第12話 威嚇
とりあえず、ゲームらしいので楽しみたいと思った。
どんな世界なのか。気になる。
☆☆☆
蝉が鳴き、もう夏だと感じる。
僕は少し暑い気温の中でダラダラと過ごした
何処にも行くわけでもないのに
桜にお下がりを着せられた。
桜は「お姉ちゃん、凄く可愛いよ!」と
言ってくれたが
僕としてはとても恥ずかしいと思った。
それにしても日光が眩しい。
この体になって感覚も鋭くなったような気がする。
☆☆☆
昼過ぎ、僕は櫟の約束を果たすべく
櫟の部屋に向かった。
ひらひらのスカートがはためく
夏だから涼しいが
妹の小さい頃のお下がりを着るのは恥ずかしい。
櫟の部屋の前についた
ドアに手が届かない
ドアに手をかけようとジャンプしていると
櫟がやってきた。
「楓兄ちゃん、何やってるんだ?」
櫟は首を傾げている。心做しか笑っているように見える。
「あ、櫟!扉に手が届かないんだ!」
何回もジャンプしているが本当にドアに手が届かない
幼児の体では背が足りない。
「小さくなったな」
櫟が嘲笑してきた。なんか悔しい。
「ふしゃー」
「おい、それ猫の威嚇じゃね?」
そうだっけ。狼は確か犬科だった気がする。
部屋に入れてくれたので良しとしよう。
☆☆☆
さて、VRMMOだ
だが、僕らは最初の問題に躓いた。
「楓兄ちゃん、獣耳引っ込めれない?」
獣耳である。
「ちょっと頑張ってやってみるね。」
「おう。」
んぐー、頭に力を込める。
獣耳がぱたぱたと揺らいだ。
引っ込む気配がないので方法を変えてみる。
僕はひたすら獣耳が引っ込むイメージをする。
引っ込めー引っ込めー
獣耳は倒れたが引っ込んでくれなかった
「無理みたい。」
「その前にサイズが合わなそうなんだよな。」
確かにそうだ。
僕の体は一般幼児程度なのだから。
頭に被るのにサイズが合わないとなると
どうしようもない。
「VR…できない…?」
僕は目を潤わせて櫟に聞いてみた。




