第33話 躊躇
「この子、魔法の才能は私以上かもしれないわね。」
才能じゃなくて称号のせいなんです。ごめんなさい。
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「ちょっと調整してみなさい。」
え?調整?
「うーん。あっちにスライムがいるわね。」
15匹くらいいる。たくさん。
「手に魔力があるわね。そのまま魔力を込めて浮かせてみなさい。」
言われた通り手に魔力を込める。
手が淡い光に包まれた。
「魔力が多いわね。そのままその魔力を球体にするようなイメージを浮かべて」
頭の中で丸くなるように念じる。
丸くなーれ、丸くなーれ。
しばらく念じていると光が丸くなった。
「次に雷属性を念じてみなさい。」
電気になーれ、電気になーれ。
光が丸くそして気付くと金色になっていた。
「そのまま形を崩さずにスライムを殴ってみなさい。」
「え?」
「あら?魔法武術よ?知らないの?」
どうやら手に魔力を纏って攻撃する方法を
魔法武術というらしい。
☆☆☆
「お姉さんが見本を見せるわね。」
アルティマさんは歩いていくとスライムの前に立った。
「手加減がいるわね。」
ものの一瞬で手に淡く黄色い魔力が輝いていた。
アルティマさんはその拳を振り上げると
スライムを殴った。
スライムは核が壊れ地面に液体状に飛び散った。
「クレーター起きなくてよかったわ。」
上級者だとあんな一瞬で調節できるんだ。
「次はあなたの番よ、やって見なさい。」
☆☆☆
「ぼくのばん?」
「そうよ?」
僕に出来るかな。そういう考えがよぎる。
さっきは出来たんだ。
多分出来ると思いたい、いや出来る。
僕はさっきと同じように
魔力を丸くするように念じる。
数秒かかったけれども光る魔力は丸くなった
「意外と飲み込みが早いわね。優秀。」
アルティマさんはそう呟いている。
丸くなった魔力を雷属性になるように念じる。
すると僕の片腕は雷を帯びていて
丸くなった金色の魔力からは電撃が走っていた。
「…あれは私でも耐えられる自信ないわ。」
僕は魔力を抑えつけるように念じた。
しばらくすると電撃は消え薄い黄色の球体になった。
僕はスライムに歩いていく。
僕は1匹の可哀想なスライムに向かって腕を振り上げた。
「ぴゅいっ?」
スライムは鳴いている。疑問符が浮かんでそうだ。
ごめんね、これはしょうがないんだ。
スライムが可哀想という照度を押さえつけながら
淡い黄色の球体を纏った片手で
スライムを殴った。
「ぴゅいーっ」
スライムはそんな鳴き声を一つすると
核にヒビが入って床に体だった液体が飛び散った。
ごめんなさい、ごめんなさい。
僕はその場でお辞儀をした。
「お姉ちゃんってやっぱり敵殺すのに躊躇うよね。」
「初心者ではよくありがちな光景だわね。」
「お姉ちゃん、VRMMOは初めてだからやっぱりと思ったんだ。」
「あれで初めてなの!?凄い魔法の才能見たわよ!?」
「確かに片腕に雷撃纏わせるなんて私も初めて見た。」
アルティマさんと多分桜だろう。話している。
「あ、お姉ちゃん!」
桜がこっちに気付いたようだ、何時から見ていたんだろう。
「それにしても桜にはお姉ちゃんもいるのね。お姉ちゃんに見えないけれども」
事情があるので…
「お姉ちゃんはね、最近出来たんだ。」
「やっぱり訳ありなのね。」
「訳あり…ねえ、これからもお姉ちゃんをよろしく。」
☆☆☆
「さて、評価するわね。魔法は申し分ないわ。手加減はもうちょっと強くした方がいいかなと思ったけれどスライムの核が粉にならなかった辺りよく出来ていたと思うわ。あとは敵生物を殺すのに躊躇してると何時かはやられるから早めに直した方がいいわね。私からは以上よ。」
確かに敵生物が可愛いからと躊躇してると攻撃出来ずに終わってしまう。
結構痛いところを突かれた。
はやくこの世界になれなきゃいけないかな。自分の体にも




