彼女のおもい
私はアノ人のこと愛している。
アノ人の全てを愛している。
アノ人の髪も、爪も、体中のいたるところ、全てにおいて愛おしくてたまらない。
本当に、本当に愛おしくてたまらない。
アノ人は私を救ってくれた、ただ唯一の人。
あの暗闇から私の手を引っ張ってくれた、ただ唯一の人。
アノ人にとっては何でもない行為だけど、私にとっては大事な、大事なコト。
あぁ、アノ人のコトを考えるだけで、私は、私は、体が熱く、熱く、なっていく。
本当に、本当にアノ人のことが愛おしくて、愛おしくてたまらない。
だけど、アノ人は私には振り向いてくれない。
アノ人は、アイツのことが好きらしい。
私とアノ人の2人だけの世界を壊した、アイツのことを。
最初は何かの間違いだと思った。
だって、アノ人は私の運命の人でアノ人も私が運命の人だから。
けれど、アノ人はアイツが好きだと私に言った。
好きだと、まだアイツに想いは伝えてはいないけど、愛していると。
私は思う。あぁ、きっとアノ人はアイツに騙されているのだと。
アノ人の優しい心に付け入って、アノ人を利用しようとしているのだと。
許せない、許せない、愛おしいアノ人を騙しているアイツが。
憎い、憎い、愛おしいアノ人を騙しているアイツが。
でも、殺さない。まだ殺さない。
アイツが謝って、アノ人の側から居なくなってくれれば、殺さない。
だけど、もし違うようなら、その時は……………………絶対に殺す。