ボス戦 後
悠然と暗闇を漂う海月を前に僕はある方法を思い付いた
指先で冷気を収束させて水の上に光線を打ち込む
「来睦ちゃん、何する気?」
触手を剣で受け止めているティーナさんの疑問に思う声が聞こえたけど
これでいい。そのまま触手を受け止めてくれていれば助かる。
僕の冷凍光線を浴びた下の水が凍り付いた。
僕は凍り付いた水の上に乗り手の中を熱するように意識をする。
周囲が明るく照らされる。少しだけ手にしびれが起きる。
僕は跳躍するとその手で海月を殴った。
ゼリー?を殴るような柔らかくて手応えのない感触だった。
海月の周りが雷に撃たれた様に電気で包まれた。
触手は帯電していて海月の動きは止まって水の中に落ちる。麻痺させることには成功したようだった。
これでいい、そう思いながら僕は凍り付いた足場の上に着地した。
「たまちゃん」
「わかったのじゃ」
たまちゃんは僕の声を聞いて水の中を駆け抜けた
剣を構えて海月を切り刻む。
海月は動けないながらもたまちゃんの斬撃に抵抗するように暴れ周り
周囲に飛沫をまき散らす。
「もしかして私の出番ない?」
ティーナさんが出番を欲しがっていたので僕は薬剤を渡す。
"衝撃ポーション"、これは賭けだ。僕の力だと多分足りなくて浴びてしまう可能性があるから
剣術もできてそれなりに反射も早そうなティーナさんに任せようという算段だった。
でも失敗したら多分ティーナさんも死んでしまう可能性もある…
下が水だから予め凍らせておかなければいけない。
僕は自身の周囲に冷凍光線を打ち込んで氷の環を形成させた。
僕は自分で形成したその氷の環に水面から飛び乗った。
「海月の触手は切り刻んでもアイテム化しないんだね」
ちょっと失敗したような気もするけれども。
しばらく海月を見ていたら麻痺の状態が切れてきているように見えた。
けどもたまちゃんも触手を半分切り刻んでいて
もう少しで戦いは終わりそうな気はした。
水面からゆっくりと海月は漂い始める。
「まひきえたね…」
「間に合わなかったのじゃ」
海月は仕返しとばかりに冷気を収束させる。
ペンギンの時のような感じに凄まじい冷気が支配し足場の水が凍り付いていく。
これ僕の冷凍光線いらなかったんじゃ…
なんて思いながら僕は漂って冷気を帯びている海月を見据える。
ティーナさんもたまちゃんも凍り付いた水面の上に乗れたようだった。
第2回戦かな。と思った直後海月から上に向けて光線が放たれた。
上に放たれた光線は小さな氷塊になって僕達に降り注いだ。
「ここにきてはんいこうげき…」
僕は上級結界を貼るが何回も当てられる音と結界を割られる様な音が響いた
装備に触れていない腕を氷塊が掠める。
これキツい。この戦闘自体がキツい様な気がしてならない。
凍った水面を見ると氷塊が地面に刺さっていた。
おそらく威力も強いのだろうか…?考察している暇はなく僕はもう一度砕かれた上級結界を貼り治すと同時にステータスを見ると
体力的に残り少ししか残っていなかった。
アイテムボックスからヒーリングポーションLv.4を取り出す。
桃色の液体をしていた。
ヒーリングポーション Lv.4 x1
種別:ポーション
液体に接触した者の体力を即時で400回復させる
当然僕の体力は全回復したけども、なんか400っていう数値は僕の体力の2倍以上でもったいないような気にもなった。
でも使わなきゃ死んだ可能性もあるから仕方ないっちゃ仕方ないのかもしれない。
そういえば結界内にたまちゃんもティーナさんもいないとティーナさんの方向を見た
丁寧にたまちゃんは氷塊を目視して素早くティーナさんの剣も借りて氷塊を弾き逸らしていた。
流石はたまちゃんと言うべきか…それともあまりのプレイスキルの高さに驚けばいいのかぼくはわからなくなった。
菱形の氷塊の雨も止んで仕留められなかったのをk海月は確認したのかその残った冷気で巨大な氷塊を凍った水面に落とした
☆☆☆
落とされた円球の氷塊は凍った水面の上で弾ける。
再び雨の時の様な菱形の氷塊が波状になってこっちに飛んできた。
こっちにもと言うべきなのだろう。
おそらくまた全方位の攻撃なんだと思った。
天井を見ると菱形の氷塊が張り付いていた。回避ターン…だと思う…。
僕はそのまま菱形氷塊の雨の時に残った結界を使用してこっちに飛んでくる菱形の氷塊を防いだ
氷塊は防いだ結界にまでびっしりと張り付いていた
これ触ってもダメージ受けないよね…?
なんて思いながら指先で結界に張り付いていた氷塊に触れる。
何も無かったかのように氷塊は結界から消えた。
「え?」
しばらくしてログに『菱形の氷塊』を入手した。と表記された。
え?これ素材になるの?でも多分意味の無い素材なんだろうけど何かに使えると思うし10個くらい持っていこうと思った。
結界解除したら15個に増えていた。どうやら素材にならない氷塊の方が多いようだった。
凍った地面に夥しいほどの氷塊が突き刺さっていて歩く隙間もない。
地面に刺さった方の氷塊はダメージを受けるようでほぼ動きを封じられてしまったに等しかった。
攻撃して足場を消してきた海月の方を見ると悠然と再び暗闇の中を漂っていた。
たまちゃんは好機とばかりに足場から跳躍すると海月の触手を狙って一瞬消えた。
その直後に氷塊だらけになった凍った水面に海月の触手が落ちた。
「来睦ちゃん、そっち行けない。」
ティーナさんがたまちゃんを見ながら呟いた。僕も多分行けない。
行こうとするものならダメージ受けて死んでしまうかもしれないから行けない。
☆☆☆
ティーナさんに一応注意喚起を送る。桜のようになったら困るし。
「てぃーなさんはあいずだしたらめをつぶってて」
しばらくして「わかった」と返答を返された。
たまちゃんだけしか戦闘してないので僕も再び電気を手に纏って麻痺させようと跳躍する。
上手く海月の上に飛び乗れたようで
足場になっている海月を見据える。なんか透明で向こう側の凍った水面が見える。
上から見ると綺麗だけど足場にするには割と地獄なんだよね。と思いながら海月の上で手を上げる。
手を下ろすと僕はさっきの攻撃以上の輝きを纏う片手で殴った。
少しだけ固くなった感触が僕の手を襲った。
周囲に電磁波が発生し眩しい光量を放つと海月は焼き付いて氷塊は溶けて消えた。
攻撃で僕の存在を察知したのか海月の上にたまちゃんも飛び乗ってきた。
「あとはきるだけだよ」
たまちゃんにボス戦に決着をつけるように促す。
周囲を見渡す。壁らしき場所は帯電していて暗闇だった部屋も何時の間にか明るくなっていた。ティーナさんは凍った水面の上に座っていた。
こう思うとなんだか呆気ない終わり方の様な気がしてならないけれど
こうしないと勝てなかったかもしれないから戦略だったのかもしれない
しばらく待っているとたまちゃんが再び海月の上に飛び乗ってきた。
「きってきたのじゃ」
そう言ってたまちゃんはポーションを取り出した。
多分…僕がティーナさんにあげた衝撃ポーションなのだろう。
たまちゃんは僕を片手に抱き上げてもう片方の手で衝撃ポーションらしきものを海月に投げるとそのまま跳躍した。
触手も残骸も海月だった本体も淡いポリゴン状になって消えていく。
僕は海月から凍り付いた水面に落ちて淡いポリゴンを遠くから見ていた。
帯電も消えて暗闇の中で綺麗に青く輝くポリゴンはなんだか神秘的な雰囲気で綺麗だと思った。
ポリゴンが消えた跡で僕はアイテムが落ちたようで確認する間もなくアイテムのすぐ側に宝箱も出現した。




