第81話 水塔と看板
僕も人間じゃないかもしれないけれども。
このゲームには称号があるくらいだから人じゃないのもいるのかもしれない。
☆☆☆
瞳が重い、まだ眠気が残っているようで…
卯月には悪いことしたきがする…
VRに入りたがってたなあ、けども卯月いたら居たで
おそらく禁忌に操られる未来しか見えないから
置いてきた方が正解だったのかもしれない。
操られて起きないとなれば卯月の関係者に責められるし
それに妖怪だって無効化は出来る確証はない。
え?僕が食らってみろだって?桜はどうするよ?
「お姉ちゃん、考え事してないで早く入るよー」
桜が僕を呼んでいる。僕は桜の近くに歩いていった。
僕と桜は塔を見上げる。
「これダンジョンと言うよりは闘技場跡っぽいね。」
「とうぎじょう?」
「ソシャゲとかでプレイヤーがプレイヤーと戦うイベントなかった?」
確かそういうイベントはあった気がしなくもない。
「それと同様にアバターとアバターを戦わせるんだよ。」
「ぶとうかいみたいな?」
「武闘会…でもあってるかもね。今は王都でやってるよ。」
王都でそんなことやってるんだ。
「王都の武闘会は月10日に毎回開催されているんだよ。」
「さくらはいかないの?」
「私?無理だよ、お兄ちゃんや他の猛者に勝てる訳ないし。」
「おにいちゃん…?」
「櫟だよ。櫟も武闘会勢のプレイヤーだよ。真っ黒な鎧が特徴な。」
「ちゅうにびょうこじらせてるの?」
「お兄ちゃん…は確かに中二病っぽいね、でもそれ言っちゃダメだよ?」
「なんで?」
「なんでって…お兄ちゃん怒って剣振り回すから。」
それ1歩間違えばプレイヤーキラーだよね。
櫟はそんな危ないことやってるのか、後で叱っておこうかな。
☆☆☆
僕と桜は塔の中に入った。というよりは塔には既に入っていたのだと思う。
塔の壁は絶えず水が流れていて外側にも水が流れている。
滝のような感じになっているようだ。
場所はホールみたいになっている。
床には魔法陣が描かれ、魔法陣の中心の八角形の中心には看板がたっていた。
桜が読みに行って看板の内容を朗読した。
『ココニクルモノヨ、トウノシカケヲトキテキヲタオセ。』
此処に来る者よ、塔の仕掛けを解き敵を倒せ。と
桜は看板の内容を朗読すると再び戻ってきた。
「お姉ちゃん、ちょっと変わってるダンジョンだね。」
仕掛けなんて何処にもない。辺りを見渡しても敵も居ない。
早速手詰まりになったのかな。そう思っていた。
首を傾げていると、突然、足元の魔方陣が輝き出した。
桜は僕を抱き飛んで魔方陣から抜け出す。
魔方陣は依然光ったままだ。
何か出てくるのかな、それとも不発に終わったのかな。
「てきかな?」
「こういうのは大体敵か罠って決まっているんだよ。」
ダンジョン内の魔方陣は大体ダメージ系らしい。
しばらく待っていると魔方陣から光と共に何かが出てきた。
ふさふさしている飾り羽みたいな触覚
くりくりとした小動物のような大きな目
手足は鳥のようでいて泳げるように進化した。
真っ白な羽毛が全身に生えている。
ぺたぺたと動くような足音が聞こえる。
目の前に出てきたそれは… 桜の体くらいの大きさのペンギンだった。
意外とおおきい。というか僕より大きい。
敵として見るならば可愛らしく動物としても可愛らしい。
倒すのに躊躇う人はいるのではないだろうか。
例えばスライムで躊躇った僕だってそうだ。
何方かと言えばアニメ調で描かれたような感じのペンギンだった。
この水のステージによく似合っている。
「きゅいきゅい。」
目の前のペンギンは桜と僕を見据えこう鳴いた。




