第百二話 ヴォルスング都市 『戦士の休息』
一行はストーム山脈を越し、ヴォルスング都市にきていた。
みなの傷は、回復魔法で完治していた。姫様が街の入口で移動魔法の四次元光を解いた。
「着いたわ、ここがヴォルスング都市よ」
軽やかに着地し、ファイたち全員が舞い降り、街を見渡した。
街はにぎやかで、人通りが多かった。商売繁盛していると思われる。
街の繁華街をしばらくファイたちは歩いていた。全員いる。
「へぇ、賑やかなとこなんだな」
「みんな、和気藹藹としてますね」
エリューが感心したようにいったときだった。
「くんくん、におうどん、あっちにも、こっちにもおいしい食べ物があるどん」
ボンが鼻を揺らせ、あちこち、食べ物の匂いがする方に走っていく。
右往左往した。
これを見兼ねたオネイロスが言い返した。
「おい、ネコ、来た早々食べ物とはなんだ!」
「いいじゃないどん。おいどんズット絶食だドン」
ボンがいうと、キュラが笑った。
「ははは、愉快なやつだな。喧嘩をするな。よし、わかった。ヴォルスングのアジトで昼食としよう」
「お、キュラ様、賛成だ」「俺もです」
「わたしも」「ニミュエも」
キュラの言葉に皆が賛同した。確かに回復魔法をかけられ、完治はしているが空腹はズット続いていたのだ。みな、連戦と移動でつかれ、ご飯もろくにたべてなかったのだ。
「みんな、空いてるんだな。わかった、昼食休憩だ」
キュラは仕方ないといった面持ちでほほ笑みながらいった。
その時だった。ファイが横やりを入れた。
「なぁ、で、ここの地理しらねーんだけどよぉ、アジトってこの広い町の一体どこにあるんだ?」
隣にいたテアフレナが笑った。
「ファイは知らないか。私についてきてください」
「テアフレナ様」
ファイは頭の後ろに手を抱えながら、惚けた顔つきで言った。
キュラが話し出した。
「テアフレナや、オネイロスはアジトを知り尽くしている。アジトを作ったものだからな」
「俺は、遠征や戦いでよく使う。それで場所を覚えた」
「なるほどな」
オネイロスの言葉に、ヒョウが重厚な声でいった。
ファイたちは繁華街を歩き、アジトまで向かった。
☆☆
ファイたちが繁華街を歩く模様を、ずっと建物の上から覗き込む輩がいた。
フォライーだ。
フォライーはみながら、不敵な笑みを浮かべ、ニヤリと笑った。
「妙だな? わしと同じ方向に向かっている? 奴らも神玉を手に入れようとしているのか。そうはいかんぞ。だが、エトワルに行くまでにデッドラインが二つある。時間稼ぎはできようぞ、くはは、死ぬがよい」
そういい、フォライーは手から膨れ上がった袋のようなものを瞬時に手元に出した。
「くはは、これを使うか。一泡吹かせてくれるぞ、ウィードめ」
フォライーはそういうと魔力を袋に移し、発動させた。
そして、それを何個もフォライーは繁華街の方に放り投げた。
奇策を弄しているのは目に見えてわかることだった。
デッドラインに差し掛かれば、魔王アガスラーマの魔力で、魔物が出るのは必至だった。
☆☆
アップ予定。感想おまちしてます。
遅い時間帯でも読んでくださっている方ありがとうございます。
今日またアップします
物語として更新していくので読み物としてブックマークなどしていただけたらうれしいです。




