第86話 進行と看板
さっき死んだ時では死時の損失はなかった気がする。
でもどうやって10m判定を調べるのかとても不思議に思ってしまう。
☆☆☆
桜は僕を抱き上げると再び足場を登っていった。
「お姉ちゃん、怖くない?」
「こわくないよ」
確かに高いところは少し怖いかもしれないけれど
僕は浮けるし桜が支えてくれるからそんなに怖くはない。
桜はゆっくりと段差を上がっていく。
しばらく上がるとさっき落ちたところに戻ってきた。
「確かここら辺だよね。」
「そこだよ。」
僕は指さして落ちた段差を桜に教える。
桜はその段差から2段、3段くらい引くと。
僕をその段差の足場において思いっきり走り出した。
桜は横に飛ぶ、飛んで向こうの足場に着地をした。
「やっぱ勢い足りなかったね。」
僕は座ってる足場から立ち上がると浮遊を発動した。
再び僕の体が青いオーラに包まれる。
僕は宙を浮いて桜の方にゆっくりと飛んでいった。
ここまで来ると段差は高い方で下を見ると
真っ白な床と螺旋状でありながら変則的な足場が僕の目に見えた。
上を見る、もうすぐ次の階のようだった。
けれども結構何回か登らなきゃいけない場所はまだある。
「お姉ちゃん。」
僕は桜の近くに着地する。桜は僕を抱き寄せると再び肩車して
まだまだ続く長い道を成す足場を登っていった。
☆☆☆
途中で疲れたのか桜は足場に座る。僕も足場に座る。
桜の長い足と僕の変わってしまった小さな足が地面に向けて揺れる。
「お姉ちゃんは何がしたいの?」
「うーん。たのしめればいいかなあ。」
ここはゲームの中だ。ゲームとは楽しむためにある。
桜は前に異世界とか言ってたような気がしなくもないけれども。
ゲームはゲームだと思う。
「そっか、冒険?戦闘?生産?」
「うーん。わかんない。ぜんぶやってみないと」
「お姉ちゃんはチャレンジャーだね。」
僕はチャレンジャーらしい。確かに挑戦欲はあるかもしれない。
「それじゃ、のぼるかな。」
桜はそう言って立ち上がると僕を抱き上げて肩に乗せて再び歩き出した。
しばらく登っていると次は四角い足場が出てきた。
元々は水だったんだろうなあ。ごめんね、桜、登り難くしてしまって
そんな感情が出てくる。
桜は再び僕を足場に下ろし四角い足場に手を引っ掛けると
そのまま勢いをつけて上に登った。
「お姉ちゃんも早くきなよ。」
桜って絶対運動能力高そうなんだよね。ここでの行動見てると。
それはさておいて僕は再び浮遊を使い桜の元に飛んでいった。
ここから先は四角い足場が続くようで渡ることが出来ない僕は宙に浮いていた。
桜は楽しそうに足場を乗り越えていく。
羨ましいとも思った。僕の体がもうちょっと成長していれば…なんて
この体で成長するかどうかはわからないけれども。
成長してほしいとも思うし僕も慣れなきゃいけないと思った。
桜は足場を渡り次の階にたどり着いた。
桜は僕を地面に下ろした。
壁はちゃんと柱みたいなものがついていて水は流れていない。
しかしこの階の床は水浸しだった。
そしてまた厭にでも分かるような魔法陣が刻み込まれていた。
また戦闘でもするのかな。
外を見てみると結構高い位置にいるようで隣の島が良く見えた。
下には洞窟っぽいものがある。
この塔だけが水の島ではないとその洞窟は言っているように見えた。
真ん中に宙に吊り下げられた看板があった。
"Defeat the enemy."
『敵を倒せ』と読み取れる文章だった。
何より不思議だったのは何故か上から吊り下げられていた事だった。
つまり今までとは違う敵が現れるのかもしれない。




