第85話 足場と落下
魔法陣から出てきた敵との戦闘なのだろう。
僕のその予想は当たっていて裏切られることになる。
☆☆☆
3階にたどり着いた。周りの壁はなく水で浮いているように見える。
床に魔法陣がなかった。上を見る。
上にはたくさんの足場があって螺旋状に並んでいる。
「ここに来てアスレチックステージかあ。お姉ちゃん登れる?」
「むり。」
「お姉ちゃんは届かないもんね。私が連れてくよ。」
「…。」
「私は運動できないけど。」
桜は運動ができないらしい。落ちそうで凄く不安になってくる。
桜は一番下の足場に足を載せ上を見る。呟く。
「お姉ちゃん、登るよ。」
「うん。」
桜はいっぱいある足場を駆け上がっていった。
足場は雪と氷だったみたいだった。
滑りやすくそれでいて狭い。元々は水だったのかもしれない。
水の方がどうやって登るのか不思議でしかないけれど
桜は最初は僕をおぶっていたけどなんか落ちそうだったので
途中で肩車に変えられた。
僕にとってもこっちの方が安定しているような気がする。
「お姉ちゃん、何考えてるの?」
桜が上を向き、考えている?僕と目が合う。
「ぼくのまほうがあしばこおらせたのかなって。」
「確かに滑りやすい氷だね。」
「ぺんぎんのとき」
「あの時壁の水も凍ってたよ。今も凍ってるけれども」
☆☆☆
順調に凍った足場を渡っていく。
「あぁっ」
どうやら桜が足を滑らせたみたいで僕は中に投げ出されてしまった。
「あっ、お姉ちゃん。」
桜は真っ逆さまに落ちていく。
このゲームは落下ダメージとかそういうのはあるんだろうか。
桜は体を一回転させて猫のように下の段差に着地した。
桜って運動能力ないってさっき自分で言ってなかったっけ?
僕の目にはとても運動能力に恵まれてるように見えるんだけど
「お姉ちゃん。」
「なあに?」
僕が桜を呼ぶと桜はすぐに反応を返してくれる。
「お姉ちゃん、浮けるでしょ?、そんなとこいないでこっちに来なさい。」
「うけるけど、はんそくじゃない?」
僕は浮くことができるけど流石にアスレでそれ使ったら犯則だと思った。
アスレというものは登るためにあるのであり。
ステージという概念を壊してしまったらダメだと思ったから。
「上るのには使わないよ!」
上るのに使わないならば安心かな。足場と足場との下への移動だけだし
「そっか」
僕は足場から飛び空中を落ちていく。
強風に以前に増して凄く長くなった髪が毛並みのいい尻尾が揺らめく。
このまま落ちるとアバター死んじゃいそうな気がするなあ。
「ふゆう」
青いオーラに包まれると僕は宙に浮いた。
「お姉ちゃん、こっちだよー」
僕は宙に浮いたまま桜の方にゆっくりと飛んでいく。
それなりに移動速度は早い気がするけれども。
「お姉ちゃん。」
桜の元に着くなり僕は浮遊を解除し再び肩車された。
「のぼるの?」
「登るよー?この塔攻略に必要でしょ?」
確かに次の部屋に行くには登ることが必要になっている。
「さくら」
「なあに?お姉ちゃん。」
「らっかだめーじとかあるの?」
「奈落ダメージは固定で1000喰らうってペンギンの時に説明したよね。」
「うん。」
「落下ダメージは固定で500ダメージ喰らうんだよ。判定は10メートル。」
「けっこうだいじょうぶなんだね。」
「さっきのは7mくらいかな?多分。喰らわなかったよ?」
「そっか、よかった。」
「そうだね。良かったよ。」
どうやらこの世界、落下ダメージもあるらしい。
なんか死時の損失とかあったら面倒そうな世界だけど
さっき死んだ時では死時の損失はなかった気がする。
でもどうやって10m判定を調べるのかとても不思議に思ってしまう。




