第36話 問題
とりあえず、自分の身長の2倍もある大きな扉に
僕は手をかけて魔力を流した。
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大きな扉は音を立てて壊れた。
手が触れたところからヒビが入っていって
押した途端、粉々になった小さな破片が降ってきた。
「扉って開けるものだよね。壊すものじゃないよね。」
「え…確か開けるものだったわね。」
え、目の前の扉は粉々に壊れたんだけども、
「開け方あってた?」
「お姉ちゃん、開け方はあってるから気にしなくていいよ。」
開け方はあってるらしい。
問題は扉が壊れたということだけらしい。
「えっと、うん…来睦ちゃんの才能を突き付けられたところで中に入りましょうか。」
アルティマさんは動揺していた。
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-1F-
ダンジョンの中に入ってみる。そこは薄暗いホールのような場所だった。
後ろを見ると壊された扉は再生していた。
というか閉じ込められた。
天井にはシャンデリアらしきものがぶら下がっており
真ん中には噴水のようなものがある。
噴水の上には指を指している女神の石像がある。
「ねえ、桜、これ本当にチュートリアルダンジョン?」
「チュートリアルダンジョンだよ?」
「出てくる敵は?」
「多分、スライムとスケルトンのみ」
スライムはさっき倒した。
あの四角形の液状の生物だ。
スケルトンはおそらく某サンドボックスに出てくる
矢を放ってくる骨みたいな敵なのだろう。
「そっか。」
「往復しなきゃならないよ。多分吹き抜けじゃないから地下だね。」
なるほど、ここは最上階なのか。
「2人とも、まずは階段を探しましょう。」
アルティマさんはそういった。
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「さて、問題です。どの方角から行くのが正しいでしょうか。」
噴水を中心に東西南北それぞれに扉がある。
僕は選んでいる。
僕は扉を見て回った。
東は普通の扉のようだ。錆びているが。
西も普通の扉のようだ。錆びているが。
北も普通の扉のようだ。錆びているが。
南はさっきの入口だ、2倍もある大きな扉だ。
砕けたはずなのに再生した。
どういう構造をしているのだろう。
三方向どれも普通の扉だった。
噴水を見てみる。
3人の女神の石像が指を指している。
右の女神は西に指を。
左の女神は東に指を。
真ん中の女神は入口を指さしていた。
「うーみゅ、北かな?」
僕は結果として唯一指を指していない北を選んだ。
北の扉を開ける。隣にはアルティマさんがいた。
おそらく見失わないための付き添いだろうか。
下を見るとそこには50cmくらい段差があり
四方八方に小さな穴の空いた部屋だった。
僕は入ろうか迷っている。
アルティマさんも何故か迷っていた。
しばらく迷っていると
アルティマさんが何かを呟いた。
「来睦ちゃん、罠よ、扉を閉じなさい。」
僕は何も見なかったことにして扉を閉じた。
「どうだった?」
「なんか小さな穴の空いている部屋だった。」
「お姉ちゃん、毒矢ってわかる?」
毒矢、ダンジョンでは割とテンプレで
毒の状態異常を付与してくる矢のトラップだ。
「毒…」
「うん。毒の状態異常だよ?」
「こんな可愛い子に毒食らわせるなんてできないわ。」
「…。」
確かに罪悪感は起こるのだろう。
きっとアルティマさんが迷っていたのは。
忠告すべきか身をもって教えるべきかのことなのだろう。
今の僕の体は幼女だ。
でも中身は17歳の男子高校生だ。
僕が元の姿でその場にいて幼女が迷ってるとしたら
僕だって多分、罪悪感が湧く。
「アルティマさん、忠告ありがとうございました。」
「ええ、いい子ね。」
アルティマさんは僕の頭を撫でた。
とても晴れやかで癒されているような表情をしていた。




