第三百二十一話 一撃粉砕! レギンの怪力
ファイたちが妖精の世界にいたころ、ヒョウたちは魚釣りをしていた。
あのオキュトパスがいた物騒な川で。
エリューたちはバーベキューの準備をしていた。
自身の魔法を使い、火をおこしたり、魔法できれいな水を出したりしていた。
こういうときは、魔法使いは便利だ。
しかも、エリューは料理も上手だった。
準備がずっと続いた。
一方、ヒョウは川にエサを投げ込んで、竿から糸を垂らしていた。
「ふう、ほんとに獲物は釣れるのか、大そうな待ち時間だ」
その時だった。
レギンが、両腕を鳴らした。
「オキュトパスはもういない、俺に任せろ」
「レギンさんまさか」
「そのまさかだ。水中に入って魚くらい引っ捕まえてやる」
「しかし、タコみたいなあんな生物がいたら」
「大丈夫だ。任せとけって、よっと」
そういうと、レギンは水中に飛び込んだ。
ヒョウが血相を変えた。
たしかに、自殺行為にも思えたのだ。
レギンは入る前、助けは無用といった面持ちだった。
「大丈夫か、ちぃ、タコがいなければいいが」
さすがのヒョウもさっきの一件があったばかりで、内心心配だった。
レギンは、身体能力は獣だ。そこらへんはずば抜けている。
それを信じるしかなかった。
ヒョウは、心配ながらも、釣りを続けた。
水の中に入り込んで、レギンがしばらく泳いだ時だった。
なにやらすごいスピードで向かってくるものがあった。
大きな魚だった。
「ほう、さっそく来たか、大魚か」
GUOOONNN!
「速い、だが、おらよ」
レギンの強力なパンチが見事に大魚の懐にぶち当たった。
ぶち当たった反動で、魚の体が曲がった。
意識を魚はなくした。
「さてと、仕留めた。陸に上がるか、結構水圧がかかるな」
いうと、レギンは、魚の尾をひっつかみ陸に上がろうと泳いだ。
☆☆
レギンが陸に上がってきた。
ヒョウはまだ釣りをしていた。
入れ物に何匹か魚が入っていた。
「よっと」
「レギンさん、大丈夫か、獲物は捕まったのか」
「おう、そらよ」
ドスン
レギンは怪力で、片手一本で大魚を陸地に放り投げた。
身の丈は超そうかという大物だった。
ヒョウもびっくりし、目をぱちくりさせた。
「これはすごい」
「見てみろよ、入った途端、すぐに魚が食いつらいて来た。強力なボディブローをお見舞いしてやったぜ、
一撃だ」
「なるほどな、俺はその間に小さい魚を五匹ほど釣った。この通りだ」
ヒョウとレギンが意気投合した。
そして、重い腰を上げた。
「よし、帰るとするか。おおもんが捕れたな」
「ファイたちは無事、山菜などがとれたか」
「坊主ならどうにかしてるだろう、セイク殿もいる」
「だといいがな、厄介な敵に遭遇してなければいいがな」
ヒョウの勘は当たっていた。
だが、ヒョウたちはファイが妖精の世界に入っているということなど、知る由もなかった。
ファイたちはダナス山で捜索を始めていた。
☆☆
おつかれさまです。
早い時間帯でも遅い時間帯でも見てくださっている読者様ほんとにありがとうございます。
なんとなく作者もわかるのでうれしいです。
熱心に何回も見てくださっている読者様には一番感謝です。
読み物として頑張っていくのでブックマークなどしていただけると、うれしいです。
よろしくお願いします。
物語はまだまだ続いていきます。
次のお話はファイの方に移ります。
蜘蛛魔神、首謀は判明していますが、ファイたちはどう対処していくでしょう。
ファイをこれからも応援してくださいね。
よろしくお願いします。
またお会いしましょう。




