第88話 宝箱と階段
地面を叩き割った氷の爪は跡形もなく消えてなくなっていた。
僕の力は身を滅ぼすことにならなければいいなと思いながら桜の元にゆっくりと歩いていった。
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「お姉ちゃん、宝箱開けるね。」
桜は宝箱を開けてアイテムを取り出すと僕に渡してきた。
凍て付く氷爪 ☆3 ×5
種別:素材アイテム/骨髄
アイスクロードから取れる素材である。アイスクロードが武器として使っている鋭い爪。そのままでも武器として扱えなくはないが性能が弱体化するので注意が必要。触れる場所によっては刃物の様な物でダメージを受ける。
解けない氷 ☆4 ×4
種別:素材アイテム/未分類
熱に当てても溶けない氷である。保存や冷凍する時に重宝される。
アバター強制液体化ポーションLv.3 ☆6 ×5
種別:ポーション/変化
アバターを強制的に1分30秒液体化させるポーションである。斬撃や物理攻撃は受け付けなくなるが煮やされたり凍らされたりするとダメージは食らうので注意が必要となる。
これで全部かな?とりあえず、ここも変わったアイテムだね。
僕は桜にアイテムを返す。桜は僕からアイテムを受け取った。
「お姉ちゃん、まだ上はあるっぽいよ。」
桜にそう言われ上を見上げる。
再び螺旋階段の様になっている足場が僕の目に映った。水が流れている。
このダンジョン何処にでも水が流れてる気がする。
螺旋階段は先程とは違いちゃんと繋がっている階段だった。
僕は登ってみようとする。
割と一段一段が低く登ることが出来た。
「お姉ちゃん、肩車…しなくていいね?」
「うん。」
桜は小さくなった僕の手を掴み再び歩き始めた。
☆☆☆
桜は僕が登るのを確認するとゆっくりと水に流れた階段を上っていく。
僕は上の方を見てみる。
大きな柱がたっていてその周りを螺旋のように階段が回っている。
上の階が全く見えない。
どうなっているのか、先ほどと同じように魔法陣が描かれている可能性もあれば
新たなパターンを入れてくる可能性もある。
外を見ると再び水の壁が出来ていた。
「お姉ちゃん、綺麗だね。」
僕は流れている水の壁に手を入れてみる。
水は青く着色されていて階段を流れる水と同じような温度だった。
桜を見ると桜も触っているようだった。
「お姉ちゃん、この水冷たいね。」
「そんなにつめたくない。」
桜にとっては冷たく感じたらしい。不思議なことだった。
僕の体が"人"ではないからかな?
しばらく登ると階段の上に小さなペンギンが座っていた。
3匹並んで座っている。真白くて小さくて可愛らしいペンギンだった。
「きゅいきゅい。」
「きゅきゅー」
「きゅっきゅー」
ペンギンは鳴いている。
見ている分にはとても可愛らしかった。けども登れない。
ペンギンが邪魔で登れない。
運営め、姑息な手を使いやがる。
「お姉ちゃん、どうしよ。」
「たたきおろす?」
「可哀想だよ!」桜が涙目で抗議する。
その声に気付いたのかペンギンの1匹が嘴を開けるとこっちに嘴を向けて
水色の球体を打ってきた。桜は咄嗟に持っていた剣で球体を受け止める。
桜の剣は受け止めた部分だけ凍り付いていた。
「氷属性。」
これで敵の属性がはっきりした気がする。此処までの敵も氷属性っぽかったけども
中ボスや大きいペンギンよりは弱いらしい。
桜はそのままペンギンを剣で斬らなかった。
そのまま素早くペンギンの上を超えて階段の向こう側に走っていった。
でもこれで倒さなくていい方法を見つけた。
僕は浮遊を使うとペンギンの上を通って向こう側に着地した。
走って上に登って行った桜を追いかけた。




