第五百三十二話 氷の斬撃、反撃の狼煙
キュラたちがアジトを探していたころ、ファイたちの方では激戦が繰り広げられていた。
エリューも魔法の詠唱をし、万が一に備えている。
そのときだった。
「へ、ちょうしこいてら」
「クハは、どうした、手も足もでんではないか、ドラゴハビータに」
ファイがジリリと間合いを詰めていく。
もう魔族ダルファーラとの距離がほとんどない。
一歩踏み込めば攻撃に転じることとなる。
ファイが動くと同時にみな動いた。
エリューは後方支援だ。
ファイが言葉をなげうった。
「へ、その口、何も言えないようにしてやるぜ」
「みんな、動きながらスピード系でいくぞ」
「おうや」
レギンが大声を張り上げていったときだった。
「戦斧ハルバート!」
ZUSSSHAA
「なに、斧が回転してとんだだと」
「小癪なッ」
レギンだ。
レギンが打って出た。
イーリア種族に伝わる伝説の武器イーリアアックスを投げたのだ。
戦斧は勢いを増して回転し、ドラゴハビータ全体を襲った。
凄まじい勢いで斬っていく。
その場にはドラゴハビータの血が飛散した。
そして、戦斧は魔族ダルファーラを追いやった。
だが、うまくダルファーラは凌いだ。
ヒョウが言い寄ってきた。
「ふん、どうした、躱すだけが特技か、魔族のお方とかやら」
「ドラゴハビータは全部、おっさんが胴体を斬ったぞ」
そして、ファイが攻撃的にいった。
ヒョウがファイの言葉を聞くと、ドラゴハビータを一瞬みやり、再生する前に仕掛けた。
「今、お前を守るものはいない、いくぞ、ダルファーラ」
「く、貴様ら」
そういい、魔族ダルファーラは後ろに飛びのいた。
間合いを稼いだのだ。
「ドラゴハビータよ、速く再生するのじゃ」
ファイがヒョウを援護するように動いた。
セイクやレギン、その場にいたもの全員動いた。
「ヒョウ、俺たちに任せろ」
「すまん」
ヒョウはいうと魔族ダルファーラの方に駆けた。
「行くぞ、おらぁ」
「アイスザンバー連撃」
BYUBBBBYUUU
これは、さっき仕掛けた、範囲縮小型のアイスザンバーだった。
いつもなら広範囲に伸びて斬ることが主体だが、今回は違った。
ヒョウの素早い斬撃が魔族ダルファーラに飛んだ。
「クヘへ、軽い軽い、その程度の斬撃では我は倒せぬぞ」
「なに」
魔族ダルファーラはヒョウの高速の斬撃を紙一重でかわしていた。
ヒョウが舌打った。
そして、次の瞬間、またヒョウは打って出た。
「躱す余裕があるなら、受けてみろ」
「ブリザードドラゴン!」
「なに、氷の竜だと」
「躱せなければお前は氷漬けだ」
「小癪な」
魔族ダルファーラはブリザードドラゴンだけは躱しようがなかったのか、まともに真正面から受けた。
しかし、ダルファーラの瘴気も強く、受け止めており凍るのを防いでいた。
「クヘ、くそッ、速い」
「だが、お前たち、我をそこら辺の魔族と勘違いしておるようだな」
「この程度」
その瞬間だった。
魔族ダルファーラは受けながら、片手で技を繰り出した。
「牙閃光撃」
DWOOONNNN
坑内で爆発を起こした。
衝撃があたりに散った。
「チ、相殺しやがったか」
ヒョウが言った瞬間だった。
ファイが檄を飛ばした。
「いけない、ヒョウ横に飛べ、再生したぞ」
「チ、なんのぉ」
ドラゴハビータだ。何体か再生していた。
次々にヒョウに襲い掛かっていく。
「アイスザンバー」
CHUIINN CHUIIINN
ヒョウは上手いこと、ドラゴハビータの強襲を躱していた。
技で斬り、攻撃を皆無にしていた。
「くそ、ドラゴハビータさえいなければ、攻撃を続けられたものを」
地上におり、ヒョウは悔しそうに舌打った。
ファイがヒョウの前に立ちいった。
「おい、ヒョウ、まだ、負けてなんていねー、俺たちで切り抜けるんだ」
「そうだ、その意気だ」
セイクもリズムに乗った。
「チームワークでどうにかしてやろうぜ」
「そうですよ、がんばれば大丈夫です」
「そうどんよ」
ファイの言葉に士気が上がった。
エリューにボン、ライト先生まで次々に表情に浮かべた。
「へ、ヒョウ、弱気になんなよ」
「フン、わかっているさ」
ヒョウがいうと戦闘が再開されようとしていた。
ドラゴハビータの胴体がほぼ再生されようとしていた。
☆☆
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