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歌ってよ

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………もう、もう……………………

「バルス!!」


星野君の事を思い出してモヤモヤした私は、大きな声で一応唱えてみた。タイミング良くキキがコケた。

『あいてててて……。』

ああ~!キキおじいちゃんなんだから……!体がバルスしちゃうよ!?

「大丈夫~?」

『大丈夫大丈夫。まだ少し揺れるね……』


そうだった………この時代、もう既にバルスしちゃってたんだ………。

『僕、手が震えて星が繋げないよぉ~!』

『じゃ、私がやる。写真集貸して。』

キキは黙って下を向いた。確かに………本当に私ができる………?最初、どこに行ったのかわからないのに……。何も知らないのに…。


じゃあ、だったら、私が誰かと知り合えば………ここで誰かと関われば………!


私は辺りを見回すと、人を呼ぶ声や泣き声で溢れていた。私はキキと像の近くに座り込みながら、頭を抱えた。私は座りながら、ただ、ただ………地震の凄惨さから目をそらした。


だってもう、死んだ人は見たくない。だって………こんなの………歴史の教科書にあった?これは、本当じゃないもん。私は、すぐに現代に帰るんだもん。だって…………だって…………私は無力だから。ここにいても何もできない。瓦礫をどかせる怪力もないし、傷を癒せる呪文もない。


『ララ、歌ってよ。』

え………?キキが突然言った。

『だって………私、特に歌が上手い訳じゃないよ?』

『いいんだ。何でもいいから、声が聞きたいんだよ。』

キキは、私にしわくちゃな笑顔を向けて言った。


『ララは生きてるって、確認していたいんだよ。』

まるで、おじいちゃんに言われたみたい。


私は立ち上がって、歌う事を決心した。何もできない私が、今できる事を、今やろう。全然上手くもない。でも、それで星を繋げるなら………一生懸命やるだけだ。


こんなに大きな声で童謡歌った事ある?ないよ!羞恥プレイか!


…………でも、しばらくすると、迷子の小さな女の子が少しだけ笑顔になった。


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