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番外編 特別番組 歴史 THE TVワイドショー! ~戦国一ミステリアスな男!?職人天野宗助に迫る! ~ 其の一

番組風で後世で天野宗助がどう見られているかシリーズの一つです。

その一とあるので続きますがタイトルの違うものも増えます。


〇月×日(▽) 19:00 ある番組がスタートする。


和風なBGMと共に和柄な映像が流れ番組のOPがスタートする。


≪本日の歴史 THE TVワイドショーは…!≫

≪戦国武将の大河ドラマにて必ず作品が登場!あの月ヶ原義晴が惚れ込んだ職人!しかし謎が多い男でもある…天野宗助を二時間使って徹底解剖!!≫

≪天野宗助の意外な人脈や特技、あの作品も実は天野宗助の手によって作られていたものだった!?≫


[歴史 THE TVワイドショー!! ~戦国一ミステリアスな男!?職人天野宗助に迫る! ~二時間スペシャル!!]


拍手と共にスタジオへ映像は変わり出演人と司会の二人が映された。


『司会 森山憲三郎』

『アナウンサー 水島ミチル』


「さぁ始まりました!歴史 THE TVワイドショー!!司会はいつもの私、森山憲三郎と!」

「○○局アナウンサー 水島ミチルの二人がお送りします!!今夜は戦国一ミステリアスな職人!天野宗助を二時間たっぷりでお送りします!!」

「今回のゲストは歴史好きなアイドルに芸能界一歴史オタクやその他もいますから大論争になりそうです!」

「名前!!紹介ちゃんとしてや森山さん!」


ハハハハハ!とスタッフの声が響く中出演人のテロップが入る。


『歴史大好きアイドル クリーミーキャンディーズ 桃山 小夏』

『芸能界一歴史オタク 俳優 大沢 亨』

『芸人 鰐川 将』

『タレント 南田 楓』

『女優 穂波 和子』

『歴史研究家 柳田 潔』


「さて皆さんは天野宗助はご存じですか?」

「俺は大河ドラマ見てるとよくこの人の作品も名前もよく出るなぁってくらいですけど…嘘やろこれ!みたいなことしてますよね、作品が」


芸人 鰐川の言葉に知識がある者は確かにそうだと笑いながら頷く中で次に指名された南田ははい!と元気に声を上げる。


「私は戦国ゲームをよくするんですけど…天野宗助の作品すごい強いんですよね!」

「ゲームかい!」

「だって刃龍とか≪戦国天下≫だと最強ですよ!!龍がでるんですよ!」


南田の言葉に柳田は面白そうに笑いながら確かに刃龍は切れ味もいいが何より龍の宿っている刀として有名で月ヶ原義晴は龍がいると信じていたと補足する。

それにスタジオの観客はへぇと声を漏らす中で女優の穂波が刃龍といえば私が出演した大河で出てきた夏日向も凄かったとこぼす。


「あぁそういえば穂波さんは黄奈姫を演じていましたね!」

「えぇ、役の為に勉強で博物館に見に行った時の実物は小さな太陽があるみたいに光があったわ」


懐かしいと思い出に浸る穂波に柳田は四季姫も多くのドラマに出ているほど逸話があると補足をする。

そう語る柳田に鰐川は竜胆の君も今ドラマのシリーズで有名ですよねと語り掛け柳田は頷いた。


「さて話は尽きませんがどんな人物なのかを見ていきましょう!」


ここで映像が始まり下に仙人のようなキャラクターが現れて巻物を広げ、こちらへ見せる。


≪天野宗助は戦国の時代にて多くの作品を残した職人である≫

≪清条国にて暮らしておりそこで作品達を生み出した…その作品達は不思議な力を持ち、作品を手にした者達に多くの幸せや人生を変えたという逸話が多く残っている≫

≪月ヶ原義晴はその一人であり天野宗助を大変気に入り足繁く彼の元へ通っていたという記録が多く存在する≫


映像は天野宗助であろう人物が刀を打っている姿が流れておりその背景をバックに地図や月ヶ原義晴の肖像画が出される。


≪しかしこの天野宗助には多くの謎が存在する≫

≪本日はその謎を一つずつ見ていこう≫


[一、出生地、年齢]


≪天野宗助は清条国の楚那村にある火牟呂山…現在は星落ノ山にて活動をしていたが…彼はこの村の出身ではない≫

≪天野宗助を調べた者がまとめた書簡によると天野宗助は村の者に怪我をしている所を拾われ…その頃から天野と名乗っていたという…また年も曖昧であり村の子供…のちの地守太郎助と同年代に見えたことから本人も同い年であろうといったと記録がある≫

≪そうここで謎が出てくる≫


様々な書簡や資料の画像、着物を着た子供等が出て解説される中『謎』と大きな文字が出る。

ワイプに映るタレント達もうなずきながら画面を見ている。


≪天野宗助はどこから来たのか、そして何故年齢を言わなかったのかだ≫

≪蘭学や漢方薬の知識、またオランダや中国語も話せ字もかけたという天野宗助がなぜ年を曖昧に覚えていたのか、ということだ≫

≪歴史研究家で天野宗助の作品や天野宗助の歴史を専門に研究する浩岳(こうがく)大学教授の小山 照子さんに聞いたところ驚くべきことが判明する≫


女性が映し出され女性は多くの資料を手にして口を開く。


「天野宗助の出自は今でも不明な点が多いですが月ヶ原義晴は何処かの家のご落胤ではと考えていました、しかし現代の研究により判明したのですが天野という名字の家は当時日本に存在していなかったそうなのです」


ここでスタジオに一瞬戻り鰐川のえぇ!?という顔が抜かれる。

司会者の森山はほう!とメモをするように片方の手をしきりに動かしていた。


≪なんと天野家は彼がいた時代にはなかったのだ、では何故天野と名乗ったのか…≫


「恐らく月ヶ原義晴の推測通り何処かの家のご落胤であり村人に保護された際に傷だらけであったことから自身の家の内乱に巻き込まれ敵に見つからないようにするために偽の名字を名乗った可能性が大きいです…また戦を嫌っており世捨て人のように山で暮らしていたという記録もありますので隠れていたのではという説があります」


≪そう天野の姓は偽のもので本来は何処かの家のご落胤であったが逃げた先で楚那村の者に保護されて偽の姓…天野宗助を名乗ったというのだ≫


子供が何かから逃げる映像が流れるとまたも小山照子の画面に戻る。

≪しかしまたもここで小山さんから衝撃的なことが告げられる≫



「といった説が一番現実的な説です」

「現実的…?」

「えぇ、実は彼は仙人ではないかという説があるのです」


≪なんと人ではなかったという説が出ていた、普通ならあり得ないだろうが何故そんな説が出たのだろうか?≫

≪この説の事も小山さんは話してくれた≫


「天野宗助の天野という名字は天の野原、つまり天の国にある野原の生まれという意味ではないかという考えに至った者がいます、それは鐘角(しょうか)という唐の商人の護衛として日本に来た役人が残した書に書かれています」


≪この書曰く天野宗助は年の割にはかなり若々しい見た目であり、優れた知識と技術を持つ男であった、また天野の字から天の国つまり仙人の国から来たものではないのかと考察して本人に聞いたが笑って流されたという事が記されている≫

≪つまり天野宗助は老いを感じさせない容姿をしていたということ、また仙人かの質問に否定も肯定もしなかったのだという≫


当時の中国の服らしき服を着た男に何か聞かれ若い男が笑っている映像が流れる。

おそらくこの二人は鐘角と天野宗助であろう人物だ。

スタジオの面々も神妙な顔つきで見ている中で歴史研究家だけはうんうんと頷くように首を動かしながら見ていた。


≪この鐘角の書以外にも複数の人物が彼の容姿について書かれている≫


≪ある日、小春姫の息子で義晴の甥になる吉野公丸は当時は約30歳を超えるはずの天野宗助に会った際に同い年に見えたので本人が天野宗助の息子かと思った≫

≪同年に天野宗助が作った作品を持ち清条国の城に行った際に若武者が年若い新人の小姓だろうと働き場へ案内しようとして重鎮に頭を殴られ叱られるなどのこともあった≫


少年に近い青年が笑顔で何かを言い天野宗助であろう人物が困惑した表情を見せたり、青年が天野宗助であろう人物に気さくに声をかけるが後ろから年老いた男に殴られ、天野宗助であろう人物はやめてやれというように青年の前に立って守っている映像が流れる。


≪他にも多くの武将や姫、商人等の記録からかなり若い容姿であると書かれている≫

≪しかし若い容姿と裏腹に力は強い方であったらしく月ヶ原義晴を抱えて山を下りることが出来たり、猿のようにひょいひょいと木や岩を飛んで登ったり等身体能力は高かったそうだ≫


スタジオからもへぇと声が上がる中で俳優の大沢は以前出演した大河ドラマで月ヶ原義晴の城に泊まることになった天野宗助が部屋が立派すぎて眠れないと木の上や屋根の上で寝ようとする珍騒動なシーンがあったことを思い出した。

そのシーンは天野宗助がひょいひょいと屋根まで駆け上る姿に彼が演じる陸奥川鼓太郎が一体何者なのだあの人はとあんぐりと口を開けてみているというものである。


≪また彼が住む地がかなり清廉な地であると当時の穀菜寺の僧侶 夕箔僧侶は書を残している、その書曰く天野宗助が住む土地は清らかな水や土、彼が使う火は聖なるものでありまさに穢れのない土地であると書かれている≫

≪仙人は穢れを嫌うため彼が浄化していたのかそもそも清らかな土地を狙って天野宗助はその山に住んだのかは今なお推測でも不明とされている≫


ここでスタジオに画面は戻った。

すげぇ…と反応する鰐川の顔から司会者である二人にカメラは戻ると水島が原稿を手に補足する。


「また補足ですが天野宗助が住んでいた山には天野宗助が住み始める数十年前に隕石が落ちたことが記録に残っています、又その隕石で星刀剣シリーズと呼ばれる≪星海宗助≫≪流星宗助≫≪昴星≫が作られています」

「じゃあその隕石目当てで天野宗助がその山に来たってことなんですか?」


そう南田が聞けば桃山が違うと訂正した。


「いえ、諸説はありますけど一番有力と言われてるのが天野宗助が戦を嫌っているので世捨て人の様に山で見つかりにくく暮らそうとしたという説なんです、でも月ヶ原義晴に見つかった事で彼は世に作品が知れ渡る事になるんですよ」


桃山の定説に柳田もその通りと頷きさらに続く。


「彼が戦を敬遠しているという記録が義晴だけでなくその家臣や清条国の商人、他にも親交のある人達の残した書簡や日誌で記されているんですよ、何より天野宗助の幼馴染にあたる地守 太郎助の残した記録には戦に巻き込まれるのは嫌だと発言していたと記録にあるんです」

「多くの歴史学者の書にもそれが一番有力だとありますから間違いないでしょう」


大沢も多くのドラマで見た天野宗助は様々な性格をしていたが皆戦嫌いだったなぁと言えばそれが共通になっていると柳田は笑みを浮かべながら返した。


話が盛り上がって来たがそろそろ次へとADが森山にカンペを出すのでもう少し聞いていたかった森山は少し残念に思いつつも次へ進めた。


「さぁ次は作品達に関する謎です…それではCMの後に!」





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― 新着の感想 ―
[気になる点] ひまわりは北米原産で日本に伝わったのは1660年代で戦国時代後のようですよ。 パラレルワールドなのでいいんですが。 [一言] 主人公の作品が毎回不思議な現象を見せているのが面白いと思い…
[一言] 誤字報告になります。 「足蹴なく」という表現は存在しないので、これは「足繁く」の間違いかと思われます。 ちなみに「足蹴く」ですと『ひどい仕打ちをする』という意味になってしまいます。
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