第61話 遊戯
「あ、私はやったことないからわかんないよ」
どうやら桜も初めて遊ぶらしい。僕も初めてだけれども。
☆☆☆
「さくらーどうすればいいのー?」
僕と桜は今ゲームしている。
ゲームの中身は文明が崩落して終末を迎えた世界を
奇形を倒しながら少女が旅して人を見つけるという物語らしい
あ、いまスコップ手に入れた、これ武器かな?
「なんかすごくおもいすとーりーだね」
「お姉ちゃんはひとりぼっちになったらどうおもう?」
「さみしいとおもう」
「私も同じだよ。」
「すこっぷてにいれたけど、どうすればいいの?」
「説明書とかないかなー、探してくるー」
そういうと桜はどこかに行ってしまった。
階段を降りていった音が聞こえたからおそらく櫟に聞きに行ったのだろう。
僕はゲーム画面に目を向けてみる。
少女が何やら謎めいた遺跡にいる。
放置していると本読んだり上を見たりそれなりのアクションをするようだった。
階段を上がる音が聞こえる。
「あ、お姉ちゃん、櫟はわからないって言ってたよ。」
どうやら櫟に聞いても説明書の場所はわからないらしい。
これもしかして相当古くからあったゲームなのかな?
「ばしょしらないのかー」
「昔買ったやつだから説明書失くしたかもらしい。」
「どうすればいいんだよ。」
僕は幼女の様な幼い声で異論を立てた。
確かにどうすればいいんだよ。
操作方法自分で見付けなければいけないじゃないか。
隠し操作とかあるのなら面倒だと思う。
説明書読まない人はこの面倒さを楽しいと思うのかな。
今朝メッセージを送ってきた坂城くんだって説明書読まない派だったはず。
とはいえ今は大学?に向けて勉強しているのだろう。
僕はこんな状態とはいえ此処でゲームやっていて情けなく感じる。
罪悪感が凄まじく感じる。
ごめんね、櫟、桜、坂城くん。僕は悪い子です。
☆☆☆
「お姉ちゃん、何泣いてるの?」
多分無意識に涙腺が緩んでいたのだろう。
したを見てみると水着は少し濡れていてちっちゃな手には水滴が付いていた
子どもの姿になってからなんか怖がったり体力が下がったり泣きやすくなったりしている気がする。
そのうち精神退行してしまうのではないかと不安になる。
「お姉ちゃん、よしよし、大丈夫だよー?」
桜はそんな僕でもあやしてくれた。
「うぅ…にゃいてにゃんかにゃいもん…」
「お姉ちゃんが何を思ってたか知らないけどもきっとこっちの世界のことだよね。」
こっちの世界のことだからいずれ立ち会わなければいけない。
僕はこのまま泣いていていいのだろうか。
僕はいつまでもこんなのでいいのだろうか。
見た目が幼女とはいえ、中身はちゃんとした高校生だ。
桜にも姉らしく兄らしくならなきゃいけない年齢だ。
「お姉ちゃん、お姉ちゃんはこのままでもいいよ?」
「ぼく、わるいこ…ににゃちゃうから…」
「お姉ちゃん…?」
「しゃくらぁ…おにぃちゃんがんばるからね…」
僕は桜にこんな表情だけども威厳なんて何も無いけど
頑張るという意思表示を見せた。
見た目なんて獣耳幼女で涙目の状態だけれども
「無理しなくていいんだよ?今は子供らしく甘えてればいいよ。」
「でも…」
「お姉ちゃん…お姉ちゃんが甘えさせてあげる…」
「しゃくらはぼくのいもうとでしょ?」
「言い直すね、お姉ちゃん、妹が甘えさせてあげる…」
妹が甘えさせてあげるってなんか変に聞こえる。
「あとでね。」
「むー、お姉ちゃん冷たいー!」
こういうところは結構桜も子供っぽいんだと思う。
僕は見た目が桜以上に幼いけど。
僕は置いていたゲームに手に操作を試してみることにした。
「えっと…さいしょは…どうだっけ…」
「スタートボタンは電源だったよ?」




