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三話:転校生の歓迎会

血のように赤い空間で血だらけの男が自分に何かを話し掛けてくる・・・血だらけの男は赤い地面からから這い出るように何人も出てくる、そして彼等は口々に言う。

「思い出せ」「思い出すね」「おもいだせ」「おもいだすな」「オモイダセ」「オモイダスナ」と何度も何度も何度も繰り返す。

そして次の瞬間灰色の炎が現れ血だらけの男達を一掃する、全てが燃え尽きた赤い空間に一人残される青年、だが次の瞬間炎が一箇所に集まり人の形を成していく。

炎は血だらけの男と同じ姿をしているがまったくの別物のように感じられた。

不意に炎が口を開く

「■■■・・・お前の信じた道を行け」

その言葉が終わった瞬間目の前が青白い光に包まれる・・・。




「はぁはぁ・・・今回の悪夢はハードすぎるぜ・・・。」

そして枕下に置いてあったタオルで額に滲んだ汗を拭く、

「少し・・・頭を冷やすとするか・・・時間は・・・AM5:12か・・・。」

成二は病室から出て屋上に上がっていった。

屋上に上がると詩歌が朝日を浴びて輝いていた。

不覚にも成二はその姿に見とれてしまった。

艶やかに光るショートの黒髪が早朝の病院に吹く風でなびく、成二は無意識のうちに詩歌の背後に立っていた。

「良い風だな・・・。」

不意に背後から聞こえた声に詩歌は少し驚いたが

「うん」

と答えた。

心地よい風が二人を包み込む

「成二君は何でこんなに早く起きたの?」

「嫌な夢見ちまったから」

と恥ずかしそうに答えた。

「どんな夢?」

「上手くいえないんだけど・・・夢の中の俺は違う名前で呼ばれていて・・・いつも必ず俺の前には血だらけの男がいるんだ、その時の俺はいつも小さい頃の姿なんだけど・・・今日の夢はいつもと違ったんだ。俺の姿が現実のままでその血だらけの男が地面から何人も何人も這い出てくるんだ。そいつ等は口々に何か言っているんだ。その後はあまり覚えてないな」

「どんな名前?」

「夢の中で言われたことは全て忘れちゃうんだ・・・だから名前も分からないんだ」

「そっか・・・ねぇ成二君・・・成二君は魔法って信じる?」

いきなり不可思議な事を言い出した詩歌に驚きつつ気を取り直して答えた。

「信じられないと一言では言えないかな・・・でも俺は見たものしか信じない性質たちだから信じられないかな」

その言葉を聞いた詩歌は少し悲しそうな顔をして

「そうだよね」

と呟いた。

二人を屋上の冷風が包む

「はくしょんっ!!」

と豪快にくしゃみをした成二が詩歌に

「体か冷えるといけないからそろそろ戻ろうぜ」

と言って二人は病室へ帰っていった。

病室に帰ると五月と健司の二人が笑みを浮かべながら立っていた。

―――何笑ってんだ?―――

と思いつつベットに戻ろうとすると

「言ったよね?詩歌に何かしたら殺すって」

「ん?言ったかそんなこと?というより何もしてないんだが・・・。」

「成二・・・骨くらいは拾ってやるからな」

すると健司は詩歌を連れてベットから離れる。

佐山流剣術さやまりゅうけんじゅつさんかた疾風はやてっ!!」

と五月は言い放つと同時にまたもや何処から取り出したのか分からない竹刀で成二を叩き始めた。

一発一発は大した威力ではなかったが切り返しが恐ろしいほど早かった。

一発喰らう衝撃が来る前にもう一発くらい何処に早すぎて何処を攻撃されるかも分からず金剛でも防御が出来なかった。

「ちょ・・・シャレになってなっ!!ぎゃあああああっ!!」

と成二の断末魔が当たりに響いたのは言うまでもなかった。

処刑が終わってから三分後健司は詩歌から詳しく話を聞いていた。

「って事は・・・屋上で偶然あって少し話しただけだったのか?」

「うん・・・言うのが遅くなってごめんなさい」

「別に良いって」

「良く・・・ねぇ・・・。」

ベットの上でゴミとなっていた成二がうめき・・・意識を失う

「五月もすぐに人を叩いたら駄目だよ?」

「すまない、私も少し朝だからテンションが上がってしまっていた。」

「普通は夜に上がらないかな?」

「それよりこの生ゴミどうする?」

と健司が成二を指差して二人に問う。

「ほおって置いたら生き返るんじゃないか?」

「駄目だよっ!!しっかり看病しなきゃ・・・。」

「気にすんな詩歌ちゃん・・・後二十秒で蘇る」

そして健司は時計を指差す、針が二十秒、十九秒・・・と進み二秒、一秒、零となったところで

「うあっ!!・・・い、生きてる・・・。」

と成二が起き上がった。

「ほらな?」

その言葉を聞いて二人は苦笑する、成二は訳が分からないという様子で首を傾げていた。

「さてと・・・じゃあ退院の手続きでもしてくる」

健司の言葉を聞いて詩歌と五月は目を丸くした。

「おう、こっちは荷物でも整理しとくぜ」

自然に切り返す成二

「退院って・・・何かの冗談だよね?」

「なんで」

「だって五月の剣術を金属バットでもろにくらったんだよ?」

「これくらいの傷なら寝れば治るさ・・・それよりお前らも荷物まとめとけよ」

喋りながらベットを畳んでいく成二

「本当に頑丈なんだね」

「健康第一だからな」

「ここまでくると・・・化け物では?」

と五月は一人呟いていた。




退院を済ませた成二はそのまま家に帰ろうとしたところを健司に捕まる。

「何すんだよ」

「良いではないか良いではないか」

「何がだボケっ!!」

そして詩歌と五月の手も引っ張り出して

「これから転校生の歓迎会としゃれ込もうぜっ!!」

「わ、私これから学校へ行かないと・・・。」

「詩歌ちゃん・・・学校は皆で行ってこそ楽しいものなんだよ・・・成二と五月ちゃんは三日間謹慎処分で明後日まで学校に行けないしさ、今日くらい良いじゃん」

半ば無理矢理詩歌を言いくるめるとやはり反論してきたのは五月だった

「詩歌はお前達のように育ったら駄目だっ!!学校にはなんとしてでも行かせなければ駄目なのだっ!!」

「でも五月ちゃん、自己紹介で言った様に詩歌ちゃんの護衛なんだろ?護衛は近くにいないと駄目じゃないかな?」

こうして五月は何も言えなくなり成二は呆然としたまま引っ張られていった。

最初に連れて行かれた場所はゲームセンターだった。

成二と五月がシューティングゲームで互いの絶技を見せ合っている中で健司は詩歌ちゃんのユーフォーキャッチャーの才能に驚かされていた。

詩歌の取った人形が健司の腕に収まりきらなくなったところで四人はボーリングへ向かった。

詩歌はボーリングがあまり得意ではないらしく殆どスコアにはガーターが並んでいた。

そして四人は昼休を挟んでカラオケへ向かった、カラオケでは成二の歌う曲が演歌ばかりだったので三人は苦笑しながら聞いていた。健司は以外にもアニソンと呼ばれるものが好きらしく熱唱している健司の領域には、誰も立ち入ることが出来なかった。そして最後に詩歌と五月のデュエットで締めて四人はカラオケボックスを後にした。

その頃には日がすっかり落ちていた。

「じゃあ後は夕飯食ったら解散にするか」

そして四人は近くにあるレストランへ向かって行った。

数百メートルほど歩いたところで成二は五月の耳元で呟く

「気付いてるな?」

「ああ・・・人数は十数人ってところだな」

「このまま見逃してくれればいいんだがな」

「それはないだろうな・・・奴らはそんなに甘くない」

「奴ら?知ってるのか?」

「知ってる・・・だが言えない」

「そうか・・・だがヤバイ奴らなんだな?」

コクリと頷く五月

「五月一気に決めるぞ」

「ああ・・・三、二、一・・・行くぞっ!!」

その言葉を合図に成二と五月は後方に走っていった。

とりあえず目に見える敵は五人で懐から何か黒光りするものを出そうとしている

「銃まで持ってんのかよ・・・だが襲うんだったら出しとくんだったな」

と言い放ち成二は五人の黒光りしているもののある懐を蹴った。

五人は拳銃という鉄の塊がめり込み後ろへ吹っ飛んだ。

一方五月は木刀を何処からか出し相手の手の甲の部分を的確に叩いていく、グシャという嫌な音を立てながら潰れる手は爪が剥がれ指がイケナイ方向に曲がっていた。

そして数分後相手は誰一人として立っていなかった、用事が住んで急いで二人の所に戻ると三人の先ほどと同じ様な男が苦悶の表情を浮かべて横たわっていた。その回りには拳銃と思われる部品が散らばっていた。

「危ないぜ二人ともか弱い詩歌ちゃんと俺を置き去りにするなんて」

「か弱いって・・・何でもそのものの構造を理解して壊しちまうことが出来てしかも一晩で族を潰した喧嘩馬鹿な奴の言うことかそれ?」

「酷い言いようっだな・・・俺はせっかく合コンで知り合った女の子を横から取ろうとした族の頭にむしゃくしゃして潰しただけだぞ?」

「あーそーかいそーかい」

「ところでこいつら誰?」

「しらね」

「じゃあ放置で良いよな?」

「良いんじゃないか?」

いまいち二人の乗りに着いていけない詩歌と五月だったが成二と健司がそのまま進んでいったので急いであとを付いて行った。

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