第19話 鏡と僕
「体力も幼女なのかな?可愛いな。」
ハルちゃんが何か言ってたが睡魔が襲ってきて
僕は眠りに落ちた。
☆☆☆
「お姉ちゃん、起きて起きて」
その声を聞いて意識を朦朧とさせながら起きる
気が付くと妹にだかれていた。
人だかりが出来ていた。
「え?幼女ちゃんと剣姫と和装だって?」
「写真撮らせて」
「うわ、マジでケモミミ生えてるんだ」
「妖怪ちゃん」
「かわいい、誘拐したい」
「なんで釣り堀に?」
プレイヤーが僕目当てで群がってくる。
「お姉ちゃん、逃げるよ!?」
「え?釣りは?」
「また今度でいいよ。ハルは後で家に来て、櫟には悪いけど1回ログアウトする。時間が悪かった。」
どうやらログアウトするらしい。
「幼女ちゃん帰るの?」
「剣姫ぇ」
「もっと見たかったなー」
「俺らが悪いのか?」
「剣姫許さんぞ。」
等と他のプレイヤーからは声が聞こえる。
「お姉ちゃん、ログアウトはメニュー押してログアウトすればいいよ。」
僕はメニューを開くと迷わずログアウトのボタンを押した。
《またのお越しをお待ちしております。》
その文字が現れたあと櫟の部屋に戻った。
☆☆☆
「お姉ちゃん、凄かったね」
「もうこんな初日は懲り懲りだよ。」
本当に懲り懲りである。
「お姉ちゃん、尻尾触らせて」
「いやだ。」
「ちぇーなんで」
妹は不機嫌そうな顔でそういう。
「いやだから」
「理由になってないよ!」
尻尾が悪いんだ、毛並みの多い。
もふもふしてそうだ
よく見ると体の半分くらいの大きさはある。
そういえばこの姿での鏡を見てなかった。
「桜、鏡はある?」
「手鏡でいい?」
「どれでもいいよ」
「はい」
渡された鏡に自分と桜を映してみると
後ろ側に映る子供っぽい黒髪黒目の少女、桜と
アニメの登場人物でも滅多に見られない様な…
明らかに人間離れした美しさを持った
さらさらな線の細い光り輝く透けて見える水色の長い髪に
真っ白な白磁の様な肌と
金目銀目オッドアイの双眼輝く綺麗な宝石の様な目
綺麗な晴れた薄空の色の毛並みのいい獣耳尻尾の揺れる
大体5歳くらいの可愛らしい童顔幼女の姿が鏡に映っていた
きょとんとした表情をしていた…
童顔という欠片はあるがほとんど変わってしまった。
獣耳尻尾は多分犬科の類、とはいえ僕ではないと思いたかった。
「お姉ちゃん、世界でもなかなかお目にかかれないレベルだよ。」
桜がそう言った。
水色の髪に金銀オッドアイ、人間離れした美麗さ。
持つ人がいたら見てみたいよ
これじゃ目立つ、僕はもう色々と諦めたい。
「こんなのはぼくじゃない…。」
地味にこの世界を生きてきた僕なんかじゃなくて
誰かに変わって貰えたらいいのに
なんて言葉は言えず喉の奥に飲み込んだ。




