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世界  作者:
-2nd- / カエデの邂逅
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第113話 玉藻プラクティス

さて、どうしようか。チュートリアルダンジョンを繰り返すべきだろうか。

たまちゃんならすぐにクリア出来るような気がする。

「さくら、どうする?」

僕は向かいで目が合った桜に問いかけた

「どうするってなにを?」

桜は僕に問い返してきた。

「ちゅーとりあるだんじょんをたまちゃんにこうりゃくさせるかどうか」

僕は思ったことを口に出す。たしかに疑問ではある。

「うーん…」

さくらは悩み始める。スライムの沸く草原の上だった。

しばらくして桜の出した結論は。

「玉藻さんの可能スキルにもよる。」

という提案だった。このゲーム、僕はリアルモジュールだけで終わったんだけど。

ハルさんの説明では誰でも取得出来るらしいし。

「かくにんしなくてもいいんじゃない?」

「なんじゃなんじゃ?」

「確かに誰でも取得はできるけどお姉ちゃんのスキルは論外だから。」

それってどういうことだよ!?私のスキルが論外…

心当たりはあった。いや凄くあった。

意地の悪い思いを抱きながら僕はたまちゃんの尻尾から降りると

地面に向かって片手に火を纏わせ打ってみた。

あの時の炎版だ。僕を中心に地面が削れ赤色のドームが出来上がった。

周囲に瓦礫が飛び散る。凄まじい風と衝撃が襲ってくる。

僕は爆風で空中に吹き飛んだ。どうやら吹き飛んだだけでダメージはくらっていないようだ。

自分の攻撃でダメージは喰らわないようになっているのかな?

薄水色の髪が視界に映る、はためく三角の旗が目に映る。

帽子は落ちなかった。見えない固定でもされているのかな?


僕は落下ダメージを受けない様に自身に浮遊魔法を使う。

青い光をまとってすぐにふわふわと僕の小さな体は浮き始めた。

空中で中心を見るが煙が晴れてないので何も見えない。

きっと桜はあの中にいるのだろう。

僕はフレンドチャットを選ぶと桜にチャットを送った。

『さくら、いきてる?』

『お姉ちゃん、こういうことが論外なんだよ。たまちゃんいなかったらPKになってたよ。』

確かにそうだ、桜を殺ってPKなんて笑えない。どうやら生きているらしい。

しばらくすると煙の中からたまちゃんとたまちゃんの尻尾に包まれた桜が出てきた。

地面は広範囲に渡って球体型に抉れていて周りは敵1匹いなかった

スライムには悪いことをしたけど生き返るなら別にいいよね。

『そこかわれええええ。』

『いやだ』

拒否された。依存されると問題なんだよ。

『なんじゃ?かえでちゃんもこのなかにはいりたいのか?』

『はいりたいよ!』

もふもふのなかにはいらせてよ!そこは僕の部屋だ!僕のじゃないけど!

『お姉ちゃん、大人気ないよ。』

『おとなげないっていうかぼくいまこどもなんだけど。』

『そうだった。』

そうだったじゃないよ、何その白々しい反応は。今の僕はどうせ幼女だよ。

ぷにぷにの柔らかそうな小さな手足と、桜の腰ほどもないちっちゃな幼女だよ。

なんか桜に遠回しに煽られたような気がする。

『それでどうするのじゃ?』

『1回水の島まで行くよ、このまま逃げるよ。お姉ちゃんも尻尾の中入って。』

どうやらこのまま逃げるついでに水の島まで行くらしい。

僕はさくらに言われるがまま、たまちゃんの尻尾の中に入った。

立ち去り際に人々の声が聞こえた。

「こんなことするのは狐幼女ちゃんくらいか?」

「さっき集落にいたもんな。」

もう既に僕が超火力で地面を抉ったことバレているような気がする。




☆☆☆




少し離れた草原で僕達は立ち止まる。斜め上には水の降る島が見えている。

「えー、お姉ちゃんが魔法使うとあれが通常攻撃なので私が教えます。」

桜酷い!一応加減して打つことくらいはできるのに。

「かえでちゃんは高威力使いなのじゃ?」

やってることは間違ってはいないけど事象は物凄く間違ってる。

でも今までの行動が行動で全く否定出来ない。

「お姉ちゃんはああいう攻撃しかできません。」

「だうと」

「お姉ちゃん、私嘘言ってないんだけど。」

いや本当に今のはダウト、

僕だって通常攻撃並みに手加減して攻撃することは出来るよ。

「ダウトとはどういう意味なのじゃ?」

「うそつきっていみだよ。」

間違ってはいないと思う、トランプで騙しを見破った時とかに使う言葉だから。


桜は手を開き目を瞑って念じると手のひらの上に焔の球体を生成した。

「こういう風に魔法ができるわけです。」

まずは初級魔法ファイアボールからである。

僕も桜の真似をして目を瞑って左の手のひらに焔の球体を作って浮かせてみる。

「お姉ちゃんが、ファイアボール出来ただと!?」

桜の驚愕する声が聞こえた、嫌にわざとらしい。

いやもう本気で怒ってもいいかな?一応警告は出しておこう。

無視されたら怒る。さっきのあれを直に食らわせる。

「さくら、さすがにおこるよ」

僕は桜に警告を促した。本当はリスポーンさせたくないし怒りたくもないけど。

「うん、ごめん。」

ちゃんと謝ってくれた。いい子だ。撫でたいけど届かない。

「玉藻生徒、聞いてますか?」

「つまりはこういうことなのじゃろう?」

たまちゃんも僕や桜の真似して目を瞑った。

右手を突き出す。なにかがうずをまいている。風みたいなのが集まってくる。

赤くなっていき、太陽のような表現の焔の球体がたまちゃんの手の上にあった。

「つまりはこういうことなのじゃ。」

話をちゃんと聞いていたらしい。凄いと思う。

「玉藻生徒。お見事だと思います。」

「桜先生、楓先生、ありがとうなのじゃ。」

なにこれ


僕達3人は同時にファイアボールという名の焔の球を消した。

次に桜はたまちゃんに剣を持たせてみた。

たまちゃんは軽々とその剣を持ち上げて構えた。

アルティマさんから貰ったのかな?

僕が持つことすら出来なかった薄青色を帯びた刃の剣に凄く似ているんだけど。

桜も剣を抜いている。

「PVPはしないからたまちゃんは私を殺しちゃだめだよ。」

「わかったのじゃ。」

2人ともに正反対の位置に付くと地面をけって互いに剣を打ち合った。

カンカンカンカン、と音が響く。

よく見ると桜はあらゆる方向からたまちゃんを切りつけようとしている。

初心者相手にそれはないと思う。

たまちゃんは何時持ち替えたのか片手で桜の攻撃に対応している。

たまちゃんは攻撃を一切していない、剣を弾いているだけだ。

「人の子よ、ぬるいのじゃ。」

「玉藻さん、これゲームだよ!?」

VRゲームである。剣の姫としての桜の悲痛な叫びが聞こえたような気がする。

「そうじゃったな。」

「もう終わりでいいよ …ね」

たまちゃんは剣を地面に突き立てた。

桜は鞘に剣を戻すとたまちゃんの方に薄青色に光る剣を取りに行った。


「お姉ちゃん。玉藻さんってこの世界でもソロで十分やっていけると思う。」

いやそれは無い。と思えない。今の戦闘を見て本当にやれそうだったのから

実はたまちゃんって本当は物凄く強いのでは?

「お姉ちゃんもソロで十分やって行けるよ…」

「さくらもつよいとおもうよ…」

「私は無理だよ…」

僕はソロでやっていけないと思う。色々と問題抱えてるから。

なんか桜が凄く項垂れている、もう何もやる気がないような感じだ。

桜は本気で打ち合ってたのかな?


「楓、桜、次は何をするのじゃ?」

たまちゃんが思い出したように僕達に問いかけてきた。

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