第百十四話 装甲の潜在能力
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「悲鳴?」
「声はエリューが行った方から?」
猫テージのハウスの所にいた、キュラとテアフレナは怪訝な顔つきをし、エリューがいった森の通路の方をみやった。
ファイたちにもそれは聞こえていた。その場にいた全員が顔を見合わせた。
そして、テアフレナが第一声を放った。
「もしかして、モンスターに襲われてるのでは?」
「地響きもするな、結構大きい奴じゃねーのか」
「レギン殿もそう感じますか。私もそう思う。それに数が多いように」
レギンの言葉にアザレ副将軍が考察したように言った。
「こわいどん」
近くにいたボンが身震いし声音を発した。
「ええい、よりによって、こんな分散しているときに」
「私が助けに行く」
キュラは剣を引き抜き、エリューの方に走ろうとした。
そのときだった。レギンがキュラの前に割って入ってきた。
「キュラ様はここで姫様を守ってくれ。わしが行く」
「レギン殿」
キュラは気が収まり、剣を下した。
レギンは一歩譲らなかった。
「大丈夫だ、力には自信がある」
「判った。テアフレナ、みんな、姫様を守るぞ、結界の中で防戦だ」
「了解ドン」
キュラの言葉に皆が応じた。
猫テージの前に張られてある、結界の中に入り、防戦の構えをした。
レギンは後ろに手を何回か振って、合図を送った。
「じゃあ、いってくら、キュラ様、テアフレナ様、頼んだぞ」
「任せておけ」
キュラがそういうと、レギンはエリューのいる方へ走り去った。
やっかいな敵がいる。レギンの野生の勘が犇めいていた。
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そのころ、ヒョウの方では、二人を背中に防戦が続いていた。
ヒョウがかばいながら、魔剣を構え威嚇していた。
「ちぃ、(思ったより速い、二人を守りながらだと思うように動けない、どうすれば? しかし、離れれば確実に遅ければやられる)」
ヒョウは思うように動けず、懸念していた。
敵の数は多い。しかもスピードが速く、怪力だった。
ヒョウが一歩下がった瞬間、ダギラサイクロプスが仕掛けてきた。
「GUGYAOOOO!」
雄叫びとともに、ダギラサイクロプスのパンチが炸裂し、地盤が割れ砕け、辺りに破片が飛び散った。
その重くて速い攻撃をヒョウは二人をつれ、後方に上手く飛び退いた。
ヒョウは後方で牽制しながら、二人を一瞬だけ一瞥し、不敵な笑みをみせた。
その瞬間だった。
「氷結界!」
「ヒョウさん、何を!」
氷の結界だ。例の死霊魔兵と戦った時、ファイを上手く中に閉じ込め、敵の攻撃を防いだあの技だった。
ニミュエが辛そうな顔をする。
ヒョウはニヤリと笑った。
「敵のスピードが巨体の割に異常に速い。その氷の結界は俺の力がなくならない限り、破られない。安全だ。ニミュエと、そこにいてくれ」
「だけど、ヒョウさんが」
エリューは懇願するように言った。
しかし、ヒョウは聞かなかった。確かに、ヒョウの力がなくなれば、結界をいとも簡単に破ることは可能だった。
だが、エリューにも算段があった。
ヒョウは一呼吸おいて、緊迫感が犇めきながら言葉を述べた。
「大丈夫だ、魔剣士はそんなにヤワじゃない」
いうと、ヒョウは近くにいたダギラサイクロプスに突進していった。
「さてと、こい、一つ目の大猿!」
近くにいたダギラサイクロプスの攻撃を上手く躱し、剣撃を浴びせた。
しかし、伝説の謂れは本当だった。
剣が敵の装甲を貫くことさえできなかった。
硬さが異常だった。硬い上に、ヒョウの攻撃で血の一滴も垣間見ることはできなかった。
そして、敵の攻撃をかわしながら、何撃も敵に剣筋を一閃させるとヒョウはニヤリと不敵な笑みを見せ、後ろに飛び退いた。
敵との間合いを取ったのだ。
「フン!」
ヒョウは上空へ高くジャンプした。
一体、何をしようというのだ。
ヒョウが魔剣アイスブレイカーを大きく振り上げた。
魔剣に氷の闘気、ラスタが集っていく。
「一網打尽にしてやる!」
次の瞬間、ヒョウは肩を大きく振り被った。
「氷斬巨刀!」
技が発動した。ラスタを帯びた剣筋がダギラサイクロプスに一閃した。
冷気とともに絶大な氷の刃靭が大きく大猿に伸びていく。
それをヒョウは更に最後まで振り被った。
斬撃が大猿に伸び、血飛沫がとんだ。
「GYAOOO!」
「どうだ!」
ヒョウが地面に着地し、脚を屈め、自信過剰な面持ちで言い放った。
だが、敵のスピードも並大抵ではなかった。
ヒョウの技のスピードよりも敵は早く動いていた。
切り刻んだのは、胴体ごとではなく、当たる瞬間に敵は躱し、手の一本だけに抑えられていた。
ヒョウの顔色が苦渋の色で満ちた。
悔しそうに舌打ちをした瞬間、敵は向かってきた。
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