第71話 草原と青空
「NFCにログインする?」、「なちゅやろっか。」
僕と桜は腕に付いているVRシステムをオンにして僕は目を瞑った。
☆☆☆
再び白い空間にたっていた。
何やらリストが表示されている。
「キャラクター1『来睦』を使用しますか?、新しくキャラクター2を作りますか?」
どうせ変えれないし種族設定はない。
もう僕は諦めている。
きっとサブキャラとか作ってる人はいるのだろう。
僕はすぐにバレそうだけど
そう思いながらこの前と同じように
キャラクター1『来睦』を爪の鋭くなった左指で押した。
本名だけどこういう安直な名前って本名とはわかりにくいよね。
『おかえり、VRの世界へ、来睦様』
そんな言葉と共に考えている僕の視界は暗転した。
目を開けると青空が広がっていた。
上の方や横の方には幾つも様々な島が浮いている。
草原の周りの環境を確認してみると四角いスライムがはねていた。
少し奥には人が見える。黒髪でショートカットの少女が
こっちに向かって手を振っている。
この前は戦闘の練習とはいえスライムを倒しちゃったのは
悪いことしたなと思った。
レベル低いのに攻撃してこないなら攻撃加えるべきではない。
僕はそう思うんだ。でもきっとこの世界では生きていけない。
僕は緑色のざわめく草原に座ると青い空を見ていた。
心地いい風が尻尾を撫でる。
僕は少しばかりくすぐったいなと思いながら少女を見た。
さっきのショートカットの少女もこっちに来る。
「お姉ちゃん、何考えてたの?」
「うーん。すらいむのこと」
「ここら辺の攻撃してこないスライムのこと?」
「うん。」
「確かに倒すのは可哀想だけどゲームではしょうがないしすぐに蘇るよ。」
「すぐに?」
「うん。大体30秒もすれば湧いて出てくる。」
30秒?本当にすぐに蘇るんだ、それでも罪悪感は消えないけど。
「それよりお姉ちゃん、次の島行きたい?」
「うーん。はやいきがする。」
「ここ始まりの島だから集落と釣り池とチュートリアルダンジョン以外は何も無いよ?」
「はじまりのしま?」
「始まりの島、大体始まりの街と同じ意味合いの島。」
「ここが初期地点なんだ。」
僕は地図を開いた。そこには英語で島の名前が記されていた。
"The Start Island:Metis Grasslands"
"The ??????? ???? Island * ????? * "
「このせかいのちず、えいごなんだね。」
それにしても真っ黒に伏字にされている島の名前が写った。
どうなってるんだろう。
「どの国にも対応出来るように作ったんだって。」
「そーなのかー」
たしかに世界化は大事だよね。
☆☆☆
「それよりお姉ちゃん、次の島行こうよ。」
「つぎのしまって?」
「うーん?夏には涼しい水の島とかどうかな?」
水の島?桜は行ったことあるのかな?
水系って言っても僕は泳げるとは限らないしむしろ怖い。
水が冷たかったら最悪積むかもしれない。
「お姉ちゃん、大丈夫だよ。怖くない怖くない。」
桜の指先が汚れ一つない白いドレスに触れる。
白いドレスはひらひらと風に舞っている。
「でも、このせかいはこわくないとはかぎらないし…」
「お姉ちゃん、なちゅはこれくらいやらないと生き残れないよ!」
これくらい?どういう意味だろう。
もしかして僕は難易度の凄い高いゲームに踏み込んでしまったのか?
「でも、ひこうせんとかないの?」
「うーん…飛行船はこの島には無いんだよね。」
「えー、はじまりのしまからでれないよ!」
飛行船がないならどうやって浮島に行くのだろうか。
夢を見せられて終わりってのはないよね。
「うーん、村長さんの依頼をクリアすればそれで行けるけどちょっと面倒なんだよ…」
「めんどう?」
「初心者には結構厳しいかもね。」




