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世界  作者:
-2nd- / カエデの邂逅
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第143話 スプラッシュ

桜のいる向こう側を見てみると滝が割れたように流れていてさっきと同じ水しぶきが跳ね返っていた。

つまりは両側にガラスの存在しない道だった。




☆☆☆




こっちにも水飛沫が跳ね返ってきて少し冷たい。元々風が冷たいけども。

さっき通ったあれをまた味わうのか。そっかここ水のダンジョンだもんね。仕方ないよ。

桜は少し滝から後ろに行って先程やったように構えて掻き消えた。

僕の目でも捉えられないあたり相当な速度なのだろう。剣士はみんなあれを使えるとなると背筋が凍る。

ここで2度も見ているけど未だに全く捉えられないしわからないのでさくらにチャットすることにした。

『さくら、あのすきるなに?』

『あのスキル?って?』

桜の返答は早い、きっともう向こう側まで行ったのかな。

『かまえてーしゅんっっていってーきえるの。』

説明が難しすぎる。これで通じるかわからないけど見たままを言っただけだ。

『バーストスマッシュ?』

あの技バーストスマッシュって言うんだ。剣で攻撃を跳ね返す系のスキルかな?

僕の予想は当たっていたようで桜が丁寧に説明してくれた。

『バーストスマッシュ、必須条件はスラッシュ…まあ、うん、剣の初期スキルだね、それを所持していること。動作としては素早く回避して相手の銃弾を切り返す攻撃』

なんか格好いい、アクロバティックっていいよね!僕もそういう系のスキルは欲しい。きっと手に入れられる。

斬撃や物理では希望がほぼないけど魔法の方面ではきっと希望があるのだから

『それよりお姉ちゃん早く来なよ。私は向こうで待ってるよ、綺麗だよ?』

桜はもうついていたらしい、それと何が綺麗なのか気になる。


「あるじー、行くのじゃ。」とたまちゃんが呼んでいる。

僕はたまちゃんの方に行く、滝を見ていたたまちゃんに抱き抱えられた。

そのまま跳躍すると飛沫をあげてたまちゃんは水の中に突っ込んだ。

「え?」

けれども僕の方には水は来なくて涼しい風と滝の落下で出来た霧のような水飛沫しか来なかった。

たまちゃんに抱き抱えられていてこっちによってきた尻尾はくすぐったい。


しばらくするとたまちゃんは1度立ち止まった。水飛沫が飛んでこない。

たまちゃんが尻尾を後ろ側に動かすと僕に聞いてきた。

「あるじ、桜はどこにいるのじゃ?」

僕も周囲を見渡す。確かにさくらはいない。そして向こうの道もない。

ここ行き止まり?困った時は桜に聞いてみるしかない。

僕は再びチャットを開くと桜に質問をチャットに打ち込んだ。

『さくら、さくらのあとをおったけど、さくらいなかったよ?』

しばらく待ったけど桜の返事は来なかった




☆☆☆



しばらくして桜から返事が返ってきた。

『そこから水の中に飛び込むんだよ。飛び込むだけじゃダメージは負わないから大丈夫、落ちれば即死だけど。』

確かに接触だけなら水はダメージを負わない。水没ならダメージ判定になるけど

落ちれば即死って、まあ、この中で落ちると助からないのは見えてるから…

僕は後ろを向いてたまちゃんを見る。たまちゃんの金色の目と僕の目が合った。

「あるじ、飛び込むのじゃ」

一瞬挙動不審、周囲を確認して僕を抱いたまま水の中に飛び込もうとした。

流石に怖いのか僕の勇気が足りなかった。手が震えていてたまちゃんの腕を掴んでいる。

「たまちゃん、ちょっとまって、こわい。」

たまちゃんはしばらく僕と滝を交互に見ると呟いた。本当に怖い。

「あ、あるじは目をつぶっていればすぐに終わるのじゃ」

たまちゃんも動揺しまくっているようでここから全く進まない。

僕も滝を見る。物凄い勢いで水が流れている。ザーザーと大雨を降らすような凄まじい音が聞こえる。滝だから当たり前なんだけども

浴びたら浴びたでダメージ負いそう、首の付け根のあたりに。

僕はたまちゃんと滝を交互に見ると目を瞑った。

こうすれば怖くないはずだ、怖くない、怖くない、怖くない。

タンッと地面を軽くけるような音が僕の耳が捉えた、滝の中なのに嫌にはっきりと聞こえた。凄まじい風が吹き荒れた。

数秒後ガギンッというなにかを引っ掻いたような音が聞こえた。

僕はびっくりして目を開ける。

したを見てみると床に長くガラスが切られたような跡が残っていた。

着地して引っ掻いた時のあとかな?

「あるじ、着いたのじゃ、大丈夫なのじゃ?」

「だいじょうぶだよ」

「お姉ちゃん、たまちゃん、おかえり」

桜は床の端に座って滝を見ていた。落ちたら危ないと思うんだけども。

桜の見ている前には滝の中心が集まった凄まじい渦が見えた。

そして向こう側にも同じような足場が見えた。

上から謎の光が差し込んでいて360度見渡すと水がカーテンのように滝になって流れている。

とりあえず、飛沫と霧が凄い。1層の上位互換。1層の壁もこんなんなってたような気がする。

そして謎のアイテムみたいなもが散らばっていた。ここ本当に洞窟の中なのかな?

一応入る前は洞窟って書いてあったけども床と言い自然現象と言い、疑わしく思えてくるんだけども。




☆☆☆



「お姉ちゃん、綺麗だよね。」

綺麗だけど寒い。僕だけかもしれない、僕に聞いてくる桜は涼しそうだし

僕はこの体になってから温度の感覚がおかしい。

目の前には滝が流れている。水色で下のガラスのマス目がすけて見えている。

よく目を凝らしてみれば魔法陣があった。

水の塔でみたような魔法陣で真ん中に六角形の雪の結晶が描かれている。

氷属性かな?

「あ、お姉ちゃん、気付いた?あれが今回のボスへの入口だよ。」

3層、2層に比べれば短かったけれど、その分、ボスが強い系なのかな?

そうだとしても嫌だ、キングペンギンの冷凍ビームは物凄く痛かったし。もう食らうのはごめんだ。

今度のボスは可愛いのがいいなあ

「でもどうやってあのばしょにとびこむの?」

僕は桜に問いかける、あの魔法陣結構水深深い場所にある気がする。

水の密集地だけあってここは飛び込んだら溺死する可能性もある気がする。

そして謎のアイテムである。

僕は床に散らばっている謎のアイテムを手に取ってみる。

手に取った途端、魔力に反応したのか、結晶が光だした、何処かからガコンッという何かの仕掛けが動く音がした。

「あれ?」

「お姉ちゃん、解いちゃった?」

僕は仕掛けを解こうとしてとったはずなのに解いてしまったようだった。

滝壺を見るとガラスの床が分離していき、魔法陣の場所だけ浮き彫りにして下に収納されていき

魔法陣の上から水がなくなって浮き彫りになった。

これでここのボスに行けるようになったようだった。こんな簡単なギミックでいいの?

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