第2話 妹と僕
家に着いた、一応「ただいま」と小声で可愛い声を響かせながらも帰還を告げる
可愛い声に違和感を感じる。
桜に見られたら大変なので隠れなければいけない。
最悪逃げることも考慮してそのまま自分の部屋目指して階段を上がろうと考えて静かに扉を開けようとするが
背が小さすぎてドアノブに手が届かず開けられない。
窓から入る場合、おそらく1階にいそうな桜に見られるし…
どうすればいいんだ…
僕の家族は5人家族だが
帰郷中の母、高校1年の弟、中学3年の妹、僕の4人だ。
お父さんは遠くに勤務しているためか、お正月くらいにしか帰ってこない。
お母さんは夏休み入ったらしいから数日前に家に帰ってきた
なので普段家にいるのは3人だけだ。だが僕も両親が何しているのか知らない。
小さい頃から何回も聞いても答えてくれなかった。
桜や櫟は両親の仕事を知ってるのかな?
1年で使い切れない程の金を送ってきたり、この家がお屋敷言われたり別荘あったりするのも関係しているのかもしれない。
外からの日差しが暑い。ぼくの夏休みは終わるのかもしれない。
平穏は既に終わってるのかもしれない。
僕はもう既に詰んでるのかもしれない。
庭に目を向ける。
庭は庭園になってるし隠れる場所は沢山ある。
向こうの小屋あたりがいいかもしれない…
僕はしゃがんで隠れるために移動しようとした時だった
偶然扉を開けた桜と鉢合わせた。
「君は誰?」
「...。」
言葉を失った。
ある意味当然のことなのかもしれないけれど受け入れるには時間がかかった。
☆☆☆
それもそうか、僕はいま小さい女の子の姿なんだ
わからないのも当たり前だ
「ねえ、君はなんで、この家に入ろうとしているの?、そしてその制服サイズあってないよ?」
自分の家に入りたかったけど入れなかった。
「おにいちゃん...だから...」
返した答えは僕の予想に反してとても弱々しい答えだった
「お兄ちゃん?、お兄ちゃんなら帰ってきてないよ?」
こんな姿でお兄ちゃんに見られるはずがない
それに今日は早く終わったから
こんな時間に帰ってくるのも珍しいのかな?
「ぼ...ぼくがおにいちゃん...だから...」
それでも僕は僕なんだ
涙目を晒すのは恥ずかしいけれど
桜にはわかってほしい
こんな姿でもこの家の長男で君のお兄ちゃんだと
☆☆☆
しかし現実は非情だった。
泣きたいくらいに非情だった。
「お兄ちゃん...は、こんな小さい女の子じゃないよ?、高校生にしては小柄だったけど160はあったと思うよ?、君は何処から来たの?何処の子?」
確か最後に測った時は165cmだったかな
それでも小柄だったのはとてもわかってる。
親友2人よりも小さい自分に嫌気が差していたから
あとは妹の正確な目測が恐ろしく感じる。
「いく...あてがない...」
この家に拒否されたら僕は当然家無しになる。
本当に行く宛がなくなる。
「行く宛がない、ねえ。1回警察に届けようか、この綺麗な水色の髪は日本人じゃ見ないし、目も綺麗な銀色だし肌は白いし」
警察に届ける!?僕はモノじゃないよ!
どういう思考をしているんだろう
妹の脳内と将来が心配になってきた。
だれだ、こんな風に育てた奴!、あ、僕だ。
「警察、歩いては遠いかな?、ちょっとお母さん呼んでくるから待ってて」
待っていてだってさ
僕はどうも出来ないままその場に立ち尽くすしかなかった。




