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世界  作者:
-1st- / 夏の始まり
59/175

第58話 想起

櫟は僕を名前で呼んでいる辺りきっとまだ信じていないのだろう。

それでも追い出さないだけでもありがたいと思った。




☆☆☆




しばらくして櫟は1階に降りていった。

「お姉ちゃん、今度はどんな夢見たの?」

多分、前に変な文字を書き荒らした事を覚えているのだろう。

桜は不安そうな顔で僕に問いかけてきた。

僕は何故か夢の内容を思い出せなかった。

「おもいだせにゃい…」

気が付けば僕の声は涙声になっていた。

「お姉ちゃん、怖いなら無理に思い出さなくていいよ。」

僕は思い出すことをやめた。

「お姉ちゃんは私に甘えていればいいんだよ。」

桜の目がなんか黒い気がする。

元から髪でも伸ばせば巫女服がよく似合いそうな

日本人を主張する黒髪黒目なのだけれども。気のせいかな。

自分が言うのもあれだけど僕の変化前によく似ている。

「お姉ちゃん、私をじっと見てどうしたの?」

「にゃんかへんかのぼくによくにてるきがするっておもって」

「兄妹なんだから当然だと思うけど?」

「いまはまったくにてにゃいのに」

「それでも私はお姉ちゃんの妹だよ!、見た目逆転してるけど。」

性格も逆転していると思った。




☆☆☆




トントントントントントン

櫟が階段を登ってくる音が聞こえる。

「これでいいか?」

櫟の手には湯気のたっているお湯とタオルがあった。

あれ?可笑しいなあ。僕今から何されるの?僕を抱いている桜を見てみる。

「お姉ちゃん。体拭かなきゃ。」

「そうか、俺は1階にいるからな。また呼べよ。」

「お兄ちゃん、お疲れ様。」

櫟はそういうと部屋から出ていった。

桜は櫟が出ていったことを見送ると僕の方に目を移した。

今の僕は軽装だ。髪でも結んで隠せば少年に見えるだろう、そんな服装だ。

桜には1回風呂に一緒に入ったとはいえ恥ずかしい。

「お姉ちゃん、自分で脱げる?」

「ぬぎたくにゃい。」

桜は僕のお尻まで届く長くなった髪をシュシュで結って服の中に入れた。

突然手鏡を渡された。僕は自分の姿を見てみる。

大体5歳くらいのショタっ子が写っていた。髪の色と目の色がおかしいけど

「お兄ちゃん、童顔だからこうすれば男の子に見えるよね。」

「…。」

男の子に見えるのは嬉しいけども。

この姿になったことで非常に違和感を覚えて微妙な気持ちになる。

「お兄ちゃん、それじゃばんざいして」

僕は言われた通りに手を上にあげると桜に半袖を脱がされた。

僕は反射的に胸を隠す。

日光が当たって輝いている軽く結われた長い水色の髪が風に靡いている。

窓空いてるから。

「お兄ちゃん、かわいい。下も脱がしちゃうね。」

「まどしめて」

「お兄ちゃんが恥ずかしがる姿も可愛いよ。」

そんなこと言ってないで早く窓をしめて、恥ずかしいから。

しばらくしても桜は動かなかったので

僕が窓を閉めようと手を伸ばす。しかし僕の体が小さすぎて窓に手が届かなかった。

「しゃくらぁ…」

僕は涙目涙声で桜に訴えてみる。

「お姉ちゃん、ごめんね。可愛いからからかいたくなるんだ。」

桜はカーテンに手をかけてカーテンを閉めた。

「お姉ちゃん、これでいい?」

カーテンが靡くのは不安だけども僕はこれでいいと思った。

「それじゃ下も脱がしてしまおうね。」

桜は僕のズボンに手をかけて一気に脱がした。

「っ///」

僕は裸になってしまった。風が敏感になった肌を撫でる。

後ろを見ると青い毛並みの尻尾が揺れている。

「お兄ちゃん…って言うのも今の姿だとおかしいね。お姉ちゃん。体拭いていくからね。」

僕は今小さな体で妹に服を脱がされ体を拭かれようとしている。

僕はこの地獄の様な時間から早く抜け出したいと思ってしまった。

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