マイティー学園動乱紀1
体育祭
教育機関、または地域の団体で行う運動を目的とした祭典。
「だから決して、死人は出さないように」
これが理事長マイティーからの唯一のお達しだった。
マイティー学園高等部では近日、体育祭が企画されていた。その為の委員会会議が終わると、生徒会長である竜太は会員のみ部屋に残るように告げる。
「なに、リーダー。俺もう帰りたいんだけど」
「晴人は会議中もずっと寝てただろ!」
「議題、なんか他にあったっけ」
臨斗が資料をぱらぱらと捲る。竜太は他の生徒が居なくなったのを確認してから話し始めた。
「いやまぁ…非常に申し上げにくいんですがね」
「え?リーダーが変態だって?」
「皆知ってる」
「いや違う!違わないけど違う!!」
「なんだよ竜太ー、もったいぶんなよ」
竜太は一つ咳払いをした。
「聖マイティーに挨拶に行かなきゃいけない」
「「「「お疲れ様でしたーーー!!!」」」」
「え!ちょっ、待ってよ!!」
部屋を出て行こうとする四人を、竜太はなんとか引き止める。
「俺はパス」
「そう言うなって!な?」
「ごめんな、竜太。俺あの人達苦手なんだわ」
「苦手って言うかきらーい」
「てか怖い」
「そんなぁ…」
頼みの綱の心海にまで断られ、竜太は途方に暮れてしまう。
「皆が行かなきゃ俺、一人で行くことになるんだけど…」
「ファイト」
「リーダーならやれるよ」
「ていうかこれは俺じゃなくて理事長が決めたことなんだけど」
「「「「え!?」」」」
理事長の単語に明らかに同様する四人。それもそのはず、理事長マイティーはこの学園を一代で築き上げた実力者であり、生徒なら誰でも一目置いている存在だ。
「…行くしかないだろ」
恭介が折れたのを皮切りに、他の三人も力なく頷いた。
始まります!!!