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大正12年

11


目が覚めると、辺りは瓦礫と砂埃や煙が上がってる。行き交う道は人で溢れていた。ここは……どこ?まさか……戦時中の日本?キキは?キキはどこだろう。


あまりの凄惨さに……すぐにでも帰りたくなった。屋上から落ちようとしてたクセに、今さら死にたくないなんて笑える。そういえば、どうして屋上にいたんだっけ……?忘れちゃった。


「あ……地震……」

少し地面が揺れた。

「キャアアア!」

揺れに人々が声をあげた。そんなに強くはない。これ、もしかして余震?じゃあ、戦時中じゃなくて、これは震災………?私はとにかく、キキを探しに動き出した。


「すみません!蝶の痣のある男の子知りませんか?」

「知らないね。」

道行く人に声をかけてみても、全然見つからない。そもそもキキは毎回姿が違う。姿も違えば痣の位置も違う。そんな中で、この状況下で見つかる?

『キキ!キキ!どこ?』

『ララ、僕はここだよ。ララはどこ?』

どこ?って………わかるわけがない。どこもかしこも瓦礫で、崩れかけの家ばかり……


こんな時に、塾で地震があった時の事を思い出した。


「結構揺れたね~」

「なぁ、もし明日地球が滅亡するとしたら、今日は何をする?」

隣の男子がそんな話をしてきた。彼は確か……高橋君?だっけ?星野君は少し考えて言った。

「ひみつ堂のかき氷を食べに行く。」

それ……今食べたいだけだよね?

「吉沢さんは?」

私?私は、じゃあ……

「デイリーチコの特大ソフトクリームを食べに行く!」

それを聞くと、星野君は携帯で調べ始めた。調べた後、こっちを見て言った。

「じゃあ、地球滅亡の日には、吉沢さんとは一緒にいられない。」

…………えっと……それって……どうゆう意味?


私が軽くショックを受けていると、男子がフォローしようとして言った。

「いや、それ、フツーにファミレス行けばよくね?」

「ファミレスにかき氷は、夏しか売っていない。」

「あ~!確かに!」

全然フォローになってない!お前何なの?だから私と争うほどのバカなんだよ高橋!!

「それに、明日死にゆくのに、ファミレスのジャリかき氷を食べたいとか思うか?」

もういいよ。もうわかったから。


「明日死ぬなら、特別なかき氷が食べたい。我慢して誰かと普通のかき氷を食べるくらないなら、家で望遠鏡で天体観察をしていた方がマシだ。ああそうか……最初からそうしていれば良かった。」

わかってる。星野君はそうゆう人だ。期待なんかしてなかった。


どうでもいい事ばっかり思い出すなぁ………。


とりあえず、人の流れに乗って、あてもなく歩いた。

『キキの姿って、どうして毎回変わるの?』

『それは……』

キキはしばらく答えなかった。

『時の旅人だからだよ。』


………時の旅人?思わず足が止まった。時の旅人…。その言葉には覚えがあった。合唱で歌うより、もっともっと前………おばあちゃんだ。私が五歳の時に亡くなったおばあちゃんが死ぬ間際によく言っていた。『時の旅人に、ついて行ってはいけないよ。』って。


ついて行ってはいけない……?キキには、ついて行ってはいけない………?


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