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世界  作者:
-2nd- / カエデの邂逅
133/175

第132話 アナライズ

そういえばこの水、ダンジョン全域に張り巡らされているのかな?

そうだとしたらそれはそれでとても面倒な仕掛けだと思う。




☆☆☆




以前僕が魔法を打ち出して凍らせた場所まで戻ってきた。

あれから少しは溶けているようで

それでも温度は変わっていなかった。


この先行けばあの分かれ道だったはずだ。

未だに下を見ると水が張っている。


そして曲がり角まで戻ってきた。

「お姉ちゃん、この先行けば新しい道だよ」

そうだね。もう何処行っても新しい道にしか見えないけど。

「ダンジョンは難しいのじゃ」

「お姉ちゃん、たまちゃん、攻略終わったらあえて突き放すからね。」

突き放さなくてもいい気がする。同じギルドなんだし。


桜は僕の白花の傘を片手に新しい道を照らしていく。

ふと何を思ったのか問いかけてきた。

「また私が先に行く?それともお姉ちゃんが行く?」

期待しているような眼差し。

だいたいこういう時はろくなことが起こらない。

その上ダンジョンであるからして

僕に体力でも多分たまちゃんの体力でも危ないものは危ない。

「さくらにまかせるよ」

「そんじゃいってくるね!」

そう言って桜は暗闇の向こうに消えていった。

桜でも危ないのかな?

ここは序盤だと思うしそれほど難しくないはず。

このゲーム多分全てが難しいけれども。


しばらくしてたまちゃんの耳をもふりながら待っていると桜からチャットが送られてきた

『お姉ちゃん、何もいないよ?』

どうやら敵にもトラップにも遭遇しなかったらしい

「たまちゃん、さくらのとこに」

僕はたまちゃんに指示を出す。たまちゃんはすぐに返事を返してくれた。

「ちょっと早くなるけどしっかり捕まってるのじゃ」

僕はたまちゃんの耳を掴むと前を見た。

結構冷たい風が吹き抜けてきた。

ずっと見ていると桜のとこにたどり着いた。

一部屋分はあったはずだけど数秒しかかかってなかった。

視線をしたに向けたまちゃんを見る。

「あるじ、くすぐったいからはなすのじゃ。」

僕はたまちゃんのもふもふした耳から手を離した。

もっと触っていたいけども。

「そもそもお姉ちゃんって動く気がないよね。」

失敬な。床は水張ってるから僕がたまちゃんから降りたら多分溺死すると思う。

数秒は持つかもしれないけど。

「それより向こうの部屋に行こう?」

カンカンと何かが歩く?地面を叩く?ような音がする。

「てきいるんじゃない?」

僕は気になったので桜に質問を投げてみる。

「多分この音からしてグラススライム程度でしょ。」

帰ってきたのはこんな返答だった。

確かにグラススライム程度なら安全なのかもしれない。

安全?いや結構厄介な気もしなくない。




☆☆☆




正直この水さえなくなれば僕は歩けるのに。

そんな考えがよぎる。

ゆっくりと部屋まで歩いていくと、歩いてないけど。

次の部屋は広間だった。

僕の装備の光に照らされて何かが浮いているように見える。

向こう側の端まで見えてなくてとても怖く感じる。

「お姉ちゃん、新しい敵だよ。」

ここスライムとスケルトンとペンギンしか出てこなかったんじゃなかったの?

そんな思いで真正面を見ると

黒い布をかぶった明かりを持った髑髏のようなものが数体浮いていた。

先程のカンカンと床を叩く音は更に向こうの方から聞こえる。

ここじゃないみたいだ。

正直怖い。僕はおばけの類はあまり耐性がない。

「さくら、ぼちみたいなかんじがするんだけど」

「やだなあ、お姉ちゃん、ココちゃんとしたダンジョンだよ。」

いや、スケルトンもそうだけど

これ墓地に出てくる敵なんじゃないの?

そんな会話していると黒い布をかぶった髑髏が何かを撒き散らした。

黒い三角形のようなものを。

幸い此処から髑髏までは結構距離があるのか攻撃も届かないし見えているのは姿だけだった。

「なんなのじゃ?あれは。」

たまちゃんが髑髏に指を指す。

「お姉ちゃん、たまちゃん、気になるなら近付いて確認してくれば?」

桜って時々辛辣だよね。


たまちゃんは考えたような素振りを見せる。

僕の手の元でふわふわした毛並みの獣耳が揺らいでいる。

触りたい衝動に駆られる。桜もきっとうずうずしているのだろうか。

さっきから体が震えている。

たまちゃんの方に手を伸ばしては引っ込めている。


しばらくたまちゃんは考えた後、僕を乗せたまま部屋に向けて一歩を踏み出した。

そして言った。

「あるじ、敵の解析をお願いするのじゃ。」

結構重要な仕事を押し付けられたような気がする。

とはいえ直接目で見ればいいだけだし。

たまちゃんは二歩目を踏み出した。まだ敵の名前が見えない。

「あ、お姉ちゃん、敵の名前が見えない区間は攻撃届かないから、ただしこっちからの攻撃も相手に届かない。」

なるほど。あの敵、動いてないように見える。気のせいかな?

気のせいじゃなければいいけれども


たまちゃんの三歩目、未だに敵の名前が見えない。

もう少しで見えてもいいはずなのに。

それとも場所が悪いのかな?場所は悪くないはず。

なんでこんな考えが思い浮かんだんだよ!

そして相変わらず、あの敵は黒い三角形をばら撒いている。

これ固定だったら厳しい。

ってこのまま行ったらたまちゃんも僕もしんでしまう。

「たまちゃん、ちょっと右にずれて。」

「なるほど、あるじ、わかったのじゃ。」

以外にもたまちゃんもわかっていたようで返答はすぐに帰ってきた。

「なーるほーどねー、確かに死んじゃうもんね。でも大丈夫だよ、お姉ちゃんが死にそうになったら私が助けるから。」

桜は見越していたらしい。性格が悪い。

たまちゃんは右に二歩くらい動くと四歩目を踏み出した。


やっと敵の名前が見えた。

"スカルクリッド・イービル Lv.30"

イービル…?邪悪って意味だよね。悪…闇属性?

とりあえず、僕はさっき見た黒い布をかぶった髑髏がばら撒いている三角形のようなものをイメージしてばらまいてみる。

結構イメージが難しい。下にいるたまちゃんに呼びかけてみる。

「ちょっとあのてきこうげきしてみるからたまちゃん。すきるせいこうしてなかったらぼくのひざかるくたたいて。」

「あるじ、わかったのじゃ」

たまちゃんに視覚は任せることにした。

後ろから声が聞こえてくる。

「仲いいね、お姉ちゃんとたまちゃんと、でも冒険者が視覚を遮断するのは大きな隙になるよ。お姉ちゃんとたまちゃんならそんなこともないのかもしれないけども、多分」

おい最後、不穏な言葉が聞こえたぞ。僕の耳がしっかりと捉えたぞ。

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