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黒き魔術は死の証  作者: 蛍火凪乃
CHAPTER1 偶然だって運命です
3/10

act1‐1 進展にはベタなことも必要です

 いくら俺が不老になったところで、高校生であることに変わりない。


 まあ、親の心配を払拭するためには大学を卒業するまでは大人しくするつもりだ。


 もちろん、俺が大人しくしていようともクレゼールさんも大人しくするつもりがないのも事実だ。


 まずは、地球での住居の確保もとい俺の部屋に居候を図った。


 結果から言うと、彼女には新たな部屋が宛がわれた。


***


「母さん。家に居候したいって人がいるんだけど?」


 クレゼールさんの魔法陣で家に帰ってきた俺は、学校に遅刻する覚悟を決めて母親に提言した。


「なによ、それ?」


 当然というか必然的な反応が返ってくる。


「かの有名な、晩御飯を求めて突撃する企画のホームステイバージョンみたいな? テレビ取材はないけど」


 因みに今、クレゼールさんは不在。交渉は俺だけで行う。


「男の子? 女の子?」


「女だけど・・・」


 子供と呼べる年齢かどうかは別だ。教えてくれるかわからないし、自ら聞きたくはない。


「その子、困っているの?」


「いや、そこまで」


 事実、転移魔法があるから、そこまで食い下がるつもりはない。


「なら問題ないわね。その子が来るまでに陽奈の隣の部屋を掃除しておきなさい。それと、必要なものにはお金出すから、ちゃんと言いなさいよ」


「わかった。ありがとう」


 そんなこんなで、クレゼールさんの居候が決まった。


 誤解がないように訂正しておくと、母さんが言った『問題』とは、母さん自身が動くか動かないかの話で、悪徳があれば切り捨てるつもりだったということではない。


 両親はあくまで放任主義だ。


 こうもあっさりと決まるとは思っていなかったから、学校に遅刻せずにすんだ。


 そういえば、クレゼールさん何処に行ったのだろか?


***


 私立明鈴高校こそ俺が通う学校。従姉が教師をしている学校。そして何より、家から一番近い学校。


 初夏へのカウントダウンでもある桜の花弁が散り行く往来をたどること10分で校門につく。


 我らが2年A組は喧しいほど朝からハイテンションで、周囲のクラスより若干浮いているようないないような?


 ある程度の予想を立てつつ教室のドアを開ける。


「オッス、陽奈」


 そして待ち構える様にそびえ立つ友人A。


「Aじゃない! 芦屋明人だ!」


 おはよ、明人。イニシャルが苗字も名前もAであってるけど?


「なにをぉ!? ふむ、言われてみればAだな。よし、俺は今日からAと名乗ろう」


「納得するのかよ!」


 うわ、第三者が現れた。


「イニシャルですらない!?」


 む、文句の多いヤツだ。


「む、文句の多いヤツだ」


 と、Aが呟く。


「なんでシンクロしてんだよ!?」


 そんなことより第三者の名前は羽山秀一。長身? イケメン? ツッコミ担当? で、あっているよね?


「うむ。その通りだ。我らの憎いやつである」


「つーか、なんで陽奈は、言葉を発さないで会話が成立しているんだよ?」


 以心伝心? それと明人、転校生が来るって本当?


「おうともさ。しかも、金髪系美少女。見た目と雰囲気から留学生のほうが近いだろうな」


「本当に以心伝心しているんだな。明人は一言も転校生の話題を出してないぞ?」


 いやいや、教室のそこらじゅうからそんな話題が聞こえているし。


「そ、そう言われれば・・・! そこらじゅうじゃなくて、その話しているの先生だから!」


「そーいえば、ホームルーム始まっていたな」


「ようやく気が付いたか。早く席に就け。転校生の紹介ができない」


「「「はーい」」」


 先生に促され、俺たちは自席に戻っていく。


 俺は窓側前から2番目。明人が2列右の1つ後ろ。秀一が明人の2つ後ろに座る。


「じゃ、転校生を紹介するぞ。入ってこい」


 先生の合図と共に教室のドアが開いた。入ってきたのは金髪の美少女。今朝、途中からどこかに行ってしまった人物だ。


 まあ、薄々そんな気がしていたけど・・・。


***


 恒例、美少女への質問大会とかセクハラとかアピールが一通りに終了し、教室がいつもの騒がしさまで落ち着いてきたのは先ほど。つまり、昼休みが半分くらい終わってからだった。


 終わるきっかけは、皆が昼食取っていないことを思い出しただけ。


「なあ陽奈、さすがのおまえでも、クレゼールさんにはトキメクだろ!」


 右手に持った箸で卵焼きを挟んだまま、明人が話しかけてきた。


「んっ? なにが?」


「なにが? じゃなくて、少しは女子に興味を持とうぜ」


「持ってるよ。でもさー、ほらー、なんて言うのー? そうそう、あれ、うーん。うん、友達だけで満足して、大人になっても禄に彼女ができない人種ってやつ」


「その完璧な自己分析があるなら、なおそうとしろよ」


 と、ツッコミ役の秀一君。


「大人にならなければ問題ない」


「いや、さすがに無理だろ!」


「いやいや、ゾンビと狛犬と式神に年齢は関係ないと思うわよ」


「「「え!?」」」


 振り返るとそこには、金髪の女子生徒が呆れたようにこちらを見ていた。

おおまかな流れは考えているけど、細かい設定を考えてないから話が進みません。

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