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世界  作者:
-1st- / 夏の始まり
33/175

第32話 魔法

アルティマさんは戸惑った返事をすると

しばらく釣りの方に没頭した様だった。




☆☆☆




しばらくして僕は落ち着こうと思った。

ゆっくりと深呼吸をして…

青い空を見て、なんだか落ち着けた。

これをするだけで数分たった。

「どう?落ち着いた?」

それでもまだ心配そうに

声をかけてくれるアルティマさん。

釣り用のバケツを見ると

名前のわからない小魚が7匹くらい泳いでいた

「うん。」

「何があったの?」

「ごめん、いえない。」

「そう。その見た目に関することなのね。」

ごめんなさい、本当にこれは言えないんです。

それでも見抜かれている。そう思えてしまう。

だって、推測が間違ってないんだもの。

「私はあなたを保護する理由ができたわ。可愛い子、綺麗な目、獣耳、私に甘えてきなさい。」

「ふあ?」

僕は急な態度の変化に吃驚した。

「あらあら、そんな面食らった顔しなくていいのよ?」

アルティマさんは僕の頭を撫でてくる。

撫ですぎではないだろうか。気のせいかな。

それに精神は幼児ではないのだから

お姉さん…アルティマさんに甘えることは出来ない。

幼児化の影響も受けてそうだけれども。

「それにしてもこの獣耳欲しいわねえ。可愛いわ、それに目もきらきらしていて綺麗だし、」

可愛いのは認めるが獣耳撫でられると擽ったい。

「あるてぃましゃん」

「なあに?」

そう言って抱き着いてきた。

「あるてぃましゃん、ぼくにおしえてくだしゃい。」

「ふふ、ついておいで。」

アルティマさんはそのまま

僕を抱き上げて草原の方に向かっていった。




☆☆☆




ついたのは草原だった。

VRMMOもスライムを相手にするのが最初の敵か。

青薄くて四角いスライムが跳ねている。

「おじょうちゃん…名前聞いてなかったわね。お名前は?」

「くりむ、です。」

「くりむちゃんというの、可愛らしい名前だわね。」

なでなでなでなで。また撫でられた。

「くりむちゃん、私の剣を貸すから、手を出しなさい。」

しばらくすると僕の手の上に1本の鞘に包まれた剣が現れた。

「それじゃ、戦闘練習始めるわよ。危なくなったら守ってあげる。」

守ってくれるなら安心かな。

僕はゆっくりと浮いている剣を鞘から抜いた。

僕の力では鞘からその剣が抜けることは無かった。

アルティマさんが駆け寄ってきて鞘から剣を抜いてもらった。

綺麗な青銀色に輝く薄刃をしている。

僕はその綺麗な剣を持ってみた。地面に刃先が付いている。

僕はその剣を振ってみた。




☆☆☆




重すぎて振れなかった。

「んにゅ…くぅぅ…」

精一杯振ってみようと頑張るが振れなかった。

「可愛いわねえ、見ていたいわ。」

サディストの気でもあるんじゃないだろうか。

「んぐぐ…」

数分たっても僕は剣を振れないでいた。

幸いなのはスライムが襲ってこないことか。

アルティマさんは考えている。

「うーん、そうだ、魔法にしましょう。」

唐突にこんなことを言い出した。

魔法、それなら僕にも使えるかもしれない

「とりあえず、スライムは…雷属性が弱点だったわね。打ってみるわ。」

アルティマさんは向こうのスライムに手を向けた

《ライトニングショック》

アルティマさんの手から放たれた雷は

スライムに直撃してスライムの身を焦がした。

スライムからは煙が出ている。

「うーん?ちょっと威力が強すぎたかしら。」

この人、上級者なんじゃないだろうか。




☆☆☆




「さて、魔法はああやるのよ?、力がなくても魔法は誰でも使えるから。唱えてみなさい。」

アルティマさんはしゃがんで僕の手に手を添えた。

恥ずかしい、今の僕は赤面しているのだろう。

「らいとにんぐ、しょっく」

たどたどしい口調で僕はスキル名を告げた。

小さな僕の手から青白く光る雷が走った。

「防御魔法、プラズマティックゾーン」

アルティマさんは何故か防御魔法を貼った。

スライムに攻撃は当たったが、周りの地面ごと

クレーターのように焼け付いていた。

スライムはもちろん、跡形もなく消滅していた。

「ごめんにゃしゃい。」

「この子、魔法の才能は私以上かもしれないわね。」

才能じゃなくて称号のせいなんです。ごめんなさい。

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