第147話 謎が増えた
あの後、私はお姉ちゃんとたまちゃんと別れを告げてダンジョンを脱出しログアウトした。
たまちゃんもいるしお姉ちゃんは危ない人に会わなければ大丈夫だよね。多分。
たまちゃんやお姉ちゃんが隣で座ってるので動き辛かった。
そういえばもうすぐお昼だよって言い忘れた。けどもまたログインして言うのもあれだし。
そのままでいいかな。
私は携帯をもって昼食を食べようと1階に向かおうとした。
「ティロリロリンティロロン」
携帯からオルゴールを鳴らすような音楽が響いた。私の好きな曲を着信音にしているからか聞きなれた曲だった。
探すのに苦労した。誰からかな。
多分、はるちゃんかあとは、のぞちゃん、あきちゃん辺りかな?
今度遊ぶ約束してたし。
私は携帯を付けて画面を見てみると外れていた。
電話をかけてきたのは、
何処で仕事をしているかわからない私たちのお父さんだった。
お父さんから電話なんて珍しい。何時もはメールなのに。そう思いながら電話し返してみる。
「もしもし?」
「ん、桜か。」
昔と変わらない、櫟より少し低い声が耳に届いた。
「桜だよ。お父さん。」
「そうか、そっちは元気でやってるか?」
「やってるけど、うーん…。」
私は悩んだ。たまちゃんと一緒に一緒に寝ているお姉ちゃんをチラッと見る
起きる気配がない。
「どうした?桜、なにか悩んでいるのか?」
確かに悩んでいるけど仕事もわからないお父さんに聞くのはちょっと不安だし。
「お姉…いや…なんでもない…お兄ちゃん」
私はお姉ちゃんには悪いけど教えることにした。お姉ちゃんがまたあんな事にならないように
先に知らせておけばきっと受け入れてもらえる。
「楓の姿のことか、そうか…桜は何も知らなくていい。」
あれ?なんか知っていたような返答をされたのだけど。
そしてなんか悔しそうな感じで言われたような気がした。
「お父さんはお姉ちゃんがああなったことになにか関係しているの?」
私は意を決して問いかけてみる。これでヒントが得られるなら真相に近付けるかもしれないから。
「桜、関係してないといえば嘘になる、が、関係していると言っても嘘になる。」
関係しても嘘になって関係していなくても嘘になる?
どういうこと?どっちにも当てはまらないって…
「どういうこと?」
私の頭の上にははてなマークが浮いている。
「桜にも櫟にもまだ早い。もう少し大人になったら教えてあげるよ。」
大人ってもう十分大人だと思うんだけども
「大人って何時?」
「大人は二十歳だよ。」
確かに二十歳は成人だよね。後5年後…
「あとな、家にお盆に帰ってくるから。」
どうやらお盆に帰ってくるらしい。なんか話しはぐらかされたけど
お盆の時に聞けばいいかな。
私はお父さんとの通話を切った。
ますます謎が増えた様な気がしてとてももどかしい。
お姉ちゃんを起こしたいけどもVRの途中切断は精神の分離で危ないからどうしようもできない。
☆☆☆
私はそのまま階段を降りていき昼食を探す。
お兄ちゃんは何処か遊びに行ったのかいなくなってたしお母さんもいなかった。
「こんにちはなのじゃ、人の子よ」
台所に置かれた椅子に座っている卯月と目が合った。
その人の子って呼び方やめて欲しい。
「わかったのじゃ、なんと呼べば良いのじゃ?」
卯月は首を傾げながら私に問いかける。私は卯月と目を合わせ答えた。
妖怪の目は赤く綺麗で吸い込まれるような感じがする。
お姉ちゃんの目とは別の綺麗さを感じる。
「桜でいいよ。」
「わかったのじゃ。」
「今からお昼ご飯作るけど卯月も食べる?」
そうめんだけど。そうめっていいよね。茹でるだけで作れるから。
「食べるのじゃ。」
どうやら食べるらしい。卯月に見られながら料理するのはちょっと不思議だった。




