第68話 敵戦
でも後でVRMMOでソロする時も来るのかもしれない。きっと。
だから僕はこの程度の問題で詰まってはいけないんだ。
☆☆☆
ふとシフォンを動かしていると下にスイッチのような物を見つけた
押してみる。
ガガガガーッという音とともに扉が開いた。
"てってれてーてれれてーれてーん"
再び音が鳴った。この音は正解の音なのかな。
僕はシフォンを動かし、扉の空いた左の部屋に入った。
入った途端閉じ込められたが。
しばらく待っていると敵が落ちてきた。
チュートリアルの敵とは違い
なんかよくわからない黒い犬みたいな敵だった。
名前はブラックヴォルヴィス、犬みたいだね
シフォンに襲いかかってきた。
『いったぁ』という音声が画面から聞こえた。
攻撃を食らってしまったようだ。
シフォン80/100
どうにか対処法を考えているとドアが開く音がした。
ドアの方に目を向ける。
「あ、お姉ちゃん、ゲーム進んだ?」
桜だった。
「まったくすすんでないよ。」
「そっか、お姉ちゃんも昼食、食べてきたら?」
「うーん。いってくるね。」
僕は桜にSPSを渡した。
「お姉ちゃんいってらっしゃい。」
僕は開いたままの扉を通り一階へと向かった。
階段が妙に高くて降りれない。
ゆっくりと地面に足をつけるように降りた。
1段、2段…3段 …
どことなく怖く感じる。
「あ、お姉ちゃん、携帯忘れ…降りれないよね。」
桜は僕に携帯を渡すと僕を抱き上げて
トントンと階段を降りていった。
☆☆☆
僕は1階の廊下に降ろされた。
涼しい風が水色の髪をなびかせている。ケモ耳を生ぬるい風が撫でる。
僕は1階のドアまで行くとドアを軽く叩いた。
僕の身長じゃドアノブに手が届かない。だから叩いた。
トントンと誰かの足音が聞こえる。
ガチャとドアの開ける音が響いた。
「ん?楓か。お昼ご飯食べに来たのか?」
櫟だった。櫟はしゃがんで僕と目を合わせながら僕に問いかけた。
「うん。」
「そっか。今日も素麺だ。」
櫟はそういうと僕を抱き上げて部屋の中に連れていった。
僕はそうめんを食べ終わった。
「あら?楓、大丈夫?、さっき上でなんかあったから」
「だいじょうぶ」
「そう、櫟と話してあげて。」
「うん。」
お母さんはそういうと台所に戻っていった。
僕は櫟に向かい合う。
「楓…楓は本当にお兄ちゃんなのか?」
櫟は昔よく見た、なんだか泣きそうな表情をしていた。
こういう櫟は悩んでる。
多分、僕が変化したことで苦労しているのだろう。
ごめんね、櫟。
「うん…ぼくはくぬぎのおにいちゃんのかえでだよ。」
「そっか、正直信じれないが間違いないんだな?」
僕は携帯を渡す。
「携帯か、確かに暗証番号知らなければ解けないがどうかしたのか?」
僕は櫟に携帯の暗証番号を教えた。
櫟は僕の教えた暗証番号を携帯に打ち込んだ。
「開いた。」
「ぼくはぼくだ、くぬぎのおにいちゃんだよ。」
「なるほどな、本当の楓か」
「うん。」
「それで、涼しいか?」
「すずしいよ」
櫟は動揺している。多分、慣れていないのだろう。
さっき僕は抱かれたけども。
「そうか、今日暑いから気を付けてな。」
真夏だもんね、普通に32度はあるんじゃないかな。
「くぬぎもきをつけて。」
「わかってる。日射病対策しなければいけないな。ちょっと待ってろ。」
そういって櫟は別の部屋に行った。
僕は居間でしばらく待っていると櫟が戻ってきた。
「はい。」
「え。」
「え。じゃなくて、スポーツドリンク。」
櫟は僕にスポーツドリンクを2本渡してきた。
「なんでにほん?」
「上に桜いるんだろ?桜の分だよ。」
そういうと櫟は再び部屋に戻っていった。
僕はスポーツドリンクを持ちながら開いたままのドアを通り涼しい廊下に座った。




