第30話 再世界
そんなことを思いながら
僕は昼食を食べるために台所に向かった。
☆☆☆
昼食を食べる。とは思ったものの
どうやって準備すればいいのか
さっき冷蔵庫を開けようとしたけど
何も出来なかった。自分の背が低すぎた。
今の僕の身長は大体5歳児くらいだ。
このままじゃ何も食べれない。
近くに台みたいなものはないし
力が足りなくて椅子も動かせなかった。
…どうしよう…
桜も櫟も何時帰ってくるかわからないし
お母さんは夜までいない。
今は家に誰もいない状態だ。
僕はちゃんと玄関に
鍵かけてから自分の部屋に行った。
多分、みんな合鍵持ってるから大丈夫だと思う。
僕は気晴らしにVRすることにした。
待っていても何も出来ないし眠くもない。
現在のVRは肌に接触さえしていれば
世界に入れるらしい。
メガネ版だってあればイヤホンだってある。
時代は進化した。そんな時代で作られた
イヤホン状の端子を装着して。
いざVRの世界へ「ダイブイン。」
☆☆☆
再び白い空間にたっていた。
何やらリストが表示されている。
「キャラクター1『来睦』を使用しますか?、新しくキャラクター2を作りますか?」
なるほど、サブキャラを作れるという奴かな?
どうしよう。前回のログインで周知されてそうだし
この余計な獣耳尻尾はどうやっても消せない。
種族という概念さえあればごまかせるのに
けど多分身長も低いのでごまかせないとおもう。
もとよりこの体はキャラクターみたいな
髪色と目色、獣耳尻尾だ
僕は変えるのを諦めてそのままプレイすることにした。
桜や櫟はサブキャラ持ってるのかな?
桜はそのまま持ってなさそうだなあ。
櫟は…何かと格好いいの持ってそうな気がする。
そんなことを考えながら僕は
キャラクター1『来睦』を爪の鋭くなった左指で押した。
『おかえり、VRの世界へ、来睦様』
そんな言葉と共に視界は暗転した。
☆☆☆
僕は釣り堀にたっていた。
昨日ログアウトした場所だ。釣りでもしたいが
釣竿を渡されていない。
つまり僕は何も出来なかった。
「お嬢ちゃん、何やら困ってるようだけどどうしたの?」
すぐそこで釣りをしていた
成人くらいの女性に話しかけられた。




