第53話 事情
ケモナーとか言うんじゃなかったっけ。
そんな考えが頭をよぎった。僕は頭を振って考えをかき消した。
☆☆☆
「お姉ちゃんは人間じゃないんだよね。?」
「ええ、それは知ってるわ。」
僕は人間じゃない、それは見た目を見てもらえればわかる。
「お姉ちゃんの話によると4日前の話だったかな?」
大体4日前だ、あの出来事が起きたのは。
「帰り道に謎の光る物体に当たったんだよね?」
「ちがうよ、かえりみちにまがりかどでひかりにおおわれたんだよ」
「2人共何の話をしているの?」
「ぼくは、こうなるまえは、ふつうのだんしこうこうせいだったのに。」
「え。」
「来睦ちゃんは私のもう1人のお兄ちゃんなんだよ。」
僕はお兄ちゃんだ、正確にはお兄ちゃんだった。
「黒騎士じゃなくて?」
「黒騎士も私のお兄ちゃんだよ!」
桜がお兄ちゃんと認めてる中で僕以外には1人しかいない。
おそらく黒騎士というのは櫟なのかもしれない。
☆☆☆
『お兄ちゃん…じゃなかった、お姉ちゃん、黒騎士は櫟だよ』
櫟は中二病やってるのか。僕は頭が痛いよ。
「何の話してるのかわからないわ。」
「信じれないよね。お兄ちゃんの事情の話。」
「信じる信じない以前に不可解だもの。本来ならありえないわね。アニメの世界ならありえそうなのだけれども。」
不可解、確かによくわからない。
そして言われた通りアニメならありえる。
自分だってこんな姿になった原因の欠片すら未だに掴めていない。
なぜ僕が神秘になったのか、しかも幼女に性転換したのか
こんな姿にして何をしたいのか。神様というのは不可解だ。
「来睦ちゃんが男子高校生?だったのはわかったわ。でも今まで通りに接させてもらうわね。」
「しゃくらはにゃにがげんいんだとおもう?」
「お兄ちゃんは転換前でも可愛かったよ。」
会話が通じていない、僕が可愛かったのが原因なのか?
それはないと思いたい。結局僕はどっちになっても可愛いらしい。
「写真はないわよね。見せて欲しかったわ。」
ケモナーでショタコン…?
「VRにあっちの写真は持ち込めないもんね…」
「ねえ…」
「なあに?お姉ちゃん」
「来睦ちゃん?」
「そんなかんたんにじょうほうばらしていいの?」
「アルティマさんは信頼できると思うよ?」
「来睦ちゃん酷い!お姉さん泣いちゃうわ。」
「なかないでください。」
此処でボケてくるの…?
「ま、とりあえず、チュートリアルダンジョン終わらせましょうか。」
チュートリアルダンジョンの扱いがぞんざい。
僕達は宝箱の先にある階段を下っていった。
☆☆☆
-B2-、最下層
どうやらここで最後のようだ。魔眼で見た時も地下2階迄だった
「明るいわね。」
僕の装備で灰色の煉瓦が照らされている。
この装備がなければおそらく真っ暗なのかもしれない。
目の前に突然緑色をした50cmくらいのキューブが現れた
キューブはペチャペちゃとはねている。
どうやらキューブはスライムのようだ。
"グリーンスライム Lv.02"
レベル2、チュートリアルダンジョンらしい敵だった。
上2階の凄まじい難易度のせいで油断はできない。
チュートリアルダンジョンにみえるチュートリアルダンジョンじゃないのだから
僕は手に持つ光り輝く傘で思いっきりスライムを叩いた。
それでも結構弱かった気がするけども
あたりにポリゴンが散らばっていきスライムは消滅した。
そんな消滅の仕方初めて。
「いりょく。」
「お姉ちゃん、スライムってモンスターはそんなもんだよ。」
「始まりの草原よりも弱いわね。」
Lv.2スライムの評価は散々な評価だった。




