとする意識を持つ事が何よりも大切だと思う。これから若い世代の人は、自分の掲げた目標を胸に、どんどん海外へ旅立つだろう。そんなチャンスを掴んだ人には、もっともっと輝いて欲しいと心から願う。日本を愛して外国を知ろう。そんな真の国際人となろう。