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閑話回想10 憧れと夢の狭間

☆☆

 


あれから、ヒョウたちは馬車を飛ばし、近郊にあるラーバンクルの祠にきていた。

 シエラ様がちょうど祠の中に入り、結界が敷かれてあるような場所の中に入ろうとしていた。


「あなたたちは、ここで待ってて、神聖で、祠の奥には武装している人は入れないの」


「は、わかりました」

クエスが頷いた、その時だった。


急に、霧のようなものが立ち込めてきた。


シエラ様はもう建物の中に入っている。その場には警護のもの三人しかいなかった。


みな、その霧を受け、容態が変わってきていた。




☆☆



 ヒョウが斬り靄の世界にうつ伏せで倒れこんでいた。


 そして、気が付いた。

「なんだ、ここは、確か俺は、ラーバンクルの祠にいたはず」

 ヒョウは辺りを見回した。切り靄以外、何もない世界だった。


 明らかにおかしいのは、ヒョウにも判った。だが、ちゃんと体と意識もある。


「ガスも、クエスもいない、一体ここはどこだ?」

 ヒョウが言ったそのときだった。


「ヒョウ、私よ、シエラよ。あなたとこうして、二人で話がしたかったの」


「シエラ様?」

 シエラ様がどこからか、やってきて、ヒョウに笑顔で手を差し伸べた。


 ヒョウは戸惑っていた。

 シエラは続けざまにヒョウにいった。


「私ね、お父様が不治の病で死ぬのじゃないかって、ずっと心配だったの」


「それで、祠に魔法をかけに行くのは知っています」


「あなたとこうして、ずっといることができたら、私は幸せだわ」

 シエラはヒョウに近づいて手を握った。


 ヒョウはためらった。

「シエラ様、どうしたのですか、貴方は俺なんかに幸せなんていわないはず」


「いいえ、同じ人間よ、身分は違えど、恋愛に身分は関係ないわ」


「ねぇ、あの大きな木の下まで一緒に走っていきましょ」

 シエラはヒョウの手を引っ張りそのまま木のある方へ走り出した。


「ちょっと待ってくれ(あんなところに木が? さっきはなかったはず。それにシエラ様が俺の手を引っ張るなんて? おかしい)」

 シエラたちはあっという間に走って大きな樹の下についた。


「ねぇ、ヒョウ、こんな、世界樹みたいな、おっきな木の下でちぎり交わせたらよくない?」

 シエラはそういい、ヒョウにニコリと笑みを見せた。


「ねぇ、目を瞑っていて」

 ヒョウに命令するようにシエラは言った。


 そのときだった。


「(おかしい)」


「しねぇ、魔剣士!」

 なんと、シエラの姿が豹変し、魔物に姿を変えた。


 ヒョウは魔物の首を切ろうとした斬撃を上手く紙一重でかわし、後ろに飛び退いた。


「やはり、魔物か。お前は夢魔だな!」

 魔物は悔しそうな顔をする。


「くそ、シエラに上手く化けて、殺してやろうと思っていたのに、勘のいい奴だ」


「幻影? もしや、ガスとクエスも」


「ふはは、二人は睡眠魔法で眠ってもらった。今はシエラの警護はいない。お前だけだというわけだ。現世に帰ることができればな、クハハ」


「やろう、薄気味悪い声出しやがって。一つお前には誤算があるぞ。ラーバンクルの祠は神聖で結界が張られている。そう簡単に侵入することはできない」


 だが、魔物はヒョウの言葉を聞いても、動じずニヤリと不敵な笑みをみせた。


「この精神世界、アストラルフォースで、お前を乗っ取り、シエラを殺すというわけだ。この世界からは我を倒さない限り出ることはできん」

 魔物は目を光らせ、舌を啜り、牙をうならせた。


 ヒョウは表情を一つも変えなかった。


「フン、いい度胸だ」


「乗っ取るなら乗っ取ってみろよ、そう簡単にはいかないぜ」

 そして、首を掻っ切るジェスチャーをした。


 ヒョウの挑発にも魔物は嘆息一つつかなかった。


「この夢魔ディーパスラ様が直々にお前に手を下そうというのだ」


 その瞬間!


「なんだ、この甘い匂いは?」


「フハハ、かかったな、我の睡眠魔法に。その匂いを嗅げば、眠気から逃れることはできん」

 辺り一面にディーパスラの魔法と思しき斬り靄が立ち込めた。


「く、意識がうつろう、朦朧とする」


「魔剣士と言えど、キャパシティは人間。ちょろいものよ」

 いうと同時にディーパスラはヒョウに向かって地をけたたましく蹴った。


「もらったぁ」


木魔弦弓スリープアロー


bababa!


 木に弦が巻き付いたようなオーラが立ち込めてる弓矢が無数にヒョウに放たれた。


 その何発かが意識が朦朧としているヒョウにクリーンヒットした。


 当たったところからは血が吹き飛んだ。


 更にディーパスラはヒョウの首を掻っ切ろうと手刀で上から薙いだ!


「終わりだ、魔剣士!」


 首を上から掻っ切ろうとしたその瞬間だった。


「ぐはぁ、なぜだ、スリープアローを喰らい、睡眠魔法までかかっているはずのお前が動けるなんて?」


 なんと、意識が朦朧としていたはずのヒョウが動き、ディーパスラを魔剣で下から串刺しにしていた。胴体、胸の部分を貫通していた。致命傷だ。


 ヒョウはニヤリと笑った。


「フン、生憎だったな。俺はそんなにヤワじゃない」


「ディーパスラ、不眠永遠の眠りにつけ」


「アイスブリザード!」


「ぐあぁあ」

 それがディーパスラの最期の断末魔となっていた。


 冷たい冷気の吹雪が吹き、ディーパスラを見事に氷漬けの標本にしていた。


 ヒョウが死ぬ以外解除方法はない。永久に精神世界で眠りにつく。


「この精神世界で一生氷漬けで寝てろ」


 そのとき、左手の奥の方から光りが差し込んできた。


「ん、光り? あそこが出口というわけか。シエラ様が心配だ」

 ヒョウは手傷を負っていたが、力を振り絞って、光の差す方へ向かった。











☆☆

感想おまちしてます。キャラ物語などきにいってもらえたら、お気に入りお願いします。

今日また更新します。

応援よろしくお願いします

更新はしていくのでよければブックマークなどお願いします。

よろしくお願いします

ドラゴンバスターズや異世界姫もよろしくお願いします

こちらはコメディです

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