表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/12

スカベンジャー

優雅達はジープで市街地まで移動した。


散乱する腐肉。

アスファルトに染み込む血液。


パサパサに乾いた血だらけの軍装。

それを着ている少し肉がついた遺体。


この中東の一国で、一体何があったのか。


惨劇を物語るその風景を見て、

優雅は漠然とつっ立っていた。


優雅が口を開く。


「生物兵器……」


エリックが、急に優雅の顔に目出し(バラクラバ)を被せた。


「ここらへんは危険なんです、気を付けてください。こんなものでは心の足しくらいにしかなりませんが……」


「ありがとう」


優雅は、エリックが被せてくれた目出し帽を自分の見やすいようにずらす。


すると、目の前に7歳程の、

裸の少年が……


少年が構えるライフルはAK47Ⅲ……?

いや、56式歩槍だ。


56式は、ロシア製ライフルの中国コピーで、一見すると全く見分けがつかない。


優雅は持ち前の視力でその刻印を見切った。


その瞬間、

エリックがアサルトライフルを構え引き金に指をかける。


「待って!」


優雅が声を上げるも、遅かった。


エリックの指が完全に曲がると共に、閃光と銃声が鳴り響く。


裸の少年は糸を切られた操り人形のように崩れる。


「彼はアメリカに雇われた少年兵です」


「私がやらなければ私達は死んでいた。それが軍人としての私の義務だ。彼がもし銃を構えなければ、私は撃てなかった 」


「申し訳ない、ですが慣れてください。アメリカは私達ソ連が国際社会での批判を恐れ子供を撃てないと思い、少年兵を雇っているのです。」


「これは……そんな祖国から請け負った、汚れ仕事(ウェットワーク)だ。私達にしかできないんです」


そう、エリックが熱く語る。

すると、後ろで少年兵に銃を構えていたエゴールが騒ぎ出した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ