第43話 水滴
僕はしばらく2人に撫でられていたままだった。
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光に照らされた薄暗い道を歩く。
僕の小さな歩幅は2人の歩幅にあっていないのか
僕は時々桜の服の裾を掴む。
「お姉ちゃん、抱っこする?」
片手に光をともしながら桜がいう。
「まだいいよ。つかれてにゃいから」
「そっか」
自分の体は小さい。2人の腰あたりまでしかない。
歩く速度も少しはやめなければいけない。
歩いてたら桜にぶつかった。
「お姉ちゃん、肩車するね。ちゃんと捕まっていてね」
「うみゅ…」
僕は桜に肩車された。天井はそれほど高くないが
3mくらいはあるようで大丈夫だった。
☆☆☆
何処からか、骨の掠れる音が聞こえてくる。
と同時に天井から水滴が落ちて
雨が降ってるような感覚を覚える。
「冷たいわね。」
「あめかにゃ、でもここたてもの…」
「確かに室内で雨はおかしいわね。」
水滴を取ってみるとなんかねばねばしていた。
糊みたいな感じだった。
「よくわかんにゃい」
僕達は歩みを進めた、僕は肩車されたままだけども
ぺちゃんぺちゃんぺちゃん
水滴が薄暗い部屋の中に響く。
地下1階、雨なんて降っているはずがないのに。
「しゃくら」
「なあに?お姉ちゃん。」
「てき、わかにゃい。」
僕は1階の異常性を思い出していた。
敵がわかないのだ、どういうことなのかはしらない
奥に何かあるのだろう。
きっと集団で囲まれる可能性もあるかもしれない
部屋の端まで見えないと恐怖に駆られる。
モンスターがいるかもしれないという恐怖に。
でもきっと矢とか飛んでこない辺りここら辺にはいないのかもしれない。
「お姉ちゃん、またトラップかもよ?」
「そうねえ、敵が沸かない場所は大体トラップがあるもんね。」
どうやら経験者的にもそう思うらしい。
雨は振り続けている。白くなった僕達の装備を濡らしていく。
「それにしても寒いわね。」
寒いかな?そこまでは寒くないからちょうどいいと思うけども…
☆☆☆
しばらく歩いていると広間に出た。
カチッ、なんか桜が透明なものを踏んだっぽい。
「え?」
その瞬間僕と桜は大穴の中に落ちていった。
「来睦ちゃん!桜ちゃん!」
アルティマさんは慌てている。
「お姉ちゃんが一緒だから大丈夫だよ。」
「ふぇ?」
落ちて体に風を感じながら会話をする。
「お姉ちゃん、地図全て見れるんでしょ?」
あ、そっか、僕は魔眼で地図が見えるんだった。
「お姉ちゃん、まかせたよ。」
桜に任せられた。
しばらく落ちて冷たい何かにはね飛ばされた。
「来睦ちゃん、桜ちゃん。」
桜は空中で体勢を立て直すと元の場所に着地した。
「あるてぃましゃん、ただいま」
なんだったんだろう。これは多分パーティ分離の罠も
あるということを知らせているのかな?
☆☆☆
広間に出たはいいが扉はしまっている。
なんで扉があるのだろう。
「閉じ込められちゃったよ。」
「うみゅう」
「そうだわね。閉じ込められてしまったわ。」
アルティマさんと桜は僕の頭を撫でながら会話する。
1分くらいか、しばらく待っていると
骨の掠れる音と共に暗闇からたくさんの矢が飛んできた。
僕はその場にしゃがんで矢を躱した。獣耳スレスレで怖かった。
「どうやら敵のようね。」
「お姉ちゃん、囲まれたみたいだよ。」
どうやらスケルトンが配置されている様だった。
どうするか。スケルトンもわからないし
考える暇もなく再び沢山の方向から矢が飛んできた。
なんか矢が増えてる気がするんだけど気のせいかな。
「しゃくら、やをつかめる?」
「やって見なきゃわからない」
「ぼくがいるとこがちゅうしんらしいんだよ。ぼくにけんをかして」
「来睦ちゃん1人じゃ持てないでしょ?」
「もつひつようはにゃいよ」
僕は秘策を思い付いた。今からそれをやってみる。




