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世界  作者:
-2nd- / カエデの邂逅
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第128話 エスケープ

「これくらいのかるさならもてるとおもう。」

いや。さっきの弓矢も相当重かったし持てなくはないけど使用出来ないと思う。




☆☆☆




そもそも僕は武器として傘もってるんだけどね。桜の持っている傘を指さす。

「あ、お姉ちゃんの武器。でもお姉ちゃん今借りてるから防御できないでしょ?」

即時結界張れるんだけど、それは防御になりますか?

「とりあえず持ってみてよ。」

桜はしゃがむと王様に献上するように抜き身の刀を献上してきた。

あれ?献上であってるんだっけ?まあいいや。

僕はそれを持ち上げてみる。

重かった。持てなくて落ちた刀は桜と僕の間の地面に突き刺さった。

それはもう綺麗に封印された伝説の剣の様に垂直に


「…。」

「…。」

「…。」

沈黙がその場を支配する。しばらくして沈黙を破ったのは桜だった。

「お姉ちゃん。それじゃ物理使えないんじゃない?」

桜は危なかったことを問いかけてこないのは有難いと思った。

けども物理が使えないと言うのは複雑な心境だ。わかってたけども

アルティマさんの時もそうだった。薄青い金属の剣を渡されたけど持てなかったし。

さっきだって、弓を上手に引けなかった。

今だってそうだ、こんな軽そうな刀ですら持ち上げられなかった。

今まで持てた武器が傘と旗しかないよ!

旗も傘も武器とみなされるものなのかとても怪しいけども。

「だいじょうぶなのじゃ、あるじは私が守るのじゃ。」

たまちゃんだった。たまちゃんは遠距離担当。桜に渡された矢を何本も持っているのだろう。

それはそれで頼もしいと思った。

「お姉ちゃんは守られる側だよね。最後の切り札だよ。」

僕なんかが最後の切り札やっても微妙かと思う。

桜も強いんでしょ?たまちゃんも強いんでしょ?僕の出番ないよ?

ないよね?悲しいけどない方がいい。

誰も倒せない敵とか出てきたら手段的に終わるから


しばらくしてシェルターのところにたどり着いた。シェルターは空いていた。

「お姉ちゃん、ここから新しい道だよ!」

そうだね。新しい道だ。もう何処いっても新しい道のような気がするけども。新しい道はさっきと同じように白い壁で構成されていた。

真っ暗闇だった。光なんてないよね。僕の装備の光が何も無い壁を照らしていく。

桜は真っ直ぐに走っていった。僕達は対照的にゆっくり歩くことにした。


しばらく歩いているとまたホールにたどり着いた。

「お姉ちゃん、またホールだね。」

どうやら敵は湧いていないようだ。こういう場合まともな場合がないから。

注意して歩かなければいけない。


桜は1歩前に進んだ。僕は1歩前に進んだ。玉藻は1歩前に進んだ。

玉藻は何かを察したのか僕を持ち上げると肩に乗っけた。

桜は1歩前に進んだ。玉藻は1歩前に進んだ。

桜は1歩右に進んだ。玉藻も1歩右に進んだ。

桜は1歩前に進んだ。玉藻も1歩前に進んだ。

桜は1歩前に進んだ。僕は玉藻のけもみみをもふった。

玉藻は1歩前に進んだ。

「なにするのじゃ、あるじ。」

怒ってはいないけども擽ったそうだった。僕の耳も触れられるとくすぐったい。

桜は1歩前に進んだ。玉藻は1歩前に進んだ。僕は玉藻の上から見ている。

桜は1歩前に進んだ。玉藻は1歩前に進んだ。僕は玉藻の上から見ている。

桜は1歩前に進んだ。カチッ。

桜は猛ダッシュでたまちゃんと僕の方に逃げてきた。たまちゃんも桜を追っかけて逃げる。

桜は部屋の入口付近で止まった。

「なんで私ばっかり罠に嵌るのよ!」

なんかそれアニメでツンデレキャラがよく言っていそうな口調だよね。

「侵入者排除なのではないのじゃ?」

たまちゃんが桜に疑問をふっかける。その疑問は正直どうかと思う。

「侵入者排除って…私達がであって、私だけじゃないでしょ?」

僕もたまちゃんも桜もダンジョン側からすれば現状、侵入者と言える。

だから桜だけではない。

ちなみにトラップは水位上昇と言うとても地味なトラップだった。

1回凄まじいの食らったから地味とはいえないと思うけれども、でも見てる分には地味だった。

たまちゃんと桜の足元が水に沈んでいる。

もう1度行く。さっきの場所を通って再び桜は探知を始めた。

桜は1歩前に進んだ。玉藻は1歩前に進んだ。

桜は1歩左に進んだ。玉藻は1歩左に進んだ。

桜は1歩前に進んだ。玉藻は1歩前に進んだ。

桜は1歩前に進んだ。カチッ

そのまま剣を構えると猛ダッシュで向こう側に消えていってしまった。たまちゃんは桜を追いかける。

桜が走っている間もカチカチッと音がしていた。

水が弾け飛ぶ。飛沫がこっちに飛んできた。なんかが爆発したようだった。水位が上がる。水位が上がる。

何かが飛んできてたまちゃんの尻尾と装備が青色に染まる。

水の色が真っ赤に染まる。唐突に矢の雨が降ってきたが

たまちゃんがいつの間にか持っていた2本の刀と剣で叩き落としながら進む

カチカチッと音がする。赤色の雨が降ってきて僕とたまちゃんが赤く染まる。

パリンという音が聞こえた。

近くスレスレに氷塊が降ってきた。やっとの事で桜の元にたどり着いた。




☆☆☆




「お姉ちゃん、玉藻さん。ごめん。あと怖い。」

開口一番に桜が謝ってきた。あれは桜が悪いんじゃなくてダンジョンが悪い。

桜がやったのは正行法だと思う。そんな正攻法は嫌だけど。

水位はもう桜の膝くらいまで来ている。なんか一気に上がったような気がする。


「なんなのじゃ?これは。」

たまちゃんは尻尾に着いた青色のなにかに触れる。ぺたぺたしている。

たまちゃんの手が青色に染まる。

視界を移す際に薄水色の髪がところどころ赤色に変色していることに気がついた。

こんな暗闇で赤色してるのは怖いよね!

って言うか赤色の雨降らすって不気味じゃない?


しばらくしてたまちゃんは謎の球体を尻尾の中から取り出した。

「お姉ちゃん、玉藻さん、それペイントボール。用途は悪戯用。」

どうやらいたずらに使うらしい。それにしても厄介なトラップだと思う。

後ろを振り返るとめちゃくちゃになっていた。戻るのとかだったら嫌だ。


しばらくして桜が前に歩き出す。白い壁が両側にある細い道を走っていった。

たまちゃんは再び桜を追いかけて走った。

僕は振り落とされないように。たまちゃんの耳を掴んでいた。

「いたいのじゃ」

しょうがないと思う。桜はグラススライムの前で止まっていた。

どうやら倒したと同時に攻撃されてしまったようで硝子でできた檻に閉じ込められていた。

近くにはガラスのキューブが落ちていた。そしてすぐそこは新しい部屋だった。

「お姉ちゃん、玉藻さん、ちょっとまってて。」

たまちゃんは僕を肩車したまま器用にその場所に座って待った。

僕も囚われた桜を見ている。

結構長い時間待っていると透明なガラスの檻は空気中に溶けるように消えていった。

結構時間長くて敵の集団がいる時とかにやられたら厄介だと思った。

桜は新しい部屋にたどり着く。僕と僕を乗せているたまちゃんも新しい部屋にたどり着いた。

そこは小さな部屋だった。もう半分くらい見えている。

真ん中においてあったのは緑色を主張する1層にあった機械だった。


「誰が押す?」

桜が問いかけてくる。トラップだったら嫌だ。この状態でトラップというのは1番有力だけど。

さっきも浴びたような気がするけども、というか浴びたけども。

「さくらがおしてくれば?」

「私は酷い目に会いたくないのじゃ。」

しばらく迷って渋々、桜は緑色の機械を作動させに行った。

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