第34話 素麺
結構痛いところを突かれた。
はやくこの世界になれなきゃいけないかな。自分の体にも
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「お姉ちゃん、昼ごはん食べてないでしょ?」
確かに食べていない。
この体じゃ作れないのはわかっているはずなのに
「1回ログアウトするよ。」
「え?」
「え、じゃなくて。ちゃんと食べないと大きくなれないよ。」
なんとなくだけども
この体はこれ以上大きくならない気がする。
「あるちましゃん」
「来睦ちゃん、桜ちゃんの言う通りちゃんと食べな…はっ」
アルティマさんは何かに気付いたようだった。
「NFC、15禁だよね?」
「うん。」
「うにゅ?」
確かにログイン初日に外野が
このゲームは15禁なはずなのにとか
言ってた気がする。
「来睦ちゃんはどう見ても幼女だわね。」
「幼女だね。」桜がそう返す。
「桜ちゃん、来睦ちゃんは何歳なの?」
「私は15歳だよ、ギリギリでログイン出来た。お姉ちゃんは自分で教えなさい。」
「えっとぉ…17しゃいです…」
「え。」
「幼女が17歳は可笑しいよね…5歳です。」
確かにおかしい事ではあるが
僕は元の姿では17年生きてきた人間だったはず。
多分、きっと。17歳の少年だよね…?
「言い直さなくていいから。」
「お姉ちゃん、昼食食べてよー!」
きっと事情もいつかはバレてしまうのだろう。
「あるてぃまさん、教えてくださってありがとうございました。」
「うん…ええ…またね。」
「またね。」
僕はアルティマさんに手を振り返す。
桜は青い粒子になって消えていった。
きっとログアウトでもしたのだろう。
ぼくも鋭くなった爪でログアウトを押した。
《またのお越しをお待ちしております。》
☆☆☆
VRイヤホンを付けたまま、リビングに向かう。
体が小さくなったせいか階段降りるのに恐怖を感じた。
さっきまでは降りれたはずなのに。
「お姉ちゃん、なに立ち止まってるの?」
「しゃくら、おりれにゃい…」
「お姉ちゃん、持ち上げるね。」
その言葉のあと、浮遊感を感じた。
桜に抱き抱えられていた。僕って抱かれすぎかな?
桜はタンタンと普通に階段を降りていくと
僕を1階の床で下ろした。
「しゃくら、ありがと。」
「お姉ちゃん、見た目相応に軽いね。」
多分僕の今の重さは20kgないと思う
今の見た目は5歳児前後の幼女なのだから
自分の体が異常に感じてしまう。
これは昨日も感じた事だ、早く慣れるか戻らないといけない。
☆☆☆
今日のお昼ご飯は素麺だった。
「お姉ちゃん、夏っていえば素麺だよね。」
確かに今日は夏だ、終業式の日とはいえ
7月19日、もう時期猛暑がやってくる。
今の日ですら物凄く暑いのだけどこれ以上暑くなる。
素麺は冷たくてさっぱりしていて美味しかった。
「お姉ちゃん、イヤホン付けたままなんだ、今のままでも入れるよ。」
この状態でもVRは出来るらしい。
どういう原理をしているんだろう。
「もういい。」
今の体は幼児だ、変化する前は10杯くらい食べれたのに
今は2杯しか食べれなかった。
「そっか、お姉ちゃんは先入ってて。私は通知来たらすぐ行くから。」
どうやら桜の腕に巻いてある白いのもVR端子らしい。
本当にどうなってるんだろう。
科学の進歩しすぎではないのだろうか。
僕はその場でイヤホンの電源を入れた。
横に寝っ転がると上を向いて目を瞑った。
☆☆☆
再び白い空間にたっていた。前に来た空間だ。
何やらリストが表示されている。
「キャラクター1『来睦』を使用しますか?、新しくキャラクター2を作りますか?」
先ほどと同じようだ
キャラクター1『来睦』を爪の鋭くなった左指で押した。
『おかえりなさいませ、VRの世界へ、来睦様』
そんな言葉と共に視界は暗転した。




