第131話 ボックス
しばらくして桜が書き終えたようだった。
『正解です。』という音声と共に緑色の機械は地面に消えていった。
向こう側からカシャンと何かが開くような音が聞こえた。
☆☆☆
「どっちが…あいたんだ…?」
「お姉ちゃん、向こうだよ」と桜は正面を指して言う
とりあえず、端まで行かないと話にならないよね。
僕はたまちゃんのケモ耳をいじりながら周囲を見舞わす。
手にふさふさとした毛並みが感じる。
「あるじ。私のみみもふらなくてもあるじのはあるじのがあるのじゃ」
自分のをもふるってどんな変態プレイ…
「いちゃいちゃしてないでいくよー」
桜はまっすぐ前を進んでいった。たまちゃんもさくらを追いかけてまっすぐいった。
少し動いたら向こう側に空いている道が光に照らされていた。
どうやら階段とか段差とかではなく空いている道だった。
通路と言っても過言ではないのかもしれない。
「お姉ちゃん、たまちゃん、まってて。」
桜は僕達に待っていてというとそのまま進む
しばらくして桜が戻ってきた。
「お姉ちゃん、行き止まりだったよ?」
ゑ、僕は震える声で桜に問い返す。
「いき、ど、ま、り、?」
「うん。」
行き止まりってことはまたあのトラップ部屋引き返さなきゃいけないの?
沈黙した空気があたりを包み桜が破った。
「もどろっか。」
今の状態戻るしかないよね。トラップ部屋通るのは嫌だけど。
ぱしゃんぱしゃんと水の跳ねる音がする。
桜が走って、たまちゃんも走ってるので周囲に水が飛び散る。
あたりは真っ暗闇で怖い。
「歩き辛いのじゃ」とたまちゃんが呟いた。
光に照らされて見える水はたまちゃんの膝くらいまで来ている。
さっきのポーションの時僕の腰くらいまで水が来ていた。
割と温かったから大丈夫なのだろうけどそれはそれで微妙な感じだった。
しばらく、たまちゃんと桜が歩いて戻りトラップ部屋の前までたどり着いた。
ここまでくるにほぼ真っ直ぐだった。
「お姉ちゃん、トラップ部屋の前まで来たよ。」
地面を見ても何も無い。要するに透明床のどれかがトラップになっているのかもしれない。
桜が動いた。トラップ部屋の中に入った。すぐ引き返した。
そして僕達に向けてこういってきた。
「お姉ちゃん、箱があるよ。」
「箱?」
「箱はね、ちょっと便利なアイテムが入っていたりするよ。」
ちょっと便利なアイテムとは攻略用のアイテムだろうか。
それともなにか武器でも入ってるのかな?
確か前回通った時はなかったはず。周囲見渡してないからわからないけど
多分なかったはずだ。
☆☆☆
桜は1歩前に進んだ。玉藻は1歩前に進んだ。
桜は1歩前に進んだ。玉藻も1歩前に進んだ。
桜は1歩前に進んだ。玉藻も1歩前に進んだ。
桜は1歩前に進んだ。カチッ
なんか起動した、桜が凄まじい速度でこっちに戻ってきた。
たまちゃんもびっくりして引き返した。
桜が部屋から出る寸前で強制的に何処かに転移させられた。
え?なにこれ。
数秒後、その場所に桜は何事も無かった様に戻ってきた。
「今回の箱トラップだったね。条件は居合切り。簡単だったよ」
こういう罠もあるあたり本当に抜け目がない。
「次はたまちゃんとお姉ちゃんの番だよ。」
「さくらは、ぼくたちをころしたいの?」
おそらくこのダンジョン、死んだら最初からやり直しだと思う。
その点ではとても面倒な仕様になってるのかもしれない。
「ううん、楽しんでるだけ。」
楽しんでるとしても意地が悪いと思う。
「まあ、うん、いってくるのじゃ」
たまちゃんは僕を背負ったまま動き始めた。
たまちゃんが1歩前に進む。とても慎重な足取りで。
罠がないと確認したのか2歩目を進む。
しばらく止まって気付いたのかたまちゃんは4歩目まで一気に進んだ。
ここまで桜が引っかかった場所だ。
ちょっと聞きたいことがあるので桜にチャットを飛ばす。
『さくら』
『なあに?お姉ちゃん。』
すぐに帰ってきた、そばにいるからかな?
『とらっぷべやのとらっぷっていっかいかぎりなの?』
ここはさっき桜が引っかかった場所だ。
『だんじょんによってちがう。』
何その怖い回答。ダンジョンによって違うなら対処法ないじゃん。
たまちゃん今もまっすぐ警戒しながら進んでいる。
目線が下に行っている。
しばらく地面を見ているとなんか輝く糸みたいなものが見えた。
僕は浮遊を発動させる。
たまちゃんと僕の体が水色の幕に包まれて宙に浮かぶ。
そのまま行けるのではないだろうか。
しばらくふよふよと浮かびたまちゃんと僕は箱にたどり着いた。
「あるじ、箱の中身を開けるのじゃ。」
たまちゃんが箱に接触した。何処かでカチッと音がなった。
この音は罠の動く音かそれとも鍵の開く音か。
どうやら前者だったようで周囲に魔法陣と箱型が多数出現した。
刺々しい牙と青白い舌が見えている。名称を見てみる。
"サイレントミミックLv.100"
レベルが高い。
周りを見渡して数えてみる。光に照らされているのは5匹いた。
「あるじ、どうするのじゃ?」
たまちゃんが問いかけてきた、僕は即座に答えを返した。
「むしのほうしんで」
「わかったのじゃ。」
たまちゃんはミミックを無視して箱の中身を開けた。
☆☆☆
スライムの魔核×2
種類:素材/生核
スライムの核である。様々な利用方法がある。
暗視ポーションx2 Lv.6
種別:ポーション
暗い場所が見えるようになるポーションの様だ
Lv.6:3分間効果が持続する。
蓮の葉x10
種別:素材/植物
蓮の葉っぱ、水に浮かべると足場として使える様になる。
暗視は今の状況では丁度いいけど多分使わない。
蓮の葉っぱはいらなそうに見えて
以外に重要そうなアイテムだと思う。
ここ水のステージだし、僕は対水装備持ってるからいらないけど。
「私が持っておくのじゃ。」
「わかった。」
僕はたまちゃんの言葉に頷く、宝箱開けたのはたまちゃんだもんね。
「それでどっちいくのじゃ?」
うーん。どっち行こうかな。どっちも罠だしさっき召喚された箱がいるし。
『さくら。さいれんとみみっく』
とりあえず、困った時は経験者の知恵。
『お姉ちゃん、罠作動させてたんだね、サイレントミミックは攻撃しない限り襲ってこないよ。』
なんかカウンター系の敵のようだった。
『お姉ちゃんなんかが攻撃したら多分一瞬で終わるから気をつけてね』
レベルの差が酷いもんね。とりあえず、僕はたまちゃんに再び浮遊をかけると再び浮かばせた。
しばらくふよふよ浮いて下を見ながら罠をすり抜けて向こうの入口にたどり着いた。
『ついたよー』
桜にチャットで向こう側に着いたことを知らせる。チャット機能便利だよね。
待っていると凄まじい素早さで桜が走って飛び込んできた。
やっぱりそうしないとこの場所は通り抜けられないんだね。
「お姉ちゃん、ただいま」
「さくら、おかえり。」
後ろが凄い事になってるし水位は桜の腰あたりまで上がっている。
僕が落ちたら多分沈んじゃう。ちっちゃいから。
水中装備は持ってるけど光が消えちゃうからどうしようもないし。
暗視はさっき手に入れたけど別の場所で使うかもしれないから
桜の持っている僕の傘を返してもらったらきっとどうにかなるかもしれないけど。
今もその傘は桜の右手にあって光を発している。
それに先導の桜が光を失ったら桜にとっても暗闇は怖いと思うんだ
「あるじはしっかりとつかまってるのじゃ」
わかってるよ。落ちたら落ちたで多分死ぬもん。
「お姉ちゃん、戻るよ。」
そういえばこの水、ダンジョン全域に張り巡らされているのかな?
そうだとしたらそれはそれでとても面倒な仕掛けだと思う。




