D─1
(……川辺に行くか。)
目的地を決めた十刃は急いで川辺へ走り出した。
スラム街から北東に向かった所に、飲めるほど綺麗な川が流れている。ここではよくスラム街で暮らしている子供達が遊んでいる。
そんな川辺に到着した十刃。少し乱れた呼吸を整えながら辺りを見渡す。人影はちらほらとあるが、探している三人組の姿はなかった。
(くそ…当てが外れたか…)
十刃はここにいないと判断すると、次に予想を立てた都心へと向かおうとした時、川辺で太陽の光によってキラッと何かが光った。
(なんだ?)
気になった十刃は川辺に近付きで光った物を拾った。
(これは…機械のボール?)
十刃が拾ったのは、ビー玉ほどの大きさの水晶玉を人工的に作られた機械の膜で包んだ、なんとも不思議な球体物であった。水晶玉の中には赤色の液体が少し入っている。
(玩具の類でもなさそうだけどな……)
不思議なボールを観察する十刃であったが、当初の目的を思い出し、不思議なボールをポケットに入れ、三人組の捜索を再開しようとした時だった。
「おーい!十刃!」
ツンツン髪の男性が息を切らしながら十刃に走り寄ってきた。
「はぁ…はぁ…はぁ…青茶金の目撃情報があったぞ!」
「何処だ!」
「はぁ…はぁ…どうやらあいつ等…檻の外に行ったみたいなんだ!」
「檻の外だと!?一体どうやって出たんだ!」
人類を幻想怪物から守るために張られたバリア──檻は、当然幻想怪物がバリアの内側に侵入することは不可能である。加えて、勝手に一般人が幻想怪物に対して悪ふざけ等を出来ないように、政府の人間以外は許可なく檻の外側に出られないように設定されている。
「知らないよ!とにかく現場に向かってくれ!場所はスラム街から一番近い檻だ!俺はちょっと疲れたから少し休んでから行くよ。」
十刃は頷くと、急いで現場へと走り出した。
〔Eへ〕




