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地球滅亡の時に

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『西郷隆盛像ってのがあるよ?』

西郷隆盛像……?

「すみません、西郷隆盛像ってどっちですか?」

私は道行く人に聞いた。おじさんはこう答えた。

「すまんね、ここのもんじゃないからわからないよ。」

「そう……ですか……。すみません。」


遠くで沢山の煙があがってるのが見えた。東京で震災っていつだっけ………?無理だ!入ってないものを出すなんてできっこない!


何度か、時間の旅をするうちに、わかった事がある。次の時代に行くと、前回の記憶はなくなる。少しずつ、元の時代の記憶が戻る度に、現代に近づいてる………気がする。このままどんどん記憶が戻って、いずれ元の時代に戻るのかな………。


あちこち人に聞いて、やっとたどり着いた。これが………西郷隆盛像!!これ………犬の散歩してるセレブなおじさんじゃん!なんか、紙いっぱい貼ってあるし。私もキキの名前貼っとこうかな?

『ララ!』


後ろから誰かに捕まれた。ヨロヨロのおじいさん………?

『僕だよ。キキだよ?』

『え?これがキキ?』

え……?なんか今にも倒れそうだけど、大丈夫?

『老人って大変なんだね~足も腰も痛くて、もう死にそうだよ~』

『その姿でそうゆう事言うのやめようか。』

今の姿でその冗談は、シャレにならない。


『大正時代って短いんじゃなかったっけ?グラフが狭いって思った記憶あるし。』

『与謝野晶子とか有名だね。』

『あ、それ、名前は女だけど実は男だったシリーズね?』

おのののかとか、岩倉友美とか、あと誰だっけ?

『何そのシリーズ。今僕は、目の前の現代人代表の学力の低さに引いてるよ……。』

『どうゆう意味?』


『あ!みはし!あーあ、こんな状況じゃなきゃ、ここのあんみつ食べたかったのにな。』

キキがお店の看板を見て言った。あんみつ………?


私はまた、塾帰りに星野君に引き止められて話をした時の事を思い出した。


「吉沢さん、良く考えたら、かき氷と、ソフトクリーム、どっちも食べればいい。」

「は?」

えーと、何の話ですか?

「谷中と中野なら、不可能な距離ではない。どちらかにずっといる必要はないし、地球が滅亡する前に、両方食べればいい。」

「……あははははは!!」

そういえば、そうゆう話したっけ。私は思わず爆笑した。

「確かに!でも、かき氷とソフトクリーム両方食べたら、お腹壊すよ?」

「地球の滅亡の時はトイレで迎える事になりそうだな。」

「あはははは!!」

星野君、一応気にしてくれてたのかな?


「そもそも、交通機関が麻痺していて、お店もやっているとは限らない。何かを食べに行く行為はそもそも不可能だと思う。」

うん……まあ、でもそれ、もしもの話だから。

「地球が滅亡する予定はないが、吉沢さんが嫌ではなければ、一緒に……みはしのあんみつを食べに行かないか?」

え…?ええっ!!………それって、デートのお誘い?

「ダメならいい。」

星野君はそう言って先に行こうとした。私は思わずシャツの腕の所を掴んで言った。

「待って!えっと……あの…………ついでに、パンダ……見てもいいなら……。」


でも、それは…………その約束は、果たされる事はなかった。なんだ………星野君のクセに、社交辞令かよ…。


地球滅亡の日に食べたい物……二人で見つけたかったな……。


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