第28話 留守番
そう言うと妖怪さん…卯月は窓から去っていった。
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「おねーちゃん!あさだよ!」
「うにゃあぁ…」
目を開けると桜がいた。たしか今日は
一学期の終業式の日だったはずだ。
もちろんこの姿では学校なんて行けるはずがないが
「おねーちゃん、寝顔も可愛いね!」
「うりゅしゃい…」
僕は目を擦りながら桜のからかいに答える。
「お姉ちゃんは学校行くの?」
「いかにゃい」
「幼女だもんねーなでなでわしゃわしゃ」
「るみゅう…。」
桜のなでなで気持ちいい、眠くなってくる。
「うみゃあ…」
夏特有の暖かい日差しとなでなでされて僕はまた眠った。
「お姉ちゃん、行ってくるね。」
眠る瞬間そんな声が聞こえた。
☆☆☆
2度寝して起きたら13時だった。
こんなに眠っていたのか、気付かなかった。
家に誰もいない。
昼食…食べる気が起きないや。
また寝ようかな、自分の部屋に戻ろうと思ったが
そう思った時に呼音がなった。
僕は扉の方に走ったけれどちっちゃい足なのか
何故だか玄関までの距離が長く感じた。
面倒だからインターホンで用事を済ませる。
椅子が重くて引きずって持ってくる。
床に傷が付きそうだけど後で謝ればいい。
インターホンに手をかけるとインターホンが落ちたので拾う。
インターホンの向こう側にいる人物に話しかけてみた。
インターホンに写った人物を見る
書類を手にどうしようか迷っている市河くんの姿だった。
おそらく今日は終業式だから
早く終わって僕に書類を届けに来たのだろう
「あ、いちかわくん」
「誰?なんで僕の名前知ってるの?」
しばらく首をかしげ
なんでもないように市河くんは目を擦る
眠いのかな、なんて考えが浮かんだ僕は馬鹿だった。
「さっき凄まじい音がしたんだけど」
なんか文章になっていない会話を返された。
さっきの音は確か椅子を引きずってた音。聞こえてた?
それともインターホンを落とした音かな?
この家はインターネットは直ぐにでるようになっている。
「んで?なんでそんな声高いの?」
声高いかな…
「あ、あー、あー…う?」
確かに幼い子供のような声だった。音域でいえばソプラノ。
「まるで幼い子供の女の子の声のような」
「幼い子供の女の子…?」
自覚はしているが質問を投げてみる。
「愁の妹みたいな感じ。僕はあの声あまり好きじゃない。」
そう返された。




