第百十七話 レビ記の鍵
ファイたちはザラディア山脈を下り、機工都市バルトカムに入っていた。
テアフレナがアザレの方を向き、言葉を投げかけた。
「ここは、アザレ副将軍の故郷でしたね」
「テアフレナ様知っていたのですか?」
「昔、イーミ姫様から少しきいたことがあります」
「そうですか、ご存知でしたか。今まで隠していたのですが」
アザレが一本取られたといった面持ちで答えた。
テアフレナがニコリと笑った。
「姫様は何でもお見通しでしょうね。皆をよくみてらっしゃる」
そこに、前にいたキュラが割って入ってきた。
「一回、みたこと、きいたことは、絶対に忘れないし覚えていらっしゃる。頭の回転が我らより速い」
「キュラもやはり、そう思いますか」
テアフレナも頷いた。誰しも回転の良さと、姫様の記憶力は認めていた。
キュラは続けざまに言った。
「それは、重々承知だ。昔から思っていた。親友でもあったし」
そして、一呼吸おいて、キュラがウィードの方を向いた。
「ウィード様、急ぐのですか?」
「いや、時間は大丈夫でしょう。僕は構わない。フォライーも古文書レビ記を解読して、復活させるのは、情報を得ない限り無理でしょう。鍵はここにありますし」
「鍵?」
「どういうことだ?」
ファイとヒョウが怪訝な顔つきでウィードの方を向き、きき返した。
ウィードは非常に困った顔つきをして魔剣フィンウィンドのグリップを握った。
「今はまだお話できません、許して下さい」
「仲間なのに話せないのか、ウィード様」
「おいおい、おっさんも、ヒョウも、いいじゃねーかよぉ、ウィード様困ってるじゃねーか。カギの一つや二つきかなくたって、どうってことないだろ?」
ファイは明るく言い放った。奔放さが彼にはある。
前にいたキュラがそれをきいて、ほほ笑んだ。
「ふ、お前らしいな」
「ここは、私の顔に免じて、みな、きかなかったことにしてくれ」
「了解です、キュラ様」「おいどんもいいどんよ」
エリューとボンが手を挙げて、賛成の色をみせた。
みな一様に頷いた。了解の模様だ。
そのとき、ファイの肩にとまっていたニミュエが羽を羽ばたかせ、キュラの目の前にきて羽をとめてしゃべりだした。
「ねぇ、ねぇ、みんな、お腹空いたよー、キュラ様、どっかで昼ご飯、早く食べたいよー」
「そうだな、連戦で休みもとってなかったし、アザレ副将軍、どこか美味しいところ知らないか?」
キュラの問いに、アザレはあごに手をやりしばし、熟考した。
「近くに、メルフェンという飯屋があります。若い頃よくいっていたところです」
「よし、じゃぁ、そこにいこう」
キュラが頷いた、そのときだった。
状況は一変した。
☆☆
何でも気軽に感想書いていただければ嬉しいです。おまちしてます。
遅い時間帯でも早い時間帯でも読んでくださっている方ありがとうございます。
トイレットペーパー、ティッシュなどは中国などで作られていないようなので、
日本で生産され、在庫も確保できてるらしいです。
衝動買いしなくても大丈夫そうです。
話がずれましたが、肺炎には気を付けて下さいね。読者様の健康を祈っております。
アザレ副将軍の故郷!
まだまだ物語は続きます。
今日また更新します
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