第四百七十二話 英雄の魔剣
「しかし、前にある穴は塞がったぞ」
「時間差で空いたり開いたりするんだ」
「次まで時間がかかるのか」
「それまでに影の黒い竜の大群が出てこなければいいがな」
レイティス、オネイロス、アザレ、キュラが考察を述べた。
その言葉を聞き、レギンが筋肉を膨らませながらいった。
「キュラ殿、無理やりにでもこじ開けるか」
「レギン殿そんなことは可能か」
「そうだな、ある程度開いていればの話だが。少し閉まるのは遅らせることは出来るやもしれん」
その言葉に、みな笑顔が生まれた。
レイティスが言い寄ってきた。
「しかし、キュラ様、ファイたちがまだです」
「ファイもここにこれるでしょうか」
「なにか伝える方法が必要だな」
そうキュラはいい、顎に手をやり、考え込んだ。
そして指をパチッと鳴らした。
なにか閃いたのだ。
「よし、あれを使おう」
「キュラ様、何か方法が?」
「テアフレナ、そちは四次元アイテムボックスを持っておろう。あのヒュルディースで闇の王テュポンと
戦った時にいた、英雄アオンさんの魔剣を出してくれ」
「死霊剣デスゲイザーですか?」
「そうだ」
「なるほどな、死霊剣から発せられるオーラを道標にするのだな」
「レギン殿、理解が早いな。その通りだ」
「テュポン? 死霊剣?」
「レイ様ご存じですか」
「いや、英雄アオンのことは古文書で読んだことがある程度だ」
レイは感心したようにいった。
そして一呼吸おいて、テアフレナが四次元アイテム箱から剣を取り出していった。
「その人物がテュポンを倒す時に助けてくれたのだ。これがその者が持っていた形見の剣だ」
「テアフレナ、こっちにほってくれ」
「はい」
いうと、テアフレナは死霊剣をキュラに放り投げた。
それをキュラはうまくキャッチした。
次の瞬間だった。
「はぁあぁ」
SHUDO!
「ふう、上手く、石の継ぎ目に入ったか」
なんと死霊剣を石の通路に突き刺したのだ。
黒い竜がいても剣には見向きもしないと考えられる。
好物でもない。
キュラが続けていった。
「ファイたちならセイク殿もいる。この魔剣のオーラを察知することも可能だろう」
そのときだった。
「キュラ様、危ない」
「なに」
SHU!
黒い竜がどこからか表れキュラの首を噛もうと飛び掛かってきた。
「光手裏剣!」
嚙み切ろうとした瞬間、マミの光の手裏剣で、黒い竜を亡き者にした。
もう少し遅ければ、噛み殺されている可能性があった。
「マミ殿」
態勢を崩しながらもマミにキュラはお礼のジェスチャーをした。
「どうやら、周期の現れる時間がきたようですにゃ」
「よおし、レイティス、一戦してやるか」
「はい、団長」
「粉砕してやる、こい黒い竜め」
力自慢、スピード自慢たちが雄たけびを上げた。
攻撃に転じる膂力が残っていた。
穴が開くまでの時間が勝負だった。
それまで無限に出てくる影の黒い竜の猛攻に堪えれるかだった。
☆☆
おつかれさまです。
こんな時間帯に更新してすみません。
後編です。
何回も見てくださっている読者様には感謝です
ほんとにありがとうございます。
ページめくるのもしんだいと思いますし、それなのに何百回もみてくださっていたりありがとうございます。
作者ちゃんと毎日見てます。
読み物としてがんばっていくのでブックマークなどしていただけるとうれしいです。
またお会いしましょう。




