射撃
座る場所からしばらく歩くと橋があった。
橋は半分は水に沈んでいて文明のあとを思わせるようなそういう感じになっていた
この島に限らなさそうだけど…文明の跡があるってことは住んでたのかな…
さっきの塔も、遺跡の3層にもあったし
どうやら橋の下は先ほどと変わらない海のようで
ペンギンとか泳いでいる。
さっき襲ってきたペンギンと同種なのだろうか
それにしても洞窟内のペンギンは直ぐに倒れたけど水があるだけでこうも強くなるとは。
「あるじ、水が澄んでいてきれいなのじゃ」
そうだね。さっきの範囲と水の澄みが違って下にいるペンギンや魚などもよく見える。
「きれいだよね」
「そうなのじゃ」
たまちゃんは僕を抱き上げると橋の端によった。
この橋結構幅が広い
歩くのに疲れるし先が見えないほどに遠い。
最悪の場合、たまちゃんにだいてもらえばいいけども…
たまちゃんに迷惑かかるかな…
☆☆☆
しばらく水面を見ていると水面から魚が顔を出し冷凍光線を放ってきた。
咄嗟に僕は旗で防御する。
旗の先のひらひらの部分が冷凍光線によって凍り付く。
アクアフィッシュ…Lv.18
たまちゃんは僕を抱えその場から飛び退く。
と同時に2回目の冷凍光線を発射され橋の端が凍り付く
本当に油断ならない。
「あるじ、あの魚倒すのじゃ?」
倒す必要は無いと思うけど使いそうな気はするし素材も入手できるから…
じゃないとエネミーとしている意味が経験値しか無い。
「つぎしゃげきしてきたらたおせばいいよ」
「わかったのじゃ」
僕が悩んで出した結論は2回目は倒すということだった。
無視して歩く。
しかしアクアフィッシュは変わらずとも周囲の水を凍らせ僕達に向かって冷凍光線を発射してきた。
たまちゃんは水が凍って出来た氷の上に乗る。
そしてアクアフィッシュをそのまま素手で掴んで橋の上にたたき落とした。
アクアフィッシュは暫く点滅すると素材を残して消えていった。
「…。」
力技、それも割と強引的な
「あるじ、これでいいのじゃ?」
「うん。いいよ…たぶん。」
僕もたまちゃんの問いかけに対して頷くことしか出来なかった。
☆☆☆
魚を倒してドロップアイテム
アクアフィッシュの生核 x 01
清き蒼鱗 x 01
脂身の赤身 x 01
を入手して
しばらく歩いていると橋の真ん中でずぶ濡れで倒れている少女を見付けた。
装備はなんか軽装備っぽくて腰辺りには鞘をさしている。
剣士かな…?
僕は少女をゆさゆさして起こす。しかし全く起きない。
とりあえず軽く頬を抓ってみる。もちもちしていて大福を触っているみたいだった。
少女の前に座り旗を置くとしばらく繰り返す。
「んん…んぅ…」
寝心地悪そうな影響が出てきたのか少女はそう呻くと目をゆっくりと開ける。
僕の目と少女の目が交差する。
「こ、こんにちは…」
僕は少女に挨拶をする。少女は固まったままだった。
「…。」
固まっているようで手を目の前でふりふりしてみるが動く気配がない。
少し待っても動く気配がないので頬を軽くぺちんと叩いてみる。
「誰なのじゃ?」
「わかんない」
問いかけに対して答えを見つける事は出来ない。
そもそも僕とこの少女は初対面なのだから。
しばらくして数回瞬きをすると少女は現実を認識したのか上を見ながら呟いた
「助けていただきありがとうございます。私の名前はティーナ、以後お見知り置きを…えぇ!?狐ちゃんではないですか!」
少女はティーナという名前らしい。
狐ちゃんはきっとたまちゃんのことを言ってるんだね。もふもふだよね。
「のじゃ?私に何か用なのじゃ?」
たまちゃんが狐ちゃんというワードに反応して少女に問掛ける。
確かにたまちゃんは狐だもんね。
「反応したのは狐ちゃんではなくて妖艶さんの方ですか…でもいいです。」
「どうしたのじゃ?」
たまちゃんは困惑しながらティーナさんに話しかける。
それにしても狐ちゃんとは一体誰なのだろうか…
「狐ちゃん…いや幼狐様、私と一緒に冒険しませんか?」
それは僕の方を向いて言った言葉だった。
僕のこと指してるの?
確かに頭に生える耳と背中に揺れる尻尾は狐っぽいけれども
「ぼく?」
「そうですよ?貴方様です。」
返事はすぐに帰ってきた。
「たまちゃんは?」
僕はたまちゃんに問掛ける。たまちゃんがいいなら僕も一緒に冒険するから。
「私は一緒に冒険してもいいのじゃ。」
僕はたまちゃんの言葉を聞くとティーナさんの言葉に頷いた。
「パーティを招待しますね。」
ティーナさんは何も無い空間をタッチして操作すると僕の元にパーティの勧誘が届いた。
僕は『承諾』を押した。
「ありがとです。やっぱり写真や動画で見るより本物は数十倍可愛らしいです。」
ティーナさんは僕をなでながら嬉しそうにそう呟いた。
写真や動画ってなんのことだ…?
僕はティーナさんに問いかけようとしたけど接触しては行けない世界のような気がしてやめた
しばらく歩くと周りに蓮の浮いた池と中華風の建築系統の天井の見えない塔が現れた。
橋は真っ直ぐこの塔の蓮の浮いた池に繋がっている。
入口のそばには石碑みたいで何やらくるくる回る球体が設置されていた。
「あれセーブポイントですね。」
ティーナさんはそう呟くと橋の真ん中をかけていき刀を抜刀して石碑みたいなものに斬撃を与えた。
キィンという耳障りな音が響き石碑の上で回る球体はくるくると回転して青く輝き出した。
「これでいちいち島の初期位置に戻らなくていいようになります。」
そんな便利なものがあるんだ。
僕を含めて3人、たまちゃんとティーナさんだ。
天井の見えない蓮の浮かぶ池の中心に聳える円錐状の塔の目の前の池の前に立っている。




